授業科目名				担当教員
通信デバイス工学特論				垣尾　省司／小野島　紀夫
時間割番号	単位数	コース	履修年次	期別	曜日	時限
322164	2	(未登録)	1	後期	火	I
［概要と目標］
インターネットを中心とする通信ネットワーク技術や，携帯電話などの移動体通信技術は，光波や弾性波などの“波動”を利用したデバイスにより支えられている．この講義の前半では，これら光波，弾性波を利用した通信デバイスについてその基礎から応用まで解説する．講義前半の到達目標は，<BR>1. 電気光学効果や圧電効果などの物理現象を理解すること<BR>2．光波，弾性波を利用した通信デバイスの動作原理，およびその特徴を理解すること<BR>などである．<BR><BR>本講義の後半では，通信用の半導体デバイスについてその構造や動作原理を説明する．具体的には，高周波トランジスタ(MESFET，HEMT，HBT)，半導体レーザ(量子井戸レーザ，面発光レーザ)，半導体受光デバイス(光検出器)を取り上げる．これらデバイスの物理，特に半導体ヘテロ構造や量子井戸構造の理解をこの講義後半の目標とする．
[到達目標]
光波や弾性波を用いた信号処理デバイスの理解<BR>通信に用いられる半導体光電子デバイスの理解
［必要知識・準備］
微積分学，線形代数学，解析学などの基礎的な数学知識と電磁気学，電気回路学の知識が要求される．<BR>半導体工学や電子デバイス工学の基礎的知識(とくにエネルギーバンドの理解)が要求される．
［評価基準］
No 評価項目 割合 評価の観点 1 小テスト／レポート  100  % 光波や弾性波を用いた信号処理デバイス、および通信用半導体光電子デバイスの理解度
［教科書］
(未登録)
［参考書］
Frank Schwierz, Juin J. Liou, Modern Microwave Transistors, WILEY, ISBN:0471417785 S. M. Sze, Physics of Semiconductor Devices, John Wiley & Sons, ISBN:0471056618
［講義項目］
１．光波を利用した通信デバイス<BR>1-1. 波動方程式<BR>1-2. 光導波路と導波モード<BR>1-3. 導波光の制御（電気光学効果，磁気光学効果，非線形光学効果）<BR>1-4. 導波型光制御デバイス（光変調器／スイッチ，SHG素子）<BR><BR>２．弾性波を利用した通信デバイス<BR>2-1. 弾性体中の運動方程式と圧電方程式<BR>2-2. 弾性波の伝搬と圧電効果による弾性波の発生・検出<BR>2-3．バルク弾性波と通信デバイスへの応用 （水晶振動子，共振子，フィルタ）<BR>2-4. 弾性表面波と通信デバイスへの応用 （フィルタ，共振器，発振器，スペクトル拡散用デバイス）<BR><BR>３．光波と弾性波の相互作用を利用した通信デバイス<BR>3-1. 光波と弾性波の相互作用（音響光学効果）<BR>3-2. 音響光学制御デバイス（ブラッグ回折素子，光周波数シフタ，光波長可変フィルタ）<BR><BR>４．半導体デバイスの基礎<BR>4-1. 半導体ヘテロ構造<BR>4-2. 量子井戸構造<BR><BR>５．通信用半導体電子デバイス<BR>5-1. 電界効果トランジスタ (MESFET、MOSFET、HEMT)<BR>5-2. バイポーラトランジスタ (BJT、HBT)<BR>5-3. ミリ波用高周波トランジスタの開発<BR><BR>６．通信用半導体光デバイス<BR>6-1. 半導体レーザ (量子井戸レーザ、面発光レーザ)<BR>6-2. 半導体受光デバイス (pin PD、APD、MSM型光検出器)<BR>6-3. 光・超高周波融合技術、ミリ波利用システム