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授業科目名
担当教員
技術と環境倫理
高橋 智子
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
276171 2 JS 3 後期 II
[概要]
環境倫理は,適切な定義はなく,コンセンサスが得られていない主題です.人類は人間以外の環境(non-human environment)にどのように対応すべきでしょうか.何かを開発しようとするとき,環境の破壊と,その開発から得られる人間の利得との間で,どうバランスを取るべきでしょうか.仕事上の関係から環境問題になりそうなことに直面したとき,それでも秘密を守らなければならいとしたら,どのような場合でしょうか.これからの社会のなかで,どのような技術選択が望ましいでしょうか.その過程はどうあるべきでしょうか.こうしたことを考えるために,ここでは世界的に公害国として知られた,かつての日本の経験,環境に大きな負荷を与えることになった日本の産業のあり方を,技術選択という視点から振り返ります.これらを通じて,より深い理解と新たな視点から,環境上の課題にアプローチできるようになることを目指します.
[具体的な達成目標]
21世紀を生きる市民として, 環境問題の解決に向けて、自らの判断と選択を,より広い知識と視野をもって行えるようになることが重要です。過去においてどのような問題が存在し,そこで技術者や社会はどう判断し,行動したのかを学び,同じような問題に直面したとき,自分ならばどう行動するのかを,自問自答するための基礎的スキルを身につけることが目標です.
[必要知識・準備]
これまでに環境に関わる問題や事件で,社会の中で大きく取り上げられたのは,どのようなものだったのかについての基本的知識.また環境に関わる問題は,毎日のように新聞・マスコミで取り上げられます.自分が興味・関心をもった問題については,時系列で報道を追いかけたり,雑誌やWeb上で調べるなどしてください.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 35  %論理的な問題分析と構造化 
2小テスト/レポート 35  %技術と環境倫理との関わりについて具体的な知識を獲得できているか 
3発表/表現等 30  %問題/課題の明確化とそれに対する解答のあるプレゼン 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 宇井 純, 『技術と産業公害』, 東京大学出版会, ISBN:4130510851
  2. 堀井 秀之, 問題解決のための「社会技術」−分野を超えた知の協働, 中公新書, ISBN:4121017404
  3. 加藤尚武, 環境と倫理, 有斐閣, ISBN:4641122660
  4. レイチェル・カーソン, 沈黙の春, 新潮文庫, ISBN:4102074015
[講義項目]
1 講義の概要と目的<BR> 開発と抑止<BR> エコセントリズムとテクノセントリズム <BR> 問題解決のための「社会技術」<BR><BR> 2-4 環境問題の歴史と世界<BR> レイチェル・カーソンの警告<BR> 公害から地球環境問題へ<BR> 地球温暖化問題と国家と科学者<BR><BR> 5-12 技術と産業公害<BR> 水俣病と企業技術者<BR> 環境放射能と原子力<BR> アスベスト問題と行政<BR> 土壌汚染<BR> 遺伝子組み換え食品の安全性評価<BR> <BR> 13-14 受講生による10分間スピーチ<BR><BR> 15 問題解決のために <BR> 技術倫理と専門家<BR> サイエンスコミュニケーション<BR> 科学技術リテラシー Science for all Japanese<BR>  
[教育方法]
講義による解説・問題提起,各自の調査,グループ討議という形式で進める.<BR>講義の中では映像資料なども活用する.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)