山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 授業研究マネジメント論
時間割番号 550003
担当教員名 中村 享史/一瀬 孝仁
開講学期・曜日・時限 前期・金・III-IV 単位数 2
<対象学生>
教育実践創成専攻 1・2年生
<授業の目的および概要>
日本や諸外国の授業研究の歴史的・文化的考察を行う。また、実際の授業プロトコルや映像資料をもとに授業記録の作成によって、授業分析・授業研究を実施する。さらに、校内研究会を組織し、マネジメントする研究主任の実務について考察する。連携協力校の校内研究会をもとに、授業観察力や授業実践力を向上するための校内研究会のあり方を探る。
<到達目標>
【ストレートマスター】<BR>授業研究の方法について理解するとともに、授業研究会・校内研究会の意義や役割を捉える。<BR>【現職教員学生】<BR>自らの授業経験に照らし合わせ、授業研究の方法の理解を深め、諸外国での授業研究と比較する中で、授業研究の意義や役割を一層明らかにする。
<授業の方法>
講義と演習。3名の教員がすべての授業に参加し、役割分担をしながらTTで授業を進める。授業分析では、プロトコルの作成、分析を演習で行う。<BR>分析する授業は、現職派遣教員は、自らの授業をビデオ撮影したものを活用する。附属学校、連携協力校での授業、附属学校や連携協力校の校内研修会についての分析も行う。お互いが分析した授業等についての意見交換やレポート発表を行う。最後の全体発表会では、授業研究・校内研究会のあり方や授業分析に関する知見を学生がレポート発表を行う。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 70  %授業のプロトコル、発問、行動記録などをビデオから作成し、分析する。 
2発表/表現等 30  %模擬授業などの発表。授業での発言、授業での課題に自らの意見を述べる 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
課題研究1と併行して,隔週金曜日の3・4時限に行う。
<テキスト>
  1. APEC 授業研究ビデオスタディ,
    (http://hrd.apecwiki.org/index.php/Lesson_Study_Videos)

  2. 稲垣忠彦, 授業研究入門, 岩波書店
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1 授業研究の意義と役割(中村・一瀬)<BR>・授業研究の意義と役割を文献調査、授業研究に関わる経験の話し合い<BR>  中村が授業研究の意義と役割について算数・数学科を例として理論的な背景を講義し、一瀬が実践的な立場から補足説明を行う。現職教員学生に授業研究についての経験を発表させる。<BR>2 授業研究の歴史的考察(中村・一瀬)<BR>・明治以降の授業研究の歴史を文献調査<BR>  明治・大正・昭和で行われていた師範学校などの授業研究の実態を中村が講義し、一瀬はストレートマスターに補足説明をする。全体を2グループに分けて、文献についての意見交換を行う。<BR>3 授業分析1(中村・一瀬)<BR>・公開研究会などの授業ビデオをプロトコル分析、議論<BR>  中村が公開研究会の授業ビデオを見せて、授業分析の手法や観点について講義を行う。一瀬は授業の実際について具体的な分析を示す。<BR>4 授業分析2(中村・一瀬)<BR>・教師の発問を中心に公開研究会の授業ビデオを分析、議論<BR>  公開研究会の授業ビデオをストレートマスターと現職教員学生のグループに分かれて、教師の発問を中心に分析させる。一瀬がストレートマスターを中村が現職教員学生の指導を行う。<BR>5 授業分析3(中村・一瀬) <BR>・児童生徒の行動を中心に授業ビデオを分析、議論<BR>  連携協力校や県内の研究校で行われた授業ビデオを見て,ストレートマスターと現職教員学生のグループに分かれて、児童生徒の活動を中心に分析させる。一瀬がストレートマスターを中村が現職教員学生の指導を行う。<BR>6 授業分析4(中村・一瀬)<BR>・教師と児童生徒の相互作用を中心に授業ビデオを分析、議論<BR>  連携協力校や県内の研究校で行われた授業ビデオを見て、教師と児童生徒の相互作用を中心に分析させる。一瀬がストレートマスターを中村が現職教員学生の指導を行う。<BR>7 授業研究の文化的考察1(中村・一瀬)<BR>・アメリカの授業研究の実際と分析<BR>  中村がTIMSSビデオスタディの結果と関連させて,アメリカの授業研究の実際にビデオを見せて、その特徴を解説する。一瀬は実践的な視点から解説を行う。全体を2グループに分けて、アメリカの授業について意見交換を行う。<BR>8 授業研究の文化的考察2(中村・一瀬)<BR>・諸外国の授業の教材分析<BR>  中村がアメリカ,アジア(シンガポール、中国など)の教科書や教材を用いて特徴などを解説する。一瀬が実践的な視点から解説を行う。その後、全体を2グループに分けて、アメリカ・アジアの教材について意見交換を行う。<BR>9 授業研究の教育学的考察(中村・一瀬) <BR>・授業研究を学習理論の立場から考察する。<BR>  中村が数学科の授業研究をもとに教育学的の立場から講義を行う。一瀬は実践的な立場から具体的な様相を細くする。<BR>10 授業研究の特徴・意義についての議論(中村・一瀬)<BR>・授業研究に関する文献や経験をもとに議論(演習)<BR>  これまでの講義や文献調査をもとに授業研究の役割や教師の力量形成にどのように関わるかを討議する。一瀬はストレートマスターの指導を行い、中村は現職教員学生の指導を行う。<BR>11 校内研究会の運営(一瀬・中村) <BR> ・連携協力校などの校内研究会の運営<BR>   一瀬が連携協力校などの校内研究について、その実態などを講義する。中村は、補足説明を行う。学生を小学校、中学校、高等学校のグループに分けて、校内研究会のあり方について意見交換をする。<BR>12 研究主任の役割(一瀬・中村) <BR> ・連携協力校の校内研究会での研究主任の役割<BR>   一瀬が校内研究会における研究主任の役割について講義を行い、中村が補足説明を行う。<BR>13 授業研究の実際1(一瀬・中村) <BR> ・学生が指導案を提案し,事前指導研究会を行う<BR>   学生が小学校、中学校などの教科の指導案を作成し,指導案についての事前検討会を行う。一瀬,中村は適宜指導を行う。<BR>14 授業研究の実際2(一瀬・中村) <BR> ・学生が模擬授業を行い,研究協議会を体験する。<BR>   学生が小学校、中学校などの教科の模擬授業を行い,授業者,授業提案グループ,司会,指導助言者などの役割に分かれて,協議会を行う。一瀬,中村は適宜指導を行う。<BR>15 全体発表会(一瀬・中村) <BR> ・レポート発表、意見交換<BR>   授業研究の意義と役割について、教師の授業力向上の視点から作成したレポートを発表し、意見交換を行う。