山梨大学電子シラバス

授業科目名

担当教員

航空宇宙工学

青柳　潤一郎

時間割番号

単位数

コース

履修年次

期別

曜日

時限

271280

ME/EE/CS/JM

3,4

後期

木

［概要］

航空宇宙工学は飛行機やロケット、人工衛星などの飛行体を設計・製作・運用するために必要な工学的要素（機械力学、構造・材料力学、流体力学、熱力学の四力に加え、制御工学、電気電子工学、通信工学、情報処理、ソフトウェアなどの有機的な体系）を学ぶ分野である。本講義では航空宇宙工学で特徴的な項目をピックアップして、これまでに修得した工学的知識が航空宇宙工学分野でどのように生かされているのかを学ぶとともに、実際に航空宇宙関連のものづくりに取り組むことで、航空宇宙工学に関する知見の定着を目指す。 前半は航空工学の内容である。翼の役割や飛行機設計に必要な基礎項目を学ぶとともに、紙飛行機の設計・製作・飛行試験を行う。 後半は宇宙工学の内容である。ロケットの原理や地球周回軌道、人工衛星の構成要素を学ぶとともに、ペットボトルロケット飛行体の設計・製作・飛行試験を行う。

［具体的な達成目標］

航空工学について： ・大気の環境や航空工学の歴史を説明できる。 ・翼に作用する揚力の発生原理を「循環」を使って説明できる。 ・航空機の種類を説明できる。また、飛行機の構成要素を説明できる。 ・重航空機の力のつり合いと運動や安定性の原理を説明できる。 ・航空機の推進機関について、種類や構成を説明できる。また、航空機に使用している材料を説明できる。 ・上記の学修内容をもとに、滞空性能を重視した高性能紙飛行機の設計をして、その説明ができる。 ・実際に滞空性能を重視した高性能紙飛行機を製作して飛行実証できる。 宇宙工学について： ・宇宙の環境や宇宙工学の歴史を説明できる。 ・打上ロケットの構成要素を説明できる。また、ロケット方程式を導き、説明できる。 ・地球周回軌道の種類や性質を説明できる。軌道変換の原理を説明できる。 ・人工衛星の構成を小惑星探査機はやぶさを例に説明できる。イオンエンジンの原理を説明できる。 ・人工衛星の熱設計に必要な熱放射の知識から、簡単な衛星の熱設計問題が解ける。 ・飛行距離性能を重視したペットボトルロケット飛行体を設計して、その説明ができる。 ・実際に飛行距離性能を重視したペットボトルロケット飛行体を製作して飛行実証できる。 総括として： ・航空宇宙工学に関する知見について、その知識を知らない人に対して分かるように説明できる。

［必要知識・準備］

物理と数学に関する科目は単位修得のうえ、十分に使えるようにしていること。 機械工学科の受講生は、機械力学、流体工学、熱力学、材料力学、制御工学などの基礎工学部門、応用工学部門の単位修得のうえ、十分に使えるようにしていること。 機械工学科以外の受講生も各自の専門工学の知識を有していること。

［評価方法・評価基準］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	小テスト／レポート	80 %	航空工学の課題5回分と宇宙工学の課題5回分（各5点×10回=50点）、高性能紙飛行機とペットボトルロケット飛行体の設計レポート（各15点×2回=30点）
2	発表／表現等	20 %	高性能紙飛行機の飛行実績（個人）とペットボトルロケット飛行体の飛行実績（グループ）（各10点×2回=20点）

［教科書］

指定なし。複数の参考書、参考資料を元に、授業を進める。

［参考書］

［講義項目］

01　大気の環境、航空工学の歴史 02　翼の空力特性と流体力学の「渦」 03　航空機の分類、飛行機の構成 04　重航空機に作用する力、安定性 05　推進機関、航空機材料 06　高性能紙飛行機の設計、試験飛行 07　高性能紙飛行機の飛行性能評価 08　宇宙の環境、宇宙工学の歴史 09　打ち上げロケットとロケット方程式 10　地球周回軌道と軌道変換 11　小惑星探査機はやぶさとイオンエンジン 12　人工衛星の熱設計 13　ペットボトルロケット飛行体の試験飛行 14　ペットボトルロケット飛行体の飛行性能評価 15　総括

［教育方法］

・受講者は最初にグループ分けして、このグループ単位で活動する。 ・講義内容に関する資料（講義スライドや参考書資料など）を事前に配付する。 ・プロジェクタを使用して、スライドや動画を使った講義を行う。 ・講義は教員からの解説のほか、グループディスカッションや相互学習を取り入れる。 ・その日の講義や次の講義に関する課題を出して、講義時間外に取り組み、翌週+αの指定した期間内に提出してもらう。 ・講義中にスライド内容を全て書き写す時間は設けていないので、事前に配布した資料を使って予習し、講義中には補足説明を加えて自分用の資料を作成し、復習すること。 ・グループごとに、高性能紙飛行機やペットボトルロケット飛行体の設計・製作・試験・実演を行う。 ・高性能紙飛行機は一人ずつ一機を、ペットボトルロケット飛行体はグループごとに一機を製作する。 ・高性能紙飛行機やペットボトルロケット飛行体の設計・製作については、講義時間中に解説もするが、基本は配布する資料を基に課外時間に取り組んでもらう。

［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］

(未登録)

［その他］

(未登録)