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授業科目名 環境法
時間割番号 L40059
担当教員名 伊藤 智基
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
地域社会システム学科、環境科学科 3年
<授業の目的および概要>
 環境(生活環境・自然環境)の保護並びに環境紛争の予防及び解決に関連する環境法を取り上げる。環境問題と環境法制の歴史的展開から始めて、環境法の基本理念・体系・特色、環境保全のための手法、汚染排出の防止・削減に関する法、廃棄物処理とリサイクル法制、化学物質管理法制、自然環境保全法制、環境アセスメント法制、公害環境紛争の解決、環境行政組織と法制度を順に学んで行く中で、各法制度の仕組み及び課題を理解する。その中で、実際の環境訴訟の事例とその争点を判例に即して検討するとともに、環境政策に関して進行中の議論を把握する。最後に、地球環境問題の解決をめざす国際環境法(国際条約など)についても学ぶ。
<到達目標>
 環境法の基本原理をまず理解し、その上で個別領域における環境法政策の仕組みを理解すること。<BR> 公害を防止し、環境問題を解決するために、行政・住民・国会・事業者・裁判所がどのような役割を講ずる必要があるかについて、理解を深めること。
<授業の方法>
 講義形式とする。受講生はテキストを予め購入し、講義開始までにその講義で取り扱われる箇所を読んで頭に入れてくることを必要とする(暗記してくるようにとまでは言わない)。それを前提とした上で、教室での講義においては、理解を確認するための問題を解いてもらったり、テキストの内容の補足や別の角度からの解説を行ったり、次回講義の概要説明を行ったりする。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %理解度を確認する。 
2小テスト/レポート 70  %理解度を確認する(提出課題:期末期)。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 はじめまして。環境法の講義を担当する伊藤智基です(本務校は山梨県立大学です)。前期の行政法も担当します(環境法を受講する予定の方は、あらかじめ行政法を受講するようにしてください)。<BR> 環境法という学問は、(行政法ほどではありませんが)取り扱う領域が広く、教室での講義だけですべての解説を行うことは不可能なので、テキストを使うことにしました。環境法のテキストは近年出版が盛んにおこなわれていますが、ページ数が多く文字がびっしりというものであったり値段が高すぎたりすると受講生のみなさんのやる気を削ぐと思いましたので、そうならないようにできるだけ配慮してテキストを選定しました。きちんと買って、該当箇所を毎回読んできてくださるよう、お願いします(ちなみに、講義ではこのテキストよりも質的に充実した解説を行いますので、このテキストさえあれば講義に出なくてもよい成績を収められるかというと、決してそういうわけにはいきませんのでご注意ください)。
<テキスト>
  1. 中嶋乃扶子, なるほど図解 環境法のしくみ, 中央経済社, ISBN:450204380X
<参考書>
  1. 北村喜宣, 環境法[第3版], 弘文堂, ISBN:4335356110
<授業計画の概要>
1回目 ガイダンス、環境法の全体像<BR>2回目 環境の定義・分類、環境をなぜ守るのか、どのように守るのか<BR>3回目 公害問題に対する民事法的対応<BR>4回目 公害問題に対する行政法的対応〜公害法の生成〜<BR>5回目 公害問題から環境問題へ 〜より進化した行政法的対応、そのアプローチ方法〜<BR>    環境法の基本原理? 〜持続可能な発展〜<BR>6回目 環境法の基本原理? 〜汚染者負担原則、拡大生産者責任〜<BR>7回目 環境法の基本原理? 〜未然防止原則、予防原則〜<BR>8回目 企業による自主的取組み 〜CSR、環境管理・環境監査、環境ISO、環境会計、<BR>    グリーン購入、環境報告書〜<BR>9回目 自治体環境法 〜公害法・環境法の「最先端の実験室」、上乗せ条例、<BR>    横出し条例、公害防止協定・環境保全協定〜<BR>10回目 個別環境法領域 〜環境基本法、環境権〜<BR>11回目 個別環境法領域 〜廃棄物処理・循環型社会の形成〜<BR>12回目 個別環境法領域 〜国際的な環境問題への取組み〜<BR>13回目 個別環境法領域 〜地球温暖化対策〜<BR>14回目 個環境法領領域 〜原発事故と環境法〜<BR>15回目 総括評価:まとめ