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授業科目名 地域計画学
時間割番号 L40031
担当教員名 大山  勲
開講学期・曜日・時限 後期・火・V 単位数 2
<対象学生>
地域社会システム学科 2年生
<授業の目的および概要>
本講義で扱う「地域」とは、都市から農山漁村までを含み、さらに国土全体から身近な生活空間までを含む。そして、その地域における様々な開発や自然環境保全および地域で展開される産業・経済・社会・文化等の諸活動の活性化と持続のための計画制度の基礎を学ぶ。さらに、地域の持続と活性化を進めるためには現行の計画制度には限界があることを理解し、それを改善するための合意形成の重要性とその方法を理解する。これらを理解するために、まず計画の歴史、わが国の計画の体系、計画策定手法を学習した上で、各計画制度の内容と課題を学習する。
<到達目標>
1)わが国の地域計画の歴史と思想を理解する。<BR>2)わが国の地域計画のうち法定として運用されている各種計画制度(都市計画法を中心として、建築基準法、景観緑三法、自然環境保全法等・・・)に関する法令と公共事業の内容を理解する。<BR>3)地域計画において人と人の共生(市民行政協働やコミュニティ主体の活動)や自然や人の共生(自然環境や防災を踏まえた計画)の考え方を理解する<BR>4)身近な地域の特徴を把握し課題を見いだすことができる。
<授業の方法>
講義と調査レポート演習・発表を中心に授業を進める。実際に見て実感を持つことが大事であるので、調査レポートを課す。講義ではできるかぎり現場の事例を紹介する。地域計画技法の基礎的知識を深めるとともに、将来、地域の活性化に挑む者の備えるべき、哲学・思想・倫理のあり方を考えてもらいたい。<BR>講義資料は事前にCNSを通じて配布するのでそれを予習し講義に臨む。講義中での解説を資料やノートに筆記していく形で講義をすすめる。講義後は関連する項目を参考書等で調べて復習し、知識を整理してほしい。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %基礎的な知識の定着および考える力を評価する 
2小テスト/レポート 50  %講義の理解力、現地の観察力、自ら調べ整理する能力、レポートの発表または他の人の発表に対するディスカッション能力 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
主体的な学習を前提として講義をすすめます。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 山下祐介, 限界集落の真実, ちくま新書,
    (2012)

  2. 根本祐二, 豊かな地域はどこがちがうのか, ちくま新書,
    (2013)

  3. 大江正章, 地域の力, 岩波新書,
    (2008)

  4. 久隆浩, 都市・まちづくり学入門, 学芸出版社,
    (2011)

  5. 脇田祥尚, みんなの都市計画, 理工図書,
    (2009)
<授業計画の概要>
第1回:講義概要、都市と農村、地域の課題<BR>第2回:居住環境づくりの歴史と思想1(古代文明、ギリシア文明、ローマ文明、中世文明。文明を支えた農業革命)<BR>第3回:居住環境づくりの歴史と思想2(産業革命と居住環境変化。田園都市論、近隣住区理論、機能主義とその反省)<BR>第4回:わが国の近代計画制度(戦災・震災と復興、土地区画整理事業。近代都市計画の理念。憲法29条。)、国土計画<BR>第5回:わが国の都市・農村計画の概要と体系ー法的な土地利用コントロール手法1(地域計画の対象地域。憲章・要綱・自主条例・委任条例・法律。市町村総合計画。法定都市計画とは。都市計画区域。都市計画マスタープラン。区域区分。農業振興地域整備計画。都市計画区域外における土地利用規制方法。開発許可制度。)<BR>第6回:ー法的な土地利用コントロール手法2(地域制。用途地域、形態と用途の規制、建ぺい率・容積率・高さ制限。建築基準法集団規定・接道義務・既存不適格。)<BR>第7回:ー法的な土地利用コントロール手法3(様々な地域・地区。海外の地域制と開発許可制度。)<BR>   :歴史的背景の異なる居住環境の調査レポートの発表とディスカッション<BR>第8回:ー法的な土地利用コントロール手法4(地区計画制度。海外とわが国の計画体系の比較。)<BR>第9回:実現化の手法(都市施設整備事業、市街地開発事業。都市計画決定の手続きと住民参加、公示・縦覧。公共事業とPFI。国庫補助事業。)<BR>第10回:地域資源の活用と地域持続ー景観を契機とするまちづくりー(景観法、景観計画、景観計画区域、景観地区、景観重要建造物など、届け出対象行為と景観形成基準。地区計画との違い。規制の限界(景観を契機とした住民行政協働のまちづくり)。)<BR>第11回:計画白地地域の土地利用調整計画とまちづくり条例。森林保全から国土保全へ。自然公園等。国の統計調査等。<BR>第12回:農山漁村地域の計画(農村の歴史。農村計画(農村開発)の歴史。農村計画のあり方(圃場整備・農業水利の課題、ビオトープと里山保全、内発的地域づくりへ)<BR>第13回:新しい地域づくりへ(環境共生都市、コンパクトシティ、文化創造都市、都市と農山漁村の相互関連、内発的地域づくりの事例)。<BR>第14回:総括1(レポート発表とディスカッション)<BR>第15回:総括2(期末試験とその解説、授業総括)