授業科目名	構造生物学
時間割番号	L10039
担当教員名	楠木　正巳
開講学期・曜日・時限	後期・月・I	単位数	2
＜対象学生＞
生物学，応用生物学，特に生化学，分子生物学，細胞生物学，微生物学などの分野で蛋白質科学，蛋白質の構造に興味を持つ学生，この知識を必要とする学生。　３年次生
＜授業の目的および概要＞
まず，タンパク質の性質について理解する。タンパク質がリボソームにより合成され，フォールディングし，その後各種の修飾を受け，機能を持ったタンパク質ができあがる。タンパク質の安定性，分解，分子進化について学ぶ。<BR>　動物、植物、微生物由来のタンパク質を大腸菌で大量発現する方法，タンパク質の精製の原理と実際を学ぶ。タンパク質の結晶化，結晶学の基礎につて理解する。<BR>タンパク質結晶学、核磁気共鳴法、初歩を学ぶ。
＜到達目標＞
タンパク質の生合成，安定性，分子進化などタンパク質科学の基本を理解する。<BR>　生体高分子の立体構造決定方法であるタンパク質結晶学の方法を理解する。
＜授業の方法＞
講義
＜成績評価の方法＞
No 評価項目 割合 評価の観点 1 試験：期末期  60  % 基本的な事項を理解しているかを判定する。  2 小テスト／レポート  20  % 演習により，問題に取り組んで理解を深める。  3 受講態度  20  % 授業にでることが重要である。
＜受講に際して・学生へのメッセージ＞
(未登録)
＜テキスト＞
(未登録)
＜参考書＞
G.A ペツコ　　D．リンゲ　著　横山茂之　監訳, タンパク質の構造と機能, メディカル・サイエンス・インターナショナル, ISBN:4-89592-422-X 倉光成紀 ，杉山政則 　編集, 構造生物学―ポストゲノム時代のタンパク質研究, 共立出版（株）, ISBN:4320056493 樋口芳樹，中川敦司, 構造生物学 ―原子構造からみた生命現象の営み―, 共立出版（株）, ISBN:4320057015
＜授業計画の概要＞
第１回：酵素の触媒残基の機能、保存、分子進化<BR>第２回：セリンプロテアーゼの触媒残基と機能、分子進化<BR>第３回：タンパク質の分子進化速度とアミノ酸置換行列<BR>第４回：タンパク質のアミノ酸配列エディターJalViewの使い方<BR>第５回：タンパク質の立体構造<BR>　　　　　ラマチャンドランプロット<BR>第６回：真核生物のタンパク質の翻訳後修飾，フォールディング，変性，再生、輸送<BR>第７回：構造生物学の概要<BR>第８回：大腸菌タンパク質発現系<BR>第９回：タンパク質の精製１<BR>　ゲルろ過，アフィニティークロマトグラフィーの原理と実際，ヒスタグ付きタンパク質のNi-NTAカラムによる精製<BR>第１０回：タンパク質の精製２<BR>　　　イオン交換クロマトグラフィーの原理と実際，分子量の決定，疎水性相互作用クロマトグラフィー<BR>第１１回：タンパク質の結晶化<BR>　　　　　タンパク質水溶液の相図，蒸気拡散法<BR>第１２回：結晶学の基礎<BR>　　　　　対称要素，晶系，晶属，点群，空間群<BR>第１３回：タンパク質結晶学１<BR>　　　　X線発生装置，X線回折データの測定，データ処理，分解能<BR>第１４回：タンパク質結晶学２<BR>　　構造決定法，分子置換法，重原子同形置換法，多波長異常分散法<BR>第15回：総括。総合評価。