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授業科目名 宗教学
時間割番号 162308
担当教員名 岩崎 真紀
開講学期・曜日・時限 集中・(未登録)・(未登録) 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
 現代世界の宗教のなかでも、昨今もっとも注目されているイスラームを取り上げ、宗教文化への理解を深めることを目的とする。授業後半では、イスラームの兄弟宗教であるユダヤ教、キリスト教も取り上げ、これら三宗教がどのような関係にあるか考察する。また、可能であれば、大学近辺のモスクなどへのフィールドワークやムスリムの方との交流を通じて、宗教が人々によってどのように生きられているのか、実際に触れる。
<到達目標>
No 重要度   目標   詳細<BR>1  ◎  知識と視野 多くの日本人にとってなじみの薄いイスラーム/ムスリムに<BR>            ついての知識を深めることで、異文化理解を促進し、広い視<BR>            野する。<BR>2 能力と技能 異文化と接する場合のコミュニケーションの方法やその文化<BR>            の背景にある事象に目を向けることを学ぶ。<BR>3 人間性と倫理性 宗教や国籍、民族、文化が異なる人々同士の平和的共存<BR>              は、21世紀の重要な課題のひとつである。同じ人間とし<BR>              て分かりあうための姿勢について学ぶ。
<授業の方法>
集中授業のため、講義一辺倒ではなく、途中にグループワークとモスク等へのフィールドワークもしくはムスリムの方との交流を入れた、インタラクティブな授業を行なう。講義については、テキストをもとにしつつ、担当教員がこれまで行ってきたエジプトやチュニジア、モロッコ、フランス、カナダなどでのフィールドワークにもとづいた写真等のヴィジュアル資料を用いることで、普段あまり目にすることのない中東・北アフリカの人々の在りようについて、より具体的イメージがつかめるようになることを目指す。昨今の相次ぐテロ事件により、イスラーム=恐ろしいというマイナスのイメージが流布しがちだが、イスラームの教義や大多数のテロとは無縁のムスリムの生活の一旦を知ることで、イスラームという宗教・文化についての理解を深めることを目的とする。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 60  %論述形式の試験。授業をどの程度理解したかを評価する。 
2受講態度 40  %出席と積極性。2/3の出席率は必須。質問や発言、グループワークや発表への貢献など、授業での積極性を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 日本では、「宗教」という言葉に対して、「危険」「怖い」「対立や紛争の種」など負のイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、世界を見渡してみれば、日本も含めたほとんどすべての地域で、宗教は陰に陽に人々の生活と密接に結びついています。本講義は、世界第二位という人口を持つイスラームという宗教を通して、人々によって「生きられている宗教」の在り方の一旦を知ってください。モスク訪問やムスリムの方との交流というアクティヴィティを予定しています。座って聞いているだけではなく、みなさん自身が自分の頭で考え、行動する授業を行なう予定です。
<テキスト>
  1. 塩尻和子, イスラームを学ぼう, 秋山書店、2007年
<参考書>
  1. 岩崎真紀, 「宗教的マイノリティからみた一月二五日革命:コプト・キリスト教徒の不安と期待」『現代宗教2012』, 秋山書店,
    (2012年、pp.219-238)

  2. 池内恵, イスラーム国の衝撃, 文芸春秋社,
    (2015年)

  3. 塩尻和子・津城寛文・吉水千鶴子, 図解宗教史, 成美堂出版,
    (2008年)

  4. 藤原聖子, 教科書の中の宗教:この奇妙な実態, 岩波書店,
    (2011年)

  5. 藤原聖子, 世界の教科書でよむ<宗教>, 筑摩書房,
    (2011年)
<授業計画の概要>
第1回:イントロダクション:本講義の目的と概要の説明。受講者の興味や関心についても尋ねる。<BR>第2回:イスラームとは?:シリアにおける日本人人質事件にみるIS(いわゆるイスラーム国)とイスラームの関係<BR>第3回:聖典クルアーンとイスラーム法<BR>第4回:イスラームの人間観・女性観・社会観・死生観<BR>2日目(4回分)<BR>第5回:セム系三宗教の比較:ユダヤ教・キリスト教・イスラームの共通点と相違点<BR>第6回:中東・北アフリカに生きるムスリムと非ムスリム:フィールドからみる宗教共存<BR>第7回:フィールドワークのためのグループ選定、グループごとのフィールドワーク準備<BR>第8回:フィールドワークの準備(つづき)<BR>3日目(4回分)<BR>第9回:大学近郊のモスクでのフィールドワーク【調整中】<BR>第10回:大学近郊のモスクでのフィールドワーク〔つづき〕<BR>第11回:グループワーク(フィールドワーク結果にもとづく資料作成)<BR>第12回:グループワーク(フィールドワーク結果にもとづく資料作成)〔つづき〕<BR>4日目(3回分)<BR>第13回:グループによるフィールドワーク結果の発表<BR>第14回:グループによるフィールドワーク結果の発表〔つづき〕<BR>第15回:講評と本講義のまとめ・試験