授業科目名	ウイルスの生命科学
分類・系統
時間割番号	063475
担当教員名	加藤　伊陽子
開講学期・曜日・時限	前期・火・I	単位数	2
＜対象学生＞
すべての学部・学科の学生
＜授業の目的＞
｢ウイルス｣には、医学・感染症学的な事項に加えて、生命とは何かという疑問、構成分子の分子生物学、環境との密接な関連、感染症を防止する技術、地球規模での感染拡大、学校や家庭の役割など、多くの側面がある。この講義では異なる学部の学生が(1)ウイルスを生命科学として学習するとともに、(2)多くの視野からさまざまなウイルス感染について学習し、議論する。職業人、市民、家庭人として今後ウイルス感染に対処していくための知恵の枠組みを作る。
＜到達目標＞  到達目標とは
No 重要度 目標 詳細 1 ◎ 知識と視野 学生は(1)ウイルスとは何か、(2)さまざまなウイルス、(3)世界規模で問題となっているウイルス感染と対策、(4)ウイルスと人間の関わりの歴史、(5)学校、家庭、個人レベルでの感染とその防止策、を理解する。 2   能力と技能 (i)　学生はWHO、国・地方自治体などの信頼できる機関から感染症発生と感染防止についての最新情報をインターネットなどを通じて収集する。 (ii)　学生は課題学習内容を電子ファイルに要約（スライド作成）し、発表会で発表（プレゼンテーション）を行う。 3   人間性と倫理性 学生はウイルス感染防御のために個人と社会がなすべきことを理解する。
＜授業の方法＞
期間の前半には、毎回1つのテーマで講義と話し合いを行う。担当教員はパワーポイントやプリントによりウイルスに関する知識を紹介し、学生は議論とリサーチによって学習を進める。<BR>期間の後半には学生が課題を設定して学習を進め、パワーポイントその他の電子ファイルを作成して、発表（プレゼンテーション）を行い、レポートを作成する。
＜成績評価の方法＞
No 評価項目 割合 評価の観点 1 小テスト／レポート  40  % (1)課題の適切さ、(2)学習・調査の範囲、(3)知識・理解度、(4)レポートの構成、(5)その他  2 受講態度  20  % (1)講義・発表の内容の把握、(2)発言の内容と頻度、(2)学生相互の学習内容の理解と議論  3 発表／表現等  40  % (1)課題の適切さ、(2)学習・調査の範囲、(3)知識・理解度、(4)プレゼンテーションの構成、(5)発信力
＜受講に際して・学生へのメッセージ＞
将来の専門性を異にする学生が、さまざまな角度からウイルスとウイルス感染について学習し、話し合うことを期待しています。生物およびウイルスに関する知識の有無を問いません。学生が各自、後半に行う学習発表と続いて提出するレポートによって評価を行います。
＜テキスト＞
(未登録)
＜参考書＞
井上　栄, 感染症, 中公新書, ISBN:978-4-12-101877-9, (教科書というより読み物で、感染症について興味深いことが書いてあります。(740円))
＜授業計画の概要＞
次の１５の項目を予定している。履修人数によって講義予定（内容）と発表会の予定を調整する。カッコ内にkey words を示す。<BR>１．｢生物｣と｢細胞｣と｢ウイルス｣：生命ってなんでしょう？<BR>（生物の定義、ゲノム、遺伝子、ウイルス粒子）<BR>２．ウイルスの増殖を分子の用語で説明しよう。<BR>（受容体、侵入、脱殻、DNA/RNA複製、転写、翻訳、組み立て）<BR>３．ウイルスから身を守るために何をしますか？　<BR>（ワクチン、抗体、抗ウイルス薬、マスク、手洗い）<BR>４．がんを起こすウイルスについて考えよう。<BR>（子宮頸癌、ヒトパピローマウイルス）<BR>５．人類が撲滅したウイルス。<BR>（天然痘、ワクチンの発明）<BR>６．人類が撲滅しようとしているウイルス。<BR>（ポリオウイルス、不活化ワクチン、生ワクチン）<BR>７．子供のときに感染するいろいろなウイルス。<BR>（小児・幼児・児童のウイルス感染）<BR>８．妊婦はウイルス感染を避けよう。　<BR>（垂直感染、胎児感染、ほか）<BR>９．動物から人間社会にやって来るウイルス。<BR>（昆虫媒介性、人獣共通感染症）<BR>１０．ウイルス感染症の治療薬：抗ウイルス剤<BR>（エイズ、ヘルペス、インフルエンザ、肝炎の治療薬）<BR>１１．課題学習(1)　研究テーマの設定と発表内容についての話し合い<BR>１２．課題学習(2)　Web検索、図書等による課題学習、発表とレポートのファイル作成<BR>　　　　　　　　　 期間を通じてホームワークとして準備・実施する。<BR>１３−１５．　発表会（評価）