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授業科目名 食料問題とグローバル経済
時間割番号 L40040
担当教員名 渡邊 幹彦
開講学期・曜日・時限 前期・火・III 単位数 2
<対象学生>
3年生
<授業の目的および概要>
国際貿易や国際金融、世界の食糧生産に関する基礎知識を確認するとともに、第二次世界大戦後の日本経済の展開を、変動相場制への移行や旧社会主義圏の崩壊など経済の国際化・グローバル化の流れの中で理解する。あわせて、国際的な視野のもとに、国際制度、経済のグローバル化が抱える問題、環境との関連などについて分析する視点についても学習する。
<到達目標>
学生は、本科目での学習を通じて、以下のような目標に到達することが期待される。<BR>1) グローバル経済の現状を理解する。<BR>2) 国際経済の理論を説明できる。<BR>3) 食料生産の基礎知識を理解できる。<BR>4) グローバル経済、食料問題、環境問題の関係を理解する。
<授業の方法>
講義
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 70  %グローバル経済、国際経済、食料問題、環境問題の1つ以上と関係するレポートの提出を求める。 
2受講態度 30  %毎回講義の最後に、アンケートを実施する。(テストではない。欠席及び問題ある受講態度は減点の対象とする。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
現在社会に生きる人にとって、グローバル経済を知ることは必須である。国境を越えて、物(財)と人(人的資本)とお金(資本)がどのような関係にあり、また、それを分析するにはどのような視点があるのかを学ぶことは、必ず役に立つ。また、物の生産と消費は、環境問題とは無縁ではなく、環境問題は、食料問題と無縁ではない。これらの関係を知ることも現代社会で生きるためには必須である。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 井川一宏・林原正之・佐竹正夫・青木浩司編著, 基礎 国際経済学, 中央経済社, ISBN:4-502-64043-3
  2. 澤田康幸, 基礎コース 国際経済学, 新世社, ISBN:4-88384-061-1
  3. 野口旭, グローバル経済を学ぶ, ちくま新書, ISBN:978-4-480-06363-2
<授業計画の概要>
本科目の授業は、大きく2つにわかれる。<BR>第1部 グローバル経済と国際経済 第1回〜9回<BR>第2部 食料問題と環境問題及びグローバル経済 第10回〜13回<BR>(評価とまとめ  第14〜15回)<BR><BR>第1部 グローバル経済の現状と国際経済の理論 第1回〜9回<BR><BR>第1回:ガイダンスと現在のグローバル経済の現状<BR>主な内容:<BR>1) 履修のガイダンス<BR>2) 科目全体の考え方<BR>3) 世界経済の指標 − 世界銀行による指標<BR>4) アジアの経済発展と日本<BR><BR>第2回:グローバル経済の現状と歴史的背景<BR>主な内容:<BR>1) イギリスの覇権からアメリカの覇権<BR>2) 戦後の通商体制 GATT=WTOとIMF<BR>3) 地域統合<BR>4) 新興国経済 NIESとBRICs<BR><BR>第3回:国際経済の理論1:<BR>主な内容:<BR>1) 貿易の便益<BR>2) リカードモデル<BR><BR>第4回:国際経済の理論2<BR>主な内容:<BR>1) 貿易の便益続き<BR>2) ヘクシャー=オリーン・モデル<BR><BR>第5回:国際経済の理論3<BR>主な内容:<BR>1) 規模の経済に基づいた貿易<BR>2) 集積と空間による貿易<BR><BR>第6回:国際経済の理論 4<BR>主な内容:<BR>1) 貿易政策<BR>2) 貿易政策の効果<BR>3) 保護貿易のメリットとデメリット<BR><BR>第7回:国際経済の理論 5<BR>主な内容:<BR>1) 生産要素の国際移動<BR>2) 企業の海外進出<BR>3) 海外直接投資<BR><BR>第8回:国際経済の理論6<BR>主な内容<BR>1)国際収支(再考)<BR>2)国際金融システム(変動相場制と固定相場制)<BR>3)債務危機と通貨危機<BR>4)日本の経験<BR><BR>第9回 振り返り:グローバル経済と国際経済<BR>主な内容:<BR>毎回実施するアンケートの回答の中から、要点を振り返るのに適したものを取り上げて、<BR>回答から簡単にその内容を説明してもらい、教員が補足説明を行う。<BR><BR>第2部 食料問題と環境問題 第10回〜13回<BR><BR>第10回:食料問題の現状<BR>主な内容:<BR>1)世界の食料問題の現状の整理<BR>2)統計資料の紹介<BR>同時に、必要な統計資料を紹介する。<BR><BR>第11回:食料経済の基礎理論<BR>主な内容:<BR>1)食料の需給形成要因<BR>2)フードシステム<BR><BR>第12回:食料問題と環境問題<BR>主な内容:<BR>1)森林破壊<BR>2)気候変動<BR>3)生物多様性の損失、<BR>該当参考図書:<BR><BR>第13回:食料と環境問題に関するユニークな視点 <BR>− 遺伝子組み換え作物、及び、生物資源(特定保健用食品、及び、伝統的知識)<BR>主な内容:<BR>1)遺伝子組み換え作物の現状<BR>2)生物資源という視点からみた食料問題と環境問題<BR><BR>第14回:全体の評価・総括・まとめ1<BR>主な内容:レポートの中から、他の学生の参考になるようなものを紹介し、ディスカッションを行うとともに、科目全体の振り返りを行う。<BR><BR>第15回 全体の評価・総括・まとめ2<BR>主な内容:レポートの中から、他の学生の参考になるようなものを紹介し、ディスカッションを行うとともに、科目全体の振り返りを行う。(続き)<BR><BR>グローバル経済<BR>[1]世界銀行著(各年)『世界開発報告』毎年発刊される。毎年、違ったテーマで特集が組まれる。毎年巻末にWorld Development Indicators というと統計値が付録でついている。これをみると世界経済の基本的状況を理解することができる。<BR>[2]World Bank, World Development Report Available at: http://econ.worldbank.org/wdr/ 印刷媒体ではなく、世界銀行の公式ウェブサイトにもデータはアップロードされ参照可能である。<BR><BR>国際経済学<BR>[5]井川一宏・林原正之・佐竹正夫・青木浩司編著(2000)<BR>「基礎 国際経済学」中央経済社<BR>[6]大川昌幸(2007)『コア・テキスト 国際経済学』新世社<BR>[7]澤田康幸(2003)『基礎コース 国際経済学』新世社<BR><BR>開発経済学<BR>[9] 渡辺利夫(2010) 『開発経済学入門(第3版)』東洋経済新報社<BR>[10]ジェトロ・アジア経済研究所、朽木昭文、野上裕生、山形辰史編(2004) 『テキストブック開発経済学 新版』有斐閣ブックス<BR><BR>食料問題<BR>[11]ミルストーン, E.・ラング, T. (中山里美・高田直也訳)(2009)『食料の世界地図』丸善出版<BR>[12]時子山ひろみ・荏開津典生(2003)『世界の食糧問題とフードシステム』放送大学教育振興会<BR>[13]日暮賢司(2002)『食料経済入門 − 経済学から見た現代食料問題』東京書籍<BR><BR>環境問題<BR>[14] 磯崎博司・炭田精造・渡辺順子・田上麻衣子・安藤勝彦編(2011)『生物遺伝資源へのアクセスと利益配分』信山社