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授業科目名 環境毒性学
時間割番号 L30046
担当教員名 長谷川 達也
開講学期・曜日・時限 後期・木・II 単位数 2
<対象学生>
生命環境学部3年次生
<授業の目的および概要>
我々は環境中に普遍的に存在する化学物質に曝露されており、その量が生体の許容量を超えることにより疾患を生じる。環境毒性学では、今日の環境における化学物質の危険性および生体への影響について、これまで社会問題となった中毒事例などをあげて科学的根拠を解説する。また、これらの化学物質に対する生体の防御機構についても併せて講義する。
<到達目標>
1. 環境毒性学の概要を説明できる。<BR>2. 我が国で発生した公害病を列挙し、その内容を説明できる。<BR>3. 身近な生活環境に存在する化学物質の危険性を説明できる。<BR>4. 毒性学の基礎となる解剖学的・生化学的知識を身につける。<BR>5. 毒性試験法を列挙し、その内容を説明できる。<BR>6. 代表的な化学物質の毒性と疾患との関連性を説明できる。<BR>7. 重金属曝露に対する生体内防御因子を説明できる。<BR>8. 化学物質の毒性に関する数値や情報を理解し、毒性・安全性を科学的に判断する能力を身につける。
<授業の方法>
講義形式で、パワーポイントのアニメーションを多用して授業を行う。必要に応じてプリントを配布する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %理解度と応用力を評価する。 到達目標に示した項目に対する基本的理解度と論理性を評価するために論述式、記述式試験を行う。 
2受講態度 50  %3/4以上の出席は単位取得の不可欠条件となる。授業への出席と講義ノートをとることが必要不可欠である。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 渡辺泉・久野勝治, 環境毒性学, 朝倉書店, ISBN:978-4-254-40020-5
  2. 藤田正一編, 毒性学:生体・環境・生態, 朝倉書店, ISBN:78-4-254-46022-3
  3. 日本トキシコロジー学会教育委員会遍, 新版トキシコロジー, 朝倉書店, ISBN:978-4-254-34025-9
<授業計画の概要>
第1回:環境毒性学概論<BR>環境毒性学の基本概念、環境毒性学の位置づけ、生態毒性(エコトキシコロジー)、毒物とは何か、を理解する。<BR><BR>第2回:環境汚染の歴史-1<BR>我が国で発症した公害病である水俣病とイタイイタイ病について説明できる。<BR><BR>第3回:環境汚染の歴史-2<BR>化学物質や重金属の地下水汚染やダイオキシン問題について理解する。<BR><BR>第4回:上水および下水中の有害物質<BR>浄水および下水場放流水中の有害物質について理解する。<BR><BR>第5回:空気中の有害物質<BR>大気汚染物質ならびに室内空気汚染物質について理解する。<BR><BR>第6回:食品に含まれる有害物質<BR>食品に含まれる化学物質の安全性と有害性について説明できる。<BR><BR>第7回:農薬の安全性および環境汚染<BR>農薬の安全性と、農薬による環境汚染について説明できる。<BR><BR>第8回:毒性発現を理解するための解剖学・生化学-1<BR>毒物の吸収部位・代謝部位・排泄部位を解剖学的に理解する。<BR><BR>第9回:毒性発現を理解するための解剖学・生化学-2<BR>毒物の吸収・代謝・排泄機構を説明できる。<BR><BR>第10回:毒性試験法-1<BR>毒物の用量―反応関係を理解し、一般毒性試験、特殊毒性試験を説明できる。<BR><BR>第11回:毒性試験法-2<BR>毒性試験のデータを読み取り、毒性・安全性を評価する能力を身につける。<BR><BR>第12回:水銀とカドミウムの毒性発現機構<BR>代表的な有害重金属である水銀とカドミウムの毒性発現機構を理解する。<BR><BR>第13回:重金属曝露に対する生体内防御機構<BR>生体内防御因子としてのメタロチオネイン、元素間相互反応を示すセレンについて説明できる。<BR><BR>第14回:金属元素の健康への役割<BR>生体必須微量元素と健康との関連性を理解する。<BR><BR>第15回:評価:総括・まとめ