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授業科目名 生物工学実験II
時間割番号 L10032
担当教員名 黒澤  尋/中村 和夫
開講学期・曜日・時限 前期・月/火/木/金/水・III-IV/III-IV/III-IV/III-IV/III-IV 単位数 3
<対象学生>
生命工学科3年次生
<授業の目的および概要>
細胞の培養に関する工学的実験を行う。微生物を無菌的に取り扱い、細胞を培養する方法と関連成分の定量分析法を学ぶ。微生物の増殖を定量的に測定し、菌体収量と消費糖量の関係から増殖収率を計算し、さらに菌体生産における物質収支を考える。細胞の呼吸に注目し、培養装置の酸素供給能力の指標となる酸素移動容量係数(KLa)を測定する。固定化酵母を作成し、それによってアルコール発酵を行う。
<到達目標>
微生物を無菌的に取り扱い、培養ができること。<BR>培養細胞の生命現象(増殖、代謝)を定量的に取り扱い、数理学的に解析できること。
<授業の方法>
実験を実施する。データ解析にコンピュータを使用する。<BR>(本実験は月〜金曜日 ?・?限で7週間実施する)
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 33  %3/4以上の出席した者のみに試験を行う。理解度を評価するための記述式試験を行う。 
2小テスト/レポート 34  %実験項目毎にレポートをまとめ提出する。指定された実験データが取得されたか、指示通りに実験データが処理され図表が作成されているか、適切な結果の記述と考察がなされているか、を評価する。 
3受講態度 33  %実験なので出席を重視する。実験中の積極性や集中度を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
  1. 実験担当者(黒澤、中村), 「生物工学実験II」
<参考書>
  1. 日本生物工学会編, 生物工学実験書・改訂版, 培風館, ISBN:4563077747
<授業計画の概要>
第1回:実験内容の説明・ガイダンス<BR>これから行う実験の全容を理解する。実験の各項目についての講義を聴き、内容を理解する。<BR>第2回:実験レポートの作成方法<BR>実験データのまとめ方、コンピュータを利用したデータ解析の方法、コンピュータによる図の描き方を学ぶ。<BR>第3回:実験機器の使用法<BR>1) オートクレーブによる培地の高圧蒸気殺菌<BR>2) 遠心分離機による菌体の分離<BR>3) 無菌箱による微生物の無菌的取り扱い<BR>4) ジャーファーメンター(通気撹拌槽)の組み立て方と操作法<BR>第4回:糖の定量法<BR>1) Somogy変法のための試薬調製<BR>2) チオ硫酸試薬の力価測定<BR>3) 定量操作(加熱、滴定操作)<BR>4) 糖濃度の計算<BR>第5回:微生物菌体生産における物質収支(1)<BR>酵母を培養して、グルコースの消費に対する菌体量の増加を定量する。<BR>1)培地の作製と酵母の培養<BR>2)酵母菌体の増殖経過の測定<BR>3)グルコースの消費経過の測定<BR>第6回:微生物菌体生産における物質収支(2)<BR>酵母の培養結果を定量的に解析し、物質収支を考える。<BR>1) 増殖曲線のコンピュータによる作成<BR>2) 増殖収率の計算<BR>3) 物質収支式の作成<BR>第7回:酸素移動容量係数(kLa)の測定(1)<BR>通気撹拌槽の酸素供給能力の指標である酸素移動容量係数(kLa)を測定する。<BR>1) 酸素電極による溶存酸素濃度の測定<BR>2) 窒素ガスによる脱酸素と通気による再酸素化<BR>3) 酸素移動容量係数(kLa)の計算<BR>第8回:酸素移動容量係数(kLa)の測定(2)<BR>通気撹拌槽の酸素供給能力と培養細胞の酸素消費との関係を理解する。<BR>1) 通気撹拌槽での酵母の培養<BR>2) 培養細胞の呼吸速度の測定<BR>3) 比呼吸速度の計算<BR>第9回:亜硫酸ソーダ法による酸素吸収速度係数の測定(1)<BR>通気撹拌槽の酸素供給能力を亜硫酸の酸化速度から推定する。<BR>1) 測定原理の理解<BR>2) 通気撹拌槽における亜硫酸の酸化経過の測定<BR>第10回:亜硫酸ソーダ法による酸素吸収速度係数の測定(2)<BR>通気撹拌槽の酸素供給能力を亜硫酸の酸化速度から推定する。<BR>1) 亜硫酸の酸化経過のデータを解析する<BR>2) 両対数グラフを作成し、酸素吸収速度係数を求める<BR>第11回:固定化酵母によるアルコール発酵(1)<BR>1) アルギン酸ナトリウム溶液の作製と酵母の培養<BR>2) 酵母菌体の固定化と固定化酵母の培養<BR>第12回:固定化酵母によるアルコール発酵(2)<BR>1) 消費グルコース濃度の定量<BR>2) 生成アルコール濃度の計算<BR>第13回:充填層カラムの空隙率と滞留時間<BR>1) 充填カラムの組み立て、色素試料の分光分析<BR>2) 空隙率と滞留時間の計算<BR>第14回:菌体の観察と計数<BR>1) 血球計算盤による酵母菌体の計数<BR>2) 酵母菌体の顕微鏡観察とスケッチ<BR>第15回:総括と評価