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授業科目名 外国史概説
時間割番号 167604
担当教員名 皆川 卓/戸川 貴行
開講学期・曜日・時限 前期・木・V 単位数 2
<対象学生>
2〜4年次の生活社会教育コース所属者。特に社会科教員免許取得希望者は必須。および東洋史ないし西洋史に関心のある学部生一般。
<授業の目的および概要>
中国を中心とする東アジアの伝統的国家の形成(紀元前3世紀〜紀元後9世紀)と、英独仏伊を中心とするヨーロッパのそれ(15〜18世紀)を論じ、両方の社会とその上に形成される秩序の特徴を学ぶことによって、国際社会の多元性を理解する。
<到達目標>
東アジアとヨーロッパにおける伝統的国家のイメージを正しく把握し、両文明が生み出した秩序のありかたとその共通点・相違点を認識することを目標とする。
<授業の方法>
一般的な講義の形式を取る予定です。なお東洋史分野と西洋史分野は実施の順番が逆になる可能性もありますが、いずれにしても片方の受講では単位は取れないので注意が必要です。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %講義で論じた東洋史および西洋史の基礎知識が取得されているか否か 
2小テスト/レポート 20  %講義で論じた東洋・西洋の伝統的秩序の形成過程を押さえているか否か 
3受講態度 30  %出席と授業への参加が積極的であるか否か 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 吉田寅(編者), 世界史のための文献案内, 山川出版社, ISBN:4634035804
  2. 宮崎市定, 大唐帝国−中国の中世, 河出書房, ISBN:4122015464
  3. 小泉徹, 宗教改革とその時代, 山川出版社, ISBN:4634342707
  4. 大野真弓(編者), 絶対君主と人民, 中央公論新社, ISBN:4122001889
  5. ジョン・ヘンリー, 一七世紀科学革命, 岩波書店, ISBN:4000270958
<授業計画の概要>
〈西洋史分野〉<BR>第1回.オリエンテーリングと日本で外国史を学ぶ理由<BR> 授業の方針を簡単に述べたあと、近代日本における西洋史研究の過程をたどりながら、日本人が外国の歴史を学ぶ理由を考えます。<BR><BR>第2回.宗教改革と個人の誕生(1)<BR> 日本と西洋の相違の根底にあるキリスト教の精神的支配の歴史をお話すると共に、それが宗教改革によって分裂し、西洋社会の多元的な価値が生まれるまでを紹介します。<BR><BR>第3回.宗教改革と個人の誕生(2)<BR> キリスト教の分裂によって、個人が自分自身の価値を選ばなければならなくなり、自立した個人(自我ある個人)が成立する過程をご紹介します。<BR><BR>第4回.絶対主義の世紀(1)<BR> ヨーロッパでは国内の統一と平和は東アジア諸国よりも遅れて17世紀に達成されました。それはなぜか、克服のためにどのような条件が必要だったのかを考えます。<BR><BR>第5回.絶対主義の世紀(2)<BR> ヨーロッパ諸国の統一を達成した絶対君主が、人々のどのような価値観や期待によって権力を手に入れたのか、その権力は果たして「絶対」だったのかを論じます。<BR><BR>第6回.メディアと科学と市民的公共圏(1)<BR> 「目で見たものを信じる」という、近代人にとって当たり前のことが当たり前になるまでの状況を紹介し、中世末から近世半ばにかけてそうした変化がなぜ起きたのかを考えます。<BR><BR>第7回.メディアと科学と市民的公共圏(2)<BR> 近代は個々人の心の「科学」から始まる−ヨーロッパにおける科学の誕生が、単に自然科学だけではなく、政治・経済・社会といった新しいものの考え方を生み出し、私たちの生きる近代の基を築いていく過程をお話しします。<BR><BR>〈東洋史分野〉<BR>第8回.国家の成立と大河<BR> 東アジアにおける国家がどのように成立したのかを講義します。国家の成立には、中国大陸を東西に流れる大河―黄河と長江―が影響を持っていたことを述べます。<BR><BR>第9回.儒家と法家<BR> 中国を代表する二つの考え方―儒家と法家―について講義します。現在に到るまで、「徳治」と「法治」のどちらを優先すべきかは中国国内で議論の分かれる問題でした。<BR><BR>第10回.外戚と宦官と豪族<BR> 中国古代において政権をあらそった三つの勢力、外戚、宦官、豪族について講義します。とくに、三者の抗争が激しかった後漢に焦点を絞って、政治史的に解説します。<BR><BR>第11回.朝貢と冊封<BR> 東アジア全域に中国文化を広げる原因となった「朝貢」と「冊封」について講義します。同時に、西北アジアに対して行われた「羈縻政策」についても説明します。<BR><BR>第12回.均田制と両税法<BR> 中国における代表的な税法である均田制と両税法について講義します。均田制から両税法へ切り替わる唐代の財政について知る事で、なぜ両税法が必要になったかを論じます。<BR><BR>第13回.シルクロードと東西交流<BR> 古代においてアジアとヨーロッパを結んだシルクロードについて講義します。なぜ長期間にわたって、危険で困難なルートが使用されたのかを説明します。<BR><BR>第14回.文字とメディア<BR> 漢字は東アジアでのみ使われる特徴的な文字であり、世界でも数少ない表意文字でもあります。<BR> 漢字の成立と普及を知るには、それが記されたメディアとの関係を理解することが不可欠です。<BR><BR>第15回.期末テスト