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授業科目名 近代文学演習IIA
時間割番号 162012A
担当教員名 大木 志門
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
2年〜4年次生
<授業の目的および概要>
明治期から戦後の短編小説を取りあげて分析・考察を加える。発表者による問題提起をもとに、参加者全員で作品から見えてくる問題点について議論を行う。この作業を通して文学研究の基礎的方法を身に付け、明確な観点から作品を分析する技術を養う。本年度は私たちが生きていくにあたり避けては通ることの出来ない「労働」という問題を取り上げた作品を集めたテキストを用い、文学作品において「働く」という行為がいかに表象されてきたのかという歴史性を理解するとともに、それを通じて見えてくる人間と社会との関係性を現代の私たちの問題として捉え返すことを目指す。
<到達目標>
近代文学研究に必要な理論、文献調査および立論の方法を学び、自らの読み取った作品の問題点を他者に説得力を持って伝達する技術を学ぶ。
<授業の方法>
主に演習形式で進める。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 30  %発表を発展させた期末レポート 
2受講態度 30  %演習参加姿勢、発言等 
3発表/表現等 40  %発表の形式と内容 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
近代文学の基礎的な調査・研究方法を理解していることが受講資格となる。また発表担当者以外も、参加者はあらかじめ次回の議題となる作品を熟読して臨み、討議には積極的に参加し発言すること。
<テキスト>
  1. 飯田祐子・日高佳紀・日比嘉高編, 『文学で考える〈仕事〉の百年』, 双文社出版, ISBN:978-4881640876
<参考書>
  1. 授業内で適宜紹介する。
<授業計画の概要>
スケジュールと取り上げる作品については、参加者と協議の上、最終決定する。<BR>1、ガイダンス<BR>2、発表資料の作成と議論の方法 <BR>3、 概論 「労働」と「文学」<BR>4、泉鏡花「海城発電」<BR>5、樋口一葉「にごりえ」<BR>6、正宗白鳥「塵埃」<BR>7、谷崎潤一郎「小さな王国」<BR>8、吉屋信子「ヒヤシンス」<BR>9、葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」<BR>10、井伏鱒二「遥拝隊長」 <BR>11、坂口安吾「続戦争と一人の女」 <BR>12、庄野潤三「プールサイド小景」 <BR>13、村上春樹「午後の最後の芝生」 <BR>14、角田光代「橋の向こうの墓地」 <BR>15、まとめ