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授業科目名 民法各論
時間割番号 L40060
担当教員名 上條 醇
開講学期・曜日・時限 後期・金・V 単位数 2
<対象学生>
生命環境学部地域社会システム学科
<授業の目的および概要>
前半は、物権について学ぶ。物権変動、所有権、占有権、用益物権、担保物権という順序で授業を進める。用益物権では、賃借権の物権化について学ぶ。また、担保物権では、約定担保物権である質権と抵当権を中心に授業を行う。後半は、債権を扱う。損害賠償の原因となる債務不履行と不法行為を学び、その後、多数当事者の債権関係(連帯債務・保証債務)を扱う。さらに、契約法の基礎理論や不当利得について学ぶ。
<到達目標>
物権変動が迅速かつ安全に行われるための制度を学ぶ。そして、所有権・占有権の意味を理解する。さらに担保物権が現代社会にどのような役割を果たしているかを学ぶ。後半は、債権について学ぶが、債務不履行と損害賠償・不法行為と損害賠償の理論を理解できるようにしたい。また、契約に関する重要問題について把握する。
<授業の方法>
講義スタイルで行う。予め、レジュメを用意し、そのレジュメに従って講義を進める。講義を進めながら、状況(理解の程度)に合わせて内容を変更する場合もあると思う。なるべく多くの具体例を紹介し、その内容について学生諸君の意見を聞きながら話を進めたい。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 100  %論点の把握が理解できているかを問う。大雑把な理解でよい。法的なものの考え方ができていれば、合格点とする。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
予めレジュメを配布するが、講義の中では六法を使用する機会が多いので、可能であれば『判例六法』(有斐閣)を用意してほしい。
<テキスト>
  1. 指定しない。
<参考書>
  1. 大村敦志, 基本民法, 有斐閣
  2. 内田貴, 民法, 東京大学出版会
<授業計画の概要>
第1回:近代的所有権概念はどのようにして生れたか?<BR> 物権的請求権、債権と物権の相違を学ぶ。物権変動の基礎理論。<BR><BR>第2回:不動産の取引はどのように行われるか?<BR> 不動産物権変動と対抗要件、民法177条の第三者。登記が果たす役割について学ぶ。<BR><BR>第3回:動産の物権変動(対抗要件としての引渡)について学ぶ。<BR> 即時取得(192条、占有の公信力)。<BR><BR>第4回:所有権と占有権(占有権は何故必要なのか?)、共同所有の形態、区分所有について学ぶ。マンションの所有とその問題点。<BR><BR>第5回:用益物権(地上権と賃借権)、借地借家法、地役権について学ぶ。<BR> 借地人や借家人は、社会的弱者なのか?<BR><BR>第6回:担保物権の性質、法定担保物権と約定担保物権。<BR> 質権と抵当権。抵当権の果たす社会的機能について学ぶ。バブル経済崩壊後の不良債権と抵当権の関係。<BR><BR>第7回:根抵当権、非典型担保(仮登記担保、譲渡担保)。<BR> 比較的新しい担保制度を学ぶ。<BR><BR>第8回:債権とは何か?債務不履行の態様、損害賠償の範囲(相当因果関係説)、<BR> 不法行為と損害賠償、慰謝料請求権などについて学ぶ。<BR><BR>第9回:債権者代位権、詐害行為取消権、連帯債務と保証債務。<BR><BR>第10回:債権譲渡と対抗要件。弁済について。債権の消滅。<BR><BR>第11回:契約総論、同時履行の抗弁権、危険負担など。契約はどのように結ばれるか、そしてどう拘束されるかについて学ぶ<BR><BR>第12回:売買契約と担保責任。瑕疵担保責任と不完全履行及び錯誤について。<BR> 売主には、どのような責任が求められるか?<BR><BR>第13回:贈与・消費貸借・使用貸借・賃貸借・委任・請負・雇用などの契約についてその概略を学ぶ。不当利得、不法原因給付についても検討する。<BR><BR>第14回:不法行為について。環境権侵害、公害訴訟及び製造物責任法について学ぶ。具体例として、森永砒素ミルク事件、スモン病事件などを扱う。<BR><BR>第15回:筆記試験<BR>まとめ(現代社会の諸問題と民法とのかかわり)