山梨大学電子シラバス

授業科目名

民法総論

時間割番号

L40017

担当教員名

稲田　和也

開講学期・曜日・時限

前期・水・I

単位数

＜対象学生＞

地域社会システム学科2年生

＜授業の目的および概要＞

民法は、財産や取引、あるいは家族関係など社会生活に関連する事項を定める法律であり、市民社会における基本的かつ身近な法律である。また、民法は各種の民事法・商事法の基本法的な地位にあり、これら諸法にその前提となる概念を提供している。「民法総論」では、このような性格を有する民法の基本的概念や思考方法を学習し、発展的学習につなげる。 第一に市民社会の主体（主人公）である「人」と対象・客体となる「物」およびそれらの相互関係としての「契約（意思表示）」について学習し、民法学習に不可欠な基本的な概念の理解を目指す。さらに、判例や社会的な事件にあらわれた事案に関して、これら基本的な概念がどのように利用されているのかを検討し、法的思考方法・リーガルマインドの基礎を学ぶ。講義範囲は主として民法総則とするが、理解の必要に応じて物権法、債権法、家族法上の問題についても言及する。

＜到達目標＞

民法の基本的な概念である「人」「物」「契約（意思表示）」について、正確な理解をすること。具体的には、民法の条文の正確な引用はもちろんのこと、実例（判例があるものは判例を含む。）をあげてその説明できるようになること。

＜授業の方法＞

講義形式 １．講義形式を基本とするが、講義中自ら考える習慣や復習のために問答式の双方向のやり取りを適宜導入する。 ２．ノートの整理等の復習がなされていることを前提として講義を進行する。また、特に予習を求める場合は講義中に指示する。 ３．講義中に２～３回小テストを実施する（予定）。

＜成績評価の方法＞

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	70 %	民法上の概念を正確に理解しているかどうかを評価する。特に事案の例示や条文の引用などを重視する。
2	小テスト／レポート	10 %	概念・制度を正確に理解・記憶できているかを評価する。
3	受講態度	20 %	出席状況、授業への積極性、問答式への回答（正誤は重視しない）などを加点方式で評価する。

＜受講に際して・学生へのメッセージ＞

１．テキストは指定しない。必要に応じてレジュメを配布する.。 ２．六法持参のこと。コンパクト型のもので可。

＜テキスト＞

(未登録)

＜参考書＞

＜授業計画の概要＞

第１回：ガイダンス。民法の全体像・歴史の概説 第２回：「人」１（私権の享有主体としての人、その出生、成人、死亡の意義を学習する。あわせて、法人についても言及する。） 第３回：「人」２（未成年を除く、制限権利能力制度について学習する。） 第４回：「物」（不動産、動産、その他の権利とは何かとともに、所有権の意義について学習する。） 第５回：「意思表示」１（動産売買契約を例にとって、契約・意思表示の意義を学習する。） 第６回：「意思表示」２（契約上のトラブルとしての心理留保や通謀虚偽表示などの意思表示が欠ける場合の規律を学習する。） 第７回：「意思表示」３（契約上のトラブルとしての強迫、詐欺や錯誤など瑕疵のある意思表示に関する規律を学習する。） 第８回：「意思表示」４（公序良俗や契約・意思表示の解釈の方法について学習する。） 第９回：中間まとめ（予備回） 第10回：特別法による民法の修正１（消費者契約法等の消費者法における民法上の契約規律の修正を学習する。） 第11回：特別法による民法の修正２（製造物責任法による民法上の不法行為規律の修正を学習する。） 第12回：代理１（代理の意義や親権者を含めた各種の代理人など、社会生活における代理の効用を学習する。） 第13回：代理２（無権代理など権限のない代理行為のような代理の問題点について学習する。） 第14回：その他の総則上の概念（条件・期限、時効について、各回で学習できなかった部分を学習する。） 第15回：総まとめ なお、学制諸君の理解度、興味に応じて、上記予定を変更する場合がある。