山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 水圏科学
時間割番号 L30020
担当教員名 西田 継
開講学期・曜日・時限 後期・金・I 単位数 2
<対象学生>
2年
<授業の目的および概要>
地球上を循環し、豊かな生態系の維持や人間活動に不可欠な水について学ぶ。「地球環境科学」で学んだ知識を基礎として、「水循環学」、「大気環境科学」、「微生物生態学」、「土壌科学」など得た知識を活用する。降水、地下水、河川水、湖沼水、海水それぞれの水質形成の機構を知るきっかけを掴み、これらの水質への人間活動による影響についても理解を深める。特に、水の性質、相平衡、酸塩基平衡、酸化還元反応を応用して、自然界の反応と共に、有機汚濁、富栄養化、金属汚染などの原理についても、演習を交えて学習する。この知識の一部は、「環境分析学」、「環境影響評価」、「環境計測実習」および「環境アセスメント実習」に生かされる。
<到達目標>
1.水圏環境の定義と概要を説明できる。<BR>2.水分子の物理的性質の特徴を説明できる。<BR>3.水圏が関わる代表的な二相平衡および三相平衡を理解し、環境問題との関係を説明できる。<BR>4.水圏で起こる代表的な酸・塩基反応を理解し、環境問題との関係を説明できる。<BR>5.水圏で起こる代表的な酸化還元反応を理解し、環境問題との関係を説明できる。<BR>6.環境影響評価に有効な指標の特徴を説明できる。
<授業の方法>
講義
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %後半の講義内容に関する知識の定着を問う 
2試験:中間期 30  %前半の講義内容に関する知識の定着を問う 
3小テスト/レポート 30  %自然環境で起こる実例に関するレポートを課し、論理性と問題意識の高さを問う 
4受講態度 10  %受講への積極性、発言の回数と意欲 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・幅広い分野を扱うことで自然現象の理解を深めるようにする。<BR>・講義では基本事項を板書し、教科書を補足する資料を紙で配布する。<BR>・講義中に簡単な演習問題を解かせ、考え方を体得できるように心がける。
<テキスト>
  1. アンドリューズ他, 地球環境化学入門−改訂版, シュプリンガー・フェアラーク東京, ISBN:4431711112
<参考書>
  1. Baird, Environmental Chemistry, Freeman, ISBN:0716748770
  2. 武田育郎, 水と水質環境の基礎知識, オーム社, ISBN:274024628
  3. 浦瀬太郎, 明解 水質環境学, プレアデス出版, ISBN:9784903814414
<授業計画の概要>
1.序論<BR> 水圏環境の位置づけと定義<BR>2.水の性質<BR> 水分子の物理的特徴<BR>3.水質指標<BR> 健康関連項目<BR>4.水質指標<BR> 生活環境項目と将来的な指標<BR>5.水質指標<BR> 先端研究の実例<BR>6.演習<BR> 問題解答を通した前半の復習<BR>7.中間評価<BR> 中間総括・まとめ<BR>8.相平衡<BR> 気体・固体の溶解の基礎<BR>9.相平衡<BR> 二相平衡を三相平衡の実例<BR>10.酸・塩基反応<BR> 酸・塩基の基礎、炭酸平衡<BR>11.酸・塩基反応<BR> 問題物質が関わる酸・塩基反応、先端研究の実例<BR>12.酸化還元反応<BR> 酸化数、酸化還元電位<BR>13.酸化還元反応<BR> 生物学的・非生物学的な酸化還元反応、先端研究の実例<BR>14.演習<BR> 問題解答を通した後半の復習<BR>15.評価<BR> 総括・まとめ