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授業科目名 応用微生物学II
時間割番号 L10010
担当教員名 早川 正幸
開講学期・曜日・時限 後期・火・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
応用微生物学?の講義内容を基に、微生物機能の産業や地球環境保全への利用に際して必要な知識を体系的に修得する。微生物の培養、滅菌、分離および顕微鏡観察の原理と方法、微生物の生態と環境保全への利用、微生物による有用物質生産の原理(代謝)とその応用(アルコール、有機酸、アミノ酸および核酸発酵、抗生物質、生理活性物質、酵素、醸造および発酵食品)、植物内生菌と環境調和型農業への利活用などについて学ぶ。
<到達目標>
微生物による各種有用物質の生産や環境修復、さらに根圏微生物の制御による植物の無農薬栽培など、微生物機能の開拓や産業および生態系保持への利活用に関して必要な知識を体系的に修得し、それらを研究や実践面で応用できる力を身につける。
<授業の方法>
講義形式。講義は版書を中心に行う。英語で作成した授業テキスト(Applied Microbiology ?)を毎回配布し、講義の参考にする。必要に応じ、微生物の電子顕微鏡写真などをプロジェクターにより放映し、理解を深める。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %記述式問題を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
2試験:中間期 30  %基礎知識を中心とする。到達目標に示した項目に対する理解度と応用力を評価する。 
3小テスト/レポート 20  %課題に対する考察を重視する。授業中において講義内容を整理し、まとめる能力を鍛錬するため、ノート内容を評価に加える。 
4受講態度 10  %授業への出席、授業中における発言等の積極性を高く評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
2年次前期に開講されている「応用微生物学?」の知識を前提としている。
<テキスト>
  1. 大嶋泰治ほか, IFO微生物学概論, 培風館, ISBN:9784563078119
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第 1回:抗生物質、酵素、アミノ酸など微生物が生産する有用物質について講<BR>     義する。微生物の属種名と有用機能、さらにその原理について説明で<BR>     きるようになることを目標とする。<BR>第 2回:微生物の培養技術について、培地の選択、滅菌から始まり、培養、<BR> 顕微鏡等による観察、純粋分離に至る一連の手法を講義する。原理に<BR>     加え、より実際的な技術についての知識を身に付ける。<BR>第 3回:微生物の基本的分離技術とその原理について講義する。好気性菌、嫌<BR>  気性菌それぞれの分離技術とその理論を身に付ける。<BR>第 4回:有用微生物群(細菌、放線菌、酵母、カビ)の選択的分離法について<BR>     講義する。選択分離の原理を理解し、目的の微生物群に応じた分離法<BR> を自ら構築できることを目標とする。<BR>第 5回:有用形質(酵素、アミノ酸、抗生物質の生産)のスクリーニング法に<BR> ついて講義する。スクリーニングの手法と原理を理解し、目的の形質<BR> に対応した方法論が設定できることを目的とする。<BR>第 6回:微生物の育種改良法として、突然変異および変異修復機構とそれらの<BR> 原理について講義する。突然変異が微生物の機能の向上にとって如何<BR> に重要かを理解できることを目標とする。<BR>第 7回:レプリカ法やペニシリンスクリーニング法など、突然変異株の取得法<BR> を講義する。各方法の技術と理論的背景を説明できることを目標とす<BR>     る。<BR>第 8回:フィードバック抑制などの代謝調節機構について講義する。アミノ酸<BR> 発酵をはじめとする有用物質の工業生産に代謝調節の原理が如何に<BR> 重要かを理解でき、説明できることを目標とする。<BR>第 9回:アミノ酸発酵、核酸発酵について講義する。アミノ酸や核酸の微生物<BR> 生産技術とその原理を理解し、説明できることを目標とする。<BR>第10回:抗生物質および他の生理活性物質の微生物による生産について、それ<BR> らの原理、および物質の作用機作も含め講義する。抗生物質について<BR> 理解するとともに、薬剤耐性菌についても耐性の原理を理解する。<BR>第11回:醸造および発酵食品について講義する。酒類と様々な発酵食品と微生<BR> 物の係わりについて理論的背景も含め説明できることを目標とする。<BR>第12回:微生物の生態について、炭素や窒素の循環と微生物の係りについて講<BR>     義する。自然界に生息する微生物の種類と物質循環への関与について<BR> 説明できることを目標とする。<BR>第13回:農耕地と微生物について、有機質肥料、土壌酵素、植物根圏それぞれ<BR> と微生物の関係、さらに根圏微生物の制御による植物の無農薬栽培に<BR>     ついて講義する。植物の成長と根圏微生物との共生が如何に重要かを<BR> 説明できることを目標とする。<BR>第14回:微生物による排水や廃棄物、さらに環境汚染化学物質の処理など、環<BR> 境保全と微生物について講義する。汚染化学物質の分解など、微生物<BR> の持つ優れた機能が生態系の保全に役立つことを理解し、説明できる<BR>     ことを目標とする。<BR>第15回:総括、まとめ、評価(定期試験等)を行う。