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授業科目名 理数学力評価論
時間割番号 550204
担当教員名 堀  哲夫/中村 享史/進藤 聡彦/早川 健
開講学期・曜日・時限 後期・水・I 単位数 2
<対象学生>
教育実践創成専攻 1・2年生
<授業の目的および概要>
理数に関する学力論について理論的な側面と実証的な面の両面から考察する。まず、理数教育のおける学力構造を明らかにする。また、TIMSSやPISAなどの国際調査で求められている学力や日本の全国学力・学習状況調査の特に「活用に関する問題」が求める学力についての知見をまとめる。評価に関して、算数・数学科や理科の評価問題を作成し、問題のねらいや評価する目標について検討する。評価の観点として挙げられている「知識・技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」からどのような評価方法があるかを検討する。
<到達目標>
(ストレートマスター)<BR>・新しい学習指導要領を中心にして学力と教育評価およびそれらと授業や学習の関わりについての理解を深める。また、TIMSSやPISAなどの国際調査で求められている学力や日本の全国学力・学習状況調査の特に「活用に関する問題」が求める学力についての知見をまとめる。評価に関して、算数・数学科や理科の評価問題を作成し、問題のねらいや評価する目標について検討する。新指導要録の評価観点についてどのような評価方法があるかを検討し、授業や学習と関連させて検討できる力を育成する。<BR>(現職教員)<BR>・新しい学習指導要領を中心にして学力と教育評価およびそれらと授業や学習の関わりについて、自らの経験を踏まえ問題点を明らかにする。また、TIMSSやPISA、教育課程実施状況調査結果などの実態から、今後求められる学力のあり方について方向性を見いだし、とりわけ「活用する力」を育成するための授業や学習および評価について具体例を作成できるようにする。さらに、新しい指導要録の提起する評価観点を構造的に捉え、学力の構造と評価観点および授業や学習が一貫性をもっていることを理解し、実践に適用できる力を育成する。
<授業の方法>
講義・演習
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 50  %学力調査問題等の作成および発表。 
2受講態度 25  %授業での質問、発言などの参加意欲、授業での課題に自らの意見を述べることを重視する。 
3発表/表現等 25  %授業での質問、発言などの参加意欲、授業での課題に自らの意見を述べることを重視する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
特になし
<テキスト>
  1. 田中耕治, 新しい学力テストを読み解く, 日本標準
  2. 田中・西岡, 「学力向上」実践レポート, 教育開発研究所
  3. 堀哲夫, 子どもの学びを育む一枚ポートフォリオ評価, 日本標準
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1 理数教育における学力と評価に関する課題(堀・中村・進藤・早川)<BR>・これまでの学力や評価の問題点<BR>・学力と評価を考える新しい視点など<BR> 3名の担当教員から、理科および算数・数学教育、認知心理学からみた学力と評価に関する問題点と講義の概要を紹介する。<BR>2 学力構造に関する理論的考察(進藤・堀・中村・早川)<BR>・理念と実態の乖離はなぜ起こっているのか<BR>・学力のグローバルスタンダードの問題など<BR> 進藤が学力構造に関する全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の学力構造の概要を講義する。<BR>3 学力調査に関する実践的考察(早川・堀・中村・進藤)<BR>・学力調査はどのように行われているか<BR>・各種学力調査のねらいと比較<BR> 堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の学力調査に関する実践的考察を講義し、進藤が補足説明を行う。<BR>4 学力に関する変遷(歴史的考察)(進藤・中村・堀・早川)<BR>・学力観の変遷<BR>・学力観の変遷から何を学ぶかなど<BR> 進藤が学力に関する歴史の全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育における学力歴史の概要を講義する。<BR>5 TIMSS調査問題における学力(進藤・中村・堀・早川)<BR>・TIMSSのねらいと方法<BR>・TIMSSの具体的調査問題と日本の学力調査問題比較など<BR> 進藤がTIMSS調査問題の学力に関する全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の概要を講義する。<BR>6 TIMSS調査結果の国際比較(進藤・中村・堀・早川)<BR>・TIMSSの国際比較が意味するものなど<BR> 進藤がTIMSS調査結果の国際比較に関する全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の概要を講義する。<BR>7 PISA調査問題における学力(進藤・中村・堀・早川)<BR>・PISAのねらいと方法<BR>・PISAの具体的調査問題と日本の学力調査問題比較など<BR> 進藤がPISAの調査問題に関する全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の概要を講義する。<BR>8 PISA調査結果の国際比較(進藤・中村・堀・早川)<BR>・PISAの国際比較が意味するものなど<BR> 進藤がPISAの調査結果の国際比較に関する全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の概要を講義する。<BR>9 TIMSS、PISA型問題の作成、評価(演習)(早川・中村・堀・進藤)<BR>・学力のねらいと調査問題の作成<BR>・調査問題の実施と評価など<BR> 受講生がTIMSS、PISA型問題として作成したものについて、堀と中村がそれぞれ理科および算数・数学教育の立場から受講生とともに討議を行い、問題に対する評価の視点も検討する。進藤がそれに対する補足説明を行う。<BR>10 活用型問題(言語)の考察(進藤・中村・堀・早川)<BR>・これまでのものと活用型の問題は何がどう違うかなど<BR> 進藤が活用型問題の全体的考察を行い、堀と中村がそれぞれ教科教育の立場から補足説明を行う。<BR>11 活用型問題(算数・数学)の考察(中村・堀・進藤・早川)<BR> 中村が算数・数学に関する活用型問題に関する講義を行い、堀と進藤が補足説明を行う。<BR>12 活用型問題の作成、評価(演習)(早川・中村・堀・進藤)<BR>・算数・数学分野における活用型とはどのようなものか<BR> 受講生が算数・数学に関して作成した活用型問題を中村が中心となって討議を行い、堀と進藤が補足説明を行う。<BR>13 学力を高めるための学習履歴を重視した授業のグランドデザイン(堀・進藤・中村・早川)<BR>・授業のグランドデザインと一枚ポートフォリオ評価<BR>・一枚ポートフォリオ評価の本質的問い、学習履歴、自己評価という要素と学力形成の関わり<BR> 堀が一枚ポートフォリオ評価法と授業のグランドデザインについて講義し、学力形成との関わりについて中村と進藤が補足説明する。<BR>14 一枚ポートフォリオシートの作成と授業の実施 (堀・進藤・中村・早川)<BR>・授業のグランドデザインと一枚ポートフォリオシートの作成および授業<BR>の実施<BR> 堀が中心となって受講生に一枚ポートフォリオシートの作成を受講生に行い、学習指導案とどう位置づけ授業を行うのか検討する。中村と進藤は補足説明を行う。ストレートマスターと現職教員学生が作成したものを比較検討し、内容の違いからストレートマスターには、教師として備えるべき資質・能力を認識させ、現職教員学生にはさらなる力量形成をはかる。<BR>15 授業の実施と学力形成の検証(早川・堀・進藤・中村)<BR>・一枚ポートフォリオシートの記録を分析することによる学力形成の検証<BR>作成した一枚ポートフォリオシートを実際の授業の中で活用することにより、具体的な学力形成の検証を堀が中心となって行う。それに対して中村と進藤が補足する。