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授業科目名
指導教員
複雑系解析特論
豊木 博泰/小林  拓/島 弘幸
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
418742 2 (未登録) 1 前期 IV
[概要と目標]
第1部では,多数の構成要素からなるマクロなシステムの構造やダイナミクスについて講義する.複雑系と総称される物理系における知見を基礎としつつ,多体系としての社会現象も対象とし,モデル化の方法,計算機シミュレーションの方法を中心に講義する.<BR>第2部では、複雑系科学の骨格をなす重要な概念を、系統立てて整理する。多くの複雑系が普遍的に示す「臨界性」の学習に重点を置くとともに、生命科学・社会科学と関わりの深い「同期現象」と「ネットワーク理論」について最新の研究動向を紹介する。<BR>第3部では,複雑系の現象のひとつである気象について取り上げる.力学や電磁気学で体系づけられた大気現象がなぜ複雑系となるのか,大気物理学の基礎とともに大気における非線形現象について学び,天気予報や気候予測の難しさについて理解を深める.
[到達目標]
・非平衡多体系(非線形連結振動子系,セルオートマトンダイナミクス,交通流など)の数理的な理解とシミュレーション手法が理解できること.<BR>・複雑系を記述する各種の基礎概念を理解でき、多岐にわたる学術分野との関連性を自分の言葉で説明できること。<BR>・気象における非線形現象を理解し,将来予測の難しさや予測手法について理解できること.
[専攻の目標と講義の目標との関連性]
物理学における多体系動力学のモデルは,近年,社会科学や交通工学など人間が介在する工学の数理的な扱いに応用され,両者の交流が盛んである.本専攻は,社会の在り方に関わる分野融合的な学問領域を対象としており,本講義で扱う数理的手法は,そのなかで重要な役割を果たす.<BR>また,本専攻の目指す持続可能な社会を構築するためには,気候変動による自然環境や人間社会に対する影響についても理解することが求められており,気候予測に関する知識は,その基礎として重要である.
[必要知識・準備]
物理学に関する基礎知識<BR>微分方程式に関する基礎知識
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 50  %それぞれのパートごとのレポート課題に対する解答を評価 
2受講態度 50  %授業中での質疑応答により理解度を評価 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
第1回 調和振動子とエネルギーの散逸<BR>第2回 非線形力学系の解析手法:解の安定性<BR>第3回 リミットサイクルと分岐現象<BR>第4回 非線形結合振動子<BR>第5回 社会的ジレンマの数理モデル<BR>第6回 パターン形成とフラクタル解析<BR>第7回 自己組織化現象<BR>第8回 複雑ネットワークの数理<BR>第9回 同期現象の数理<BR>第10回 散逸構造論<BR>第11回 地球大気の放射伝達過程<BR>第12回 大気の運動方程式<BR>第13回 降水過程<BR>第14回 大気大循環モデル<BR>第15回 決定論的カオスと将来予測