授業科目名				担当教員
生物反応工学				黒澤　　尋
時間割番号	単位数	コース	履修年次	期別	曜日	時限
275540	2	BT,WP	3	前期	木	I
［概要］
生体触媒を利用した物質生産を工業的に行うには、バイオリアクターの設計・開発及び反応条件の最適化がなされなければならない。そのためには反応を数式で表現し、反応システムを定量的に解析する必要がある。本講義では、数式表現を行うために必要な基本概念である「単位と次元」を復習することからはじめて、反応速度と基質濃度の関係から「反応速度式」を導く。さらに、種々の反応装置での反応の反応効率を比較し、反応装置の特性を考察する。つづいて、好気性細胞の培養において最も重要な、反応装置への酸素供給をとりあげ、細胞の酸素消費速度と酸素移動速度について学ぶ。講義の進行に合わせて演習を行う。
［具体的な達成目標］
化学反応速度論を理解する<BR>酵素や細胞の活性（反応と失活）を速度論的に理解する<BR>酸素の移動速度論を理解する<BR>固定化細胞（酵素）の反応特性を理解する
［必要知識・準備］
以下の科目を履修していることが望ましい。 <BR>基礎生物物理化学 <BR>基礎生物化学工学 <BR>微分方程式<BR>関数電卓を持参すること。
［評価方法・評価基準］
No 評価項目 割合 評価の観点 1 試験：期末期  50  % 授業の理解力  2 小テスト／レポート  35  % 授業の理解力、日常的な努力  3 受講態度  15  % 学習態度
［教科書］
(未登録)
［参考書］
山根恒夫著, 生物反応工学, 産業図書, ISBN:4782825323 後藤繁雄編, 化学反応操作, 槇書店, ISBN:4837506712 斎藤勝裕著, 反応速度論, 三共出版, ISBN:4782703791
［講義項目］
1．化学反応速度（１）<BR>　　化学反応の分類<BR>　　反応次数、反応次数の決定法<BR>2.　化学反応速度（２）<BR>　　反応速度、半減期<BR>3．酵素反応<BR>　　ミカエリス・メンテンの式<BR>4．基質定数、Lineweaver-Burk plot<BR>5．反応とエネルギー（アレニウスの式）<BR>　　熱殺菌<BR>6．微生物の呼吸、代謝の化学量論<BR>7. 酸素の溶解、酸素供給<BR>8. 細胞の酸素消費速度<BR>　　比呼吸速度<BR>　　酸素需給と微生物による物質生産<BR>9. 酸素移動速度論（１）<BR>　　物質移動<BR>　　二重境膜説<BR>10．酸素移動速度論（２）<BR>　　 酸素移動速度式の導出<BR>　　 酸素移動容量係数（kLa）の測定法<BR>11. 固定化生体触媒<BR>　　 細胞の固定化法<BR>12. 拡散反応方程式（球座標、多孔性触媒への拡散）<BR>13．触媒有効係数<BR>14．生物反応装置のデザイン<BR>　　反応率、液相反応の濃度変化、反応を伴う物質収支、<BR>　　反応装置の形式（回分反応器、管型反応器、連続槽型反応器）<BR>15. 評価：総括・まとめ
［教育方法］
講義内容を丁寧に板書し、説明する。<BR>講義の進度に合わせて、理解を確実にするための演習を随時行う。<BR>レポートを課し、論理的な作文能力を養う。
［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］
(未登録)
［その他］
(未登録)