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授業科目名
担当教員
流体工学I
角田 博之
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261041 2 ME,D過年度生 2 後期 IV
[概要]
 空気や水などの流体に関連する諸現象と流体運動を支配する基本原理との因果関係を明確にするための考え方を学び,流れに関する基本法則や定理を確実に使いこなすことを目指して,以下の基本項目に関して講義する.<BR> 1)物理量に対する次元と単位<BR> 2)流体の性質と物性<BR> 3)静止した流体に対する力学(静水力学)<BR> 4)流体の質量保存とエネルギー保存<BR> 5)流体に働く力と運動量理論
[具体的な達成目標]
本講義では,『機械工学の基礎』の一つとして「流体工学」について学ぶ.特に,流体静力学ならびに動力学に関して以下の4つの基本的問題を解決する能力を身に付けることを達成目標とする.<BR> 1)流体がもつ粘性の意味を理解し,流れに伴うせん断応力の大きさを求められること.<BR> 2)圧力について理解し,静止した流体に働く圧力(静水圧)の大きさを求められること.<BR> 3)静止流体中の平板に作用する圧力による力(全圧力)ならびにその作用点(圧力中心)を求められること.<BR> 4)連続の式ならびにベルヌーイの定理の物理的意味を理解し,簡単な流れに適用できること.<BR> 5)運動量理論の意味を理解し,それらを簡単な流れに適用できること.
[必要知識・準備]
『基礎教育』部門に相当する科目の中で特に「数学(微積分学)」と「物理(力学)」に関しての基礎知識を修得しておくこと.また,『基礎工学』部門の中で「材料力学」と「熱力学」に関して本講義と関係する内容を修得していることが望ましい.具体的な科目名と必要知識を以下に列挙する.<BR> 1)微分積分学及び演習(特に,微分・積分の定義と工学的意味)<BR> 2)基礎物理学I(特に,ベクトルの意味と内積ならびに力学初歩)<BR> 3)材料力学I(特に,応力とひずみの関係)<BR> 4)熱力学及び演習(特に,熱力学第1法則)<BR>本科目に続き「流体工学IIおよび演習」,「流体工学III」が開講されている.これらの科目を履修する前提として,本科目の単位を取得することが望ましい.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %達成目標と関連した問題を課し,目標の理解度を評価 
2試験:中間期 40  %達成目標と関連した問題を課し,目標の理解度を評価 
3小テスト/レポート 20  %特別な理由無く期限までに提出できない場合には評価しない 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 日本機械学会 編, JSMEテキストシリーズ 流体力学, 日本機械学会, ISBN:4888981191,
    (持っていると講義の理解の参考になる.)

  2. 吉野章男,菊山功嗣,宮田勝文,山下新太郎, 流体工学演習, 共立出版, ISBN:4320080505,
    (演習書として講義に持参することが望ましい)

  3. 古屋善正,村上光清,山田 豊, 流体工学, 朝倉書店, ISBN:4254230346
  4. 中村育雄,大坂英雄, 機械流体工学, 共立出版, ISBN:432008022X
  5. 望月修, 図解流体工学, 朝倉書店, ISBN:4254230982
[講義項目]
 1.「講義の概要と目標,次元と単位」<BR>    ☆流体工学で学ぶこと,様々な流れ,単位と次元<BR> 2.「流体の性質と物性」<BR>    ☆流体の特徴,流体の物性(密度と比重,粘性と粘性係数,ニュートン流体)<BR> 3 「静止した流体の力学(その1)」<BR>    ☆流体に作用する力,圧力の等方性,静水圧,液柱高さによる圧力表示<BR> 4.「静止した流体の力学(その2)」<BR>    ☆液柱圧力計(マノメータ),静止流体における圧力の釣り合い条件<BR> 5.「静止した流体の力学(その3)」<BR>    ☆等圧面,面に働く全圧力と圧力中心<BR> 6.「静止した流体の力学(その4)」<BR>    ☆面に働く全圧力と圧力中心,浮力と浮揚体<BR> 7.「流れの基礎理論(その1)」<BR>    ☆流れと座標系<BR> 8.「中間総括評価・まとめ」<BR> 9.「流れの基礎理論(その2)」<BR>    ☆流線と流管,流跡線と流脈線<BR>10.「流れの基礎理論(その3)」<BR>    ☆質量保存則と連続の式,エネルギ保存則<BR>11.「流れの基礎理論(その4)」<BR>    ☆ベルヌーイの式<BR>12.「流れの基礎理論(その5)」<BR>    ☆ベルヌ-イの定理の応用(粘性摩擦や外部仕事がある場合)<BR>13.「流れの基礎理論(その6)」<BR>    ☆運動量の法則<BR>14.「流れの基礎理論(その7)」<BR>    ☆運動量の法則の応用<BR>15.「期末総括評価・まとめ」
[教育方法]
1)各週の講義内容を要約した資料を事前にCNSで配布し,それに沿って講義を行う.<BR>2)講義資料を予め与え,ノートを詳しくとる必要がないので,説明には基本的にプロジェクターを使用する.<BR>3)毎回の講義終了前にその日の講義内容に関する理解度チェックのための簡単な問題を課し,提出させる.次回の講義において正答率を示すと共に,正答率が低かった問題に関しては,詳細な解説を加える.<BR>4)講義項目毎にレポート課題を課すことにより,具体的な演習問題にふれ,理解を助ける.<BR>5)ビジュアル教材を利用したり,簡単な机上実験を行うことにより,流れの諸現象や諸法則を体感できるように努める.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《機械システム工学科機械デザインコース》
(C) 【機械工学の基礎】
機械工学に関する基礎知識を修得し,これらの知識を活用して機械工学に関連する諸問題が解決できる能力を身につける.
[その他]
●オフィスアワー: 講義終了後または月曜日第V限(A1-109-2室)<BR>●JABEE教育プログラムの学習・教育目標との対応}<BR> ☆JABEE共通基準の学習・教育目標:<BR>  ・基準1-(1)-(d)「該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力」->主体的に対応(◎)<BR>  ・基準1-(1)-(c)「数学,自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力」->付随的に対応(○)<BR> ☆MDコース学習・教育目標:<BR>  ・基準(C)「機械工学の基礎」->主体的に対応(◎)<BR> ☆関係する機械工学の基盤分野(分野別要件1(2))<BR>  ・「エネルギと流れ」,総授業時間:22.5時間