山梨大学電子シラバス

授業科目名

担当教員

基礎統計学及び実習

秋津　哲也

時間割番号

単位数

コース

履修年次

期別

曜日

時限

252051

EE,E過年度生

後期

水

IV-1-V-1

［概要］

統計学は「データの集団から有用な情報を引き出す数学的方法」を取り扱う。この統計的手法は，調査や実験を計画・実施する際に，またその結果得られたデータを分析する際に，欠かせないものである。この意味では，統計学は，専門分野に関わり無く修得しておくべき知識である。さらに，計測器の時間・周波数標準や情報通信の基本であるタイムキーピングの科学は情報通信の分野で欠かすことができない評価技術である．講義では，時間的制約のため，統計学の基本的な考え方に重点を置いて解説，統計的手法の適用例も基本的なものに限る。さらに，確率と統計学の課題をグループで共有し，課題に対する検討結果のプレゼンなど相互的な講義を行う．教科書に基づいた基礎知識の学習とともに，大規模なデータに埋もれた意味を発見する統計的データの処理と可視化の技術の実習を行う．実習には，フリーソフトウェア R を用いる．

［具体的な達成目標］

（１）データの特性をあらわす代表値（平均・分散・相関係数等）の基本的な性質を理解し、データの整理に役立てることができる。 （２）確率変数及び確率分布の持つ役割と性質を説明できる。 （３）確率分布の性質，利用方法を理解し、代表値を求めることができる。 （４）標本調査における母集団と標本抽出の意味を理解でき、状況に応じた適切な標本抽出方法を選ぶことができる。 （５）標本から母集団の性質を推測する方法を理解し、具体例に適用できる。 （６）仮説検定の手順を理解し、平均値・分散・適合度等検定を行うことができる。 （７）コンピュータ数理統計学の代表的手法であるＲと一般に広く普及したエクセルを用いて，統計的手法を駆使し，統計情報を分析・プレゼンテーションできる。

［必要知識・準備］

微分積分学の基本事項 課題の持ち運び・統計解析やプレゼンテーション実演のためにＵＳＢメモリーとノートパソコンが必要:ＵＳＢメモリーとコンピュータは受講生各自で準備しておくこと．

［評価方法・評価基準］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	35 %	上記目標の達成度が６０％を超えているとみなせること。
2	試験：中間期	35 %	上記目標の達成度が６０％を超えているとみなせること。
3	小テスト／レポート	30 %	上記目標の達成度が６０％を超えているとみなせること。

［教科書］

小寺平治, ゼロから学ぶ統計解析, 講談社, ISBN:4061546562

［参考書］

エクセルとＲによる統計学演習　Vol. 1, Vol. 2 e-learning配布
涌井良幸，涌井貞美, 史上最強図解　これならわかる統計学, ナツメ社, ISBN:978-4-81634957-7
涌井良幸，涌井貞美, 史上最強図解　これならわかるベイズ統計学, ナツメ社, ISBN:978-4-81635181-5
Murray R. Spiegel, John Schiller, and R. Alu Srinivasan, Schaum's outline Probability and Statistics Third Edition, McGraw Hill, ISBN:978-0-07154425-2

［講義項目］

第1回　統計調査の概要、度数分布表 第2回　データの代表値（平均、分散、メディアン、モード）　 第3回　２つのデータの相関関係　（回帰直線、相関係数）　 第4回　具体的なデータに対する相関関係 第5回　確率変数と確率分布 第6回　正規分布の性質 第7回　標本調査の基礎 第8回　母平均の推定と信頼区間 第9回　χ2分布 第10回　母分散の推定 第11回仮説検定の方法と棄却域 第12回母平均の検定 第13回Ｆ分布 第14回母分散の検定 第15回評価：総括・まとめ

［教育方法］

各回の授業を２部にわけ、前半は講義室において解説、後半はコンピュータの実習を行う。Ｒとエクセルの操作方法を学び，現実社会の統計資料から統計を学ぶ

［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］

《電気電子システム工学科》
C-1：数学，物理学などの自然科学の基礎学力を養う基礎教育部門（数学，物理，化学，実験など）の科目を通じて，自然科学の基礎学力を身に付け，専門科目に応用する能力を養う

［その他］

(未登録)