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授業科目名 多文化教育論
時間割番号 100807
担当教員名 伊藤 亜希子
開講学期・曜日・時限 後期・水・III 単位数 2
<対象学生>
1年生
<授業の目的および概要>
今日、外国にルーツを持つ多様な背景を持った人々が日本に暮らしている。これは日本社会の多文化化を意味しており、かれらの持つ文化的背景を考慮した教育が求められるようになっている。日本社会の多文化化の背景を学ぶとともに、そうした多文化社会の中で必要とされる多文化教育・異文化間教育に関する基礎的な知識を身につけ、具体的な現状(外国人児童生徒の受け入れ、地域における異文化間交流、地域日本語教室など)に関する理解や課題の検討を目的とする。受講生の関心に従って、また必要に応じて、適宜、日本以外の欧米の事例についても紹介する。
<到達目標>
・多文化教育・異文化間教育の基礎的知識を習得し、多文化化する社会において、学校や地域がどのような教育課題に直面しているのか、そしてそれにどのように対応しようとしているのかについて、多文化教育・異文化間教育の観点から理解できるようになる。<BR>・多文化化に関連する受講者に身近な課題を発見し、それについて多文化教育・異文化間教育の観点から検討できるようになる。
<授業の方法>
講義中心になるが、具体的事例を取り上げる際にはディスカッションやグループワークなどを取り入れていく。事例の理解には、必要に応じて視聴覚教材も用いる。毎回、授業の振り返り(学習日誌)を求め、学習の定着を図りたい。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 50  %期末レポート:論理的思考能力、問題設定、観察などの観点から評価する。 
2受講態度 30  %毎回の授業の振り返り(学習日誌):授業理解力、日常的勉学努力、整理力などの観点から評価する。 
3発表/表現等 20  %グループワークやディスカッションの成果発表:発表、表現力、問題設定などの観点から評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
大学には留学生が、街にはエスニック・レストランが、アルバイト先に外国人が、そして自分の学校生活を振り返ってみると外国にルーツを持つクラスメイトが…。外国にルーツを持つ人々は私たちの身近なところで生活をしています。そうした人々が日本の中(学校や地域)でどのように暮らしているのか、日本社会はどのように受けれようとしているのか。そうしたことに興味のあるみなさんの受講を歓迎します。
<テキスト>
  1. 適宜、授業で使う資料を配付する。
<参考書>
  1. 佐藤郡衛, 『改訂新版 国際化と教育―異文化間教育学の視点から―』, 放送大学教育振興会, ISBN:978-4-595-23617-4
  2. 宮島喬・太田晴雄編著, 『外国人の子どもと日本の教育―不就学問題と多文化共生の課題―』, 東京大学出版会, ISBN:978-4-13-050162-0
  3. 佐久間孝正, 『外国人の子どもの教育問題―政府内懇談会における提言―』, 勁草書房, ISBN:978-4-326-29897-6
  4. 齋藤ひろみ編著, 『外国人児童生徒のための支援ガイドブック―子どもたちのライフコースによりそって―』, 凡人社, ISBN:978-4-89358-799-2
  5. 齋藤ひろみ・佐藤郡衛編著, 『文化間移動する子どもたちの学び―教育コミュニティの創造に向けて―』, ひつじ書房, ISBN:978-4894763432
<授業計画の概要>
1.オリエンテーション、日本社会の多文化化とその背景<BR>2.多文化教育・異文化間教育とは?歴史的背景<BR>3.多文化教育・異文化間教育とは?対象と研究・実践領域<BR>4.多文化化が学校・地域にもたらす課題<BR>5.学校による多文化化への対応(1)外国人児童生徒の受け入れ体制<BR>6.学校による多文化化への対応(2)外国人児童生徒教育―文化への配慮<BR>7.学校による多文化化への対応(3)外国人児童生徒教育―ことばと学力<BR>8.学校による多文化化への対応(4)小括<BR>9.地域による多文化化への対応(1)文化の違いを地域でどう受け入れる?<BR>10.地域による多文化化への対応(2)地域日本語教室<BR>11. 地域による多文化化への対応(3)異文化間交流<BR>12. 地域による多文化化への対応(4)小括<BR>13. 自分にとって身近な多文化化の課題とは(事例の持ち寄り、グループディスカッション)<BR>14. 欧米における多文化化への取り組み<BR>15. 授業の総括・学習の振り返り<BR>※受講生の関心によって、テーマやテーマに割り当てる時間は上記に限りません。