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授業科目名
担当教員
情報理論
宮本  泉
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
263205 2 F 2 前期 II
[概要]
 情報理論は通信の基礎理論であり,データ圧縮や暗号化を理解する上でバックグラウンドとして持っておくべき知識の一つである.しかしながら情報理論の最初に出てくる「エントロピー(平均情報量)」の概念はイメージがつかみにくいものの一つだと言われている.そこでこの講義では特別な知識なしに情報理論を学ぶ学生を対象に「エントロピー(平均情報量)」について正しく理解し誤り訂正符号や情報セキュリティの学習への足かがりにできるようにすることを目標とする.エントロピーは元来,物理学で用いられる概念である.理解を助けるために随時演習を行うとともに物理学で用いられるエントロピーついても参考のために概説する.
[具体的な達成目標]
情報理論が取り扱う対象について理解している<BR>平均情報量とは何かを説明できる<BR>平均情報量の性質をいくつか挙げ,その意味を理解している<BR>具体的な問題に対し平均情報量を求めることができる
[必要知識・準備]
線形代数学◎、情報数学基礎○、基礎物理学.対数の性質,および順列・組み合わせと確率の初歩について高校で学ぶ程度の知識が必要である.計算に微分が必要な部分があるがその部分は計算過程を飛ばしても理解できるように配慮する.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 85  %達成目標がどの程度学習できているか。 
2小テスト/レポート 15  %十分に考えたレポートを提出しているか。 
[教科書]
  1. 小川英一, マルチメディア時代の情報理論, コロナ社, ISBN:4339023728
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
(1) 情報伝送の基礎知識<BR>(2) 情報量の数量化 1:ビット,自己情報量,平均情報量(エントロピー)<BR>(3) 情報量の数量化 2:平均情報量(エントロピー)の理論<BR>(4) 情報源符号化:符号の木,クラフトの不等式,ハフマン符号化<BR>(5) データの圧縮 1:(非等長)ハフマンブロック符号化,情報源符号化定理<BR>(6) データの圧縮 2:ランレングス符号化,MH符号化,LZ符号化<BR>(7) 通信路符号化:誤りの種類,ハミング距離,符号空間<BR>(8) 情報通信量の理論:通信路の確率モデル,相互情報量,通信路符号化定理<BR>(9) 誤り検出・訂正の原理と方法<BR>(10) 基礎的な誤り検出・訂正符号 1:パリティ検査符号 <BR>(11) 基礎的な誤り検出・訂正符号 2:ハミング符号<BR>(12) 基本的な誤り検出・訂正符号 3:線形符号,検査行列,シンドローム<BR>(13) 実用的な誤り検出・訂正符号:CRC符号<BR>(14) 復号方法と補足<BR>(15) 総括評価・まとめ
[教育方法]
講義中に演習を取り入れることで自己の理解度を確認させる<BR>講義ではプロジェクタを用い説明することで説明を聞くことに集中させる<BR>難解な概念をできるかぎり視覚化して表示することで理解の一助とする
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《コンピュータ・メディア工学科 コンピュータサイエンスコース》
(B)種々の型と構造をもつ情報の表現手法及び処理手法についての基本的な知識と技術を習得する.
(F)情報処理の基盤としてのネットワーク指向型コンピューティングの技術を理解し応用できる知識と技術を習得する.
[その他]
(未登録)