山梨大学電子シラバス

授業科目名

担当教員

現代の科学と思想

高橋　智子

時間割番号

単位数

コース

履修年次

期別

曜日

時限

256471

前期

火

III

［概要］

科学はこれまでも進歩し，これからも進歩を続けていくものです．その意味で科学は「時代を超えた人類の共同研究の成果」といえるのかもしれません．その営みは単に「知識」を生産してきただけではなく，社会のあり方を変革し，人々の思考様式をも変えてきました．過去100年の歩みを振り返りながら、これからの100年を考えるためのヒントを探します．その過程で自らの思想を鍛え，常に問題の本質を見抜ける確かな力を培うための，基本的な知識と方法を獲得することがここでの目標です．

［具体的な達成目標］

・科学と社会はどのような関係をもってきたのか，２０世紀の特徴を理解すること． ・「科学とは何か」を具体的な事例に則して自分なりにイメージをつくりあげること． ・これからの科学と社会の関係について，自分なりに考えるための視座を確立すること．

［必要知識・準備］

特別な知識は必要としませんが，他人の意見に耳を傾け，じっくりと考え，問題を吟味していく心構えが求められます．また，科学や技術に関連したニュース報道に意識的に耳を傾けるようにしてください．

［評価方法・評価基準］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	小テスト／レポート	55 %	日常的な勉学努力，論理的な思考力
2	受講態度	15 %	積極的な授業への参加
3	発表／表現等	30 %	コミュニケーション力

［教科書］

特には指定しません．

［参考書］

［講義項目］

１‐３　現代科学の課題と方法 　自然科学観（思想）と科学（理論）と技術(物質）は区別されなければならないことを理解する。 　　・あなたは月旅行に行きたいですか 　　・「環境にやさしい科学技術」を具体的に描いてください 　　・地球温暖化問題と科学・科学者 ４－５　近代科学の成立と社会 　近代科学は近代社会と時を同じくして成立する。中世社会の崩壊と近代社会の成立に科学はどう関わっていたのか、そのポイントを知る。 　　・コロンブスの大西洋横断はどのように実行されたのか。 　　・「地球が動く」ことをあなたは経験的に理解できますか。 ６‐10　20世紀の社会と科学 　２度の世界大戦を経験し、原子力時代と言われたた20世紀社会における科学と社会との関係を理解する。 　　・中央集権国家の成立と「文明の利器」としての科学技術 　　・第一次世界大戦は人類初の「科学戦」と呼ばれた 　　・1930年代の科学論争―科学の社会的機能と科学者の社会的責任論 　　・原爆製造開発と科学者―科学者はなぜ原爆開発を推進したのか 　　・原爆実験のフォールアウトによる地球汚染と冷戦構造 11-12　地球環境が問題になる時代 　1960年のアメリカでは地球規模で環境や社会の在り方が考えられ始めました。その背景にどのようなことがあったのかを理解する。 　　・1960年代のアメリカ社会とレイチェル・カーソン 　　・ダイオキシン問題の起源―ベトナム戦争枯葉剤作戦 13-15　科学リテラシーと科学コミュニケーション 　目的に沿って必要な情報収集を行い、自分なりに情報を整理し、人にわかりやすく伝えることを、３分間スピーチとして実践する。この３分間スピーチを通じて、科学リテラシー、科学コミュニケーションの大切さを体験的に理解する。 　　・受講生による３分間スピーチ 　　・科学をコントロールするのは誰なのか

［教育方法］

ここでは，自ら学び，成長する力を養うことが大きな目標ですから，授業中に紹介する事例について，自ら興味をもった問題を調べ，各自が調べたことを出し合いながら討論することを通じて，自らの考えをまとめていく形式で授業を進めていきます．

［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］

(未登録)

［その他］

(未登録)