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授業科目名 解析学特論
時間割番号 162451
担当教員名 中村 宗敬
開講学期・曜日・時限 後期・金・III 単位数 2
<対象学生>
数学教育専修、数理情報コース 3, 4 年生
<授業の目的および概要>
・生物はどのような増え方,減り方をしていくのだろうか。<BR>・惑星はどのような運動をしていくのだろうか。<BR>・ギターの弦はどのように振動していくのだろうか。<BR><BR>上記の変化量はいずれも時間の関数とみなすことが出来るが,これらの関数が満たすべき関係式をモデルとして想定したものが微分方程式である。これら微分「方程式」の「解」はもちろん関数となるのだが,それらをどう求めるのかがこの講義のテーマである。上記のような具体的な微分方程式を解くことから始め,その理論的背景にも詳しく触れる。
<到達目標>
種々の微分方程式を具体的に解くことができる。またその理論的な背景を確実に把握できる。
<授業の方法>
講義形式で行う。適宜、問題演習の時間を設ける。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:中間期 50  %日常的・自発的勉学努力,論理的思考能力,基本的計算能力 
2小テスト/レポート 50  %日常的・自発的勉学努力,論理的思考能力,文章表現力 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 微分方程式の理論が具体的にどのような現実の問題に適用されるかを見てほしいと思います。微分積分、線形代数が基本的な役割を果たしますので、それを理解していることが大切です。講義中にも適宜これらの復習を織り込みます。またわからない箇所は積極的に質問するよう心がけてください。
<テキスト>
  1. 中尾慎宏, 概説 微分方程式, サイエンス社, ISBN:4781909078
<参考書>
  1. ポントリャーギン, 常微分方程式, 共立出版, ISBN:4320010388
  2. 小林 龍一, 佐藤 總夫, 廣瀬 健, 解析序説, 筑摩書房, ISBN:4480092595
<授業計画の概要>
次の事項について学ぶ。詳細な予定については開講時に知らせる。<BR><BR>(1) 常微分方程式の解法 (第1回〜第4回)<BR>微分方程式とは何かからはじめ、積分計算によって解が求めらるものを具体的事例を通して概観する。次のようなものを考察する。<BR> ・生物の増殖(マルサス方程式、ロジスティク方程式)<BR> ・捕食・被食生物数の増減(ロトカ・ヴォルテラ方程式)<BR> ・バネにつけたおもりの運動(2階線形微分方程式)<BR><BR>(2) 初期値問題の解の存在,一意性定理,延長可能定理 (第5回〜第9回)<BR>バナッハ空間における(縮小写像)不動点定理を基礎にして、微分方程式一般の解の存在、一意性、延長について述べる。<BR><BR><BR>(3) 定数係数線形微分方程式 (第11回〜第15回)<BR>これらに伴って現れる特性方程式の根と微分方程式の解の関係について調べる。行列のジョルダン標準形が基礎になるので、それについても触れる。<BR><BR>(1), (2), (3) について各一回程度問題演習の時間を設ける。また、第10回目に中間試験を予定している。