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授業科目名 西洋史講読IC
時間割番号 162210C
担当教員名 皆川 卓
開講学期・曜日・時限 前期・木・V 単位数 2
<対象学生>
2〜3年生。
<授業の目的および概要>
分担を決めて、マルクスの『資本論』第1巻第1章〜第4章(和訳)を輪読し、近代ヨーロッパの政治的・経済的正統性の一つを形作った弁証法とマルキシズムの論理とその影響、その論理の中にある時代的制約を学ぶ。
<到達目標>
適度に難解で論証力ある文章を読む忍耐力と、それを論理的に整理して提示する能力を養い、世界史・政経・倫理でヨーロッパの政治文化を論じるための基礎的素養を身につける。
<授業の方法>
ゼミによる輪読。毎回全員が目を通してくることを前提とする。報告担当者は自分の担当箇所をレジュメにまとめ、自分の所見をつけて報告。その報告に対して講師を含むゼミ生全員が質疑を行い、報告者を交えて意見を述べ合う。報告者は次回にこの議論を踏まえてレジュメに手を入れ、提出する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1受講態度 50  %論理的思考力 
2発表/表現等 50  %問題設定能力/表現力 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
〈対象学生〉<BR>西洋史に関心を持つ学生一般。高等学校の教員免許取得が見込まれ、世界史や倫理、政経の授業を行う可能性のある学生。多少努力しても西洋古典を読破したい人。<BR><受講に際して・学生へのメッセージ> <BR>「資本論」は私たちの社会のベースにある「資本主義」の意味を論じ、その進歩面と限界面の両方を鋭く分析した書物です。鋭利な刃物のような鮮やかなその論理は、それを学説として使いこなせる少数の哲人と、その切れ味に魅入られ、やたらに振り回したがる大量の「社会主義教徒」を生み出し、近代史を大きく動かしました。日本語で読むと非常に難解なので(ドイツ語では数式のように簡単)、論理的思考の訓練のために拙速よりも巧遅を宗とし、時々別訳も参照します。批判は大歓迎で、積極的な参加を最重点に評価します。
<テキスト>
  1. カール・マルクス(向坂逸郎訳), 資本論 1, 岩波書店(岩波文庫), ISBN:4003412516,
    ((出版年)1969年)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第1回 オリエンテーリング(テキスト成立の背景とこの時代固有の論述方法)<BR>第2〜3回 商品と貨幣 第1章(商品)<BR>第4〜5回 商品と貨幣 第2章(交換過程)<BR>第6〜7回 商品と貨幣 第3章(貨幣または商品流通)<BR>第8回 第4章 貨幣の資本への転化<BR>第9〜10回 絶対的剰余価値の生産 第5章(労働課程と価値増殖過程)<BR>第11回 絶対的剰余価値の生産 第6章(不変資本と可変資本) <BR>第12回 絶対的剰余価値の生産 第7章(剰余価値率)<BR>第13回 絶対的剰余価値の生産 第8章(労働日)<BR>第14回 絶対的剰余価値の生産 第9章(剰余価値率の率と総量)<BR>第15回 総合評価とまとめ―「労働価値説」という考え方の歴史的特殊性