山梨大学電子シラバス

授業科目名

実験医学

担当教員

北間　敏弘／秋山　真治／手塚　英夫

時間割番号

単位数

履修年次

期別

M004162

後期

［学習目標］

一般目標： 科学技術と人間を含む生物との共生と環境への調和を可能とする最新の開発技術、実験手法を学び、基礎医学・工学と臨床医学を融合した新しい医療を創出しうる知を獲得する。また、比較生物学的視点から人の生命と機能を動的に把握し､医学･生命科学の本質を理解すると共に医学･生命科学の実験に関する倫理観を身に付ける｡ 行動目標： 1.医学・医療の進歩と医用生体工学のかかわりを学習し、その発展する過程で生まれたPhysiome（フィジオーム）の概念を理解する。医用生体工学によって生まれた様々な技術の特徴を学習、理解する。 2.生体情報の取得、情報処理、制御、モデル等の工学的手法を理解し、生体機能を説明できる。 3.比較生物学的視点として、実験動物との比較において、ヒトを1個の生命体として認識し､ヒトと実験動物との共通点と相違点を説明できる。 4.生命の尊厳と比較生物学としての実験動物学の考え方を理解し､ヒトと実験動物との共通点と相違点を説明できる。 5.実験動物の飼育管理等の基本技術、細胞培養と移植等の高度技術、さらに胚操作と遺伝子組換え動物作出技術を含め、動物実験技術の基礎を説明できる。 6.分子、細胞、組織、器官さらには個体に至る多様な生命現象を、それらを取巻く内的、外的環境との相互作用も含め、統合的に理解し、その実験手技も含め説明できる。 7.ライフサイエンス研究における最新の実験機器・設備について学習し理解を深める。

［授業計画］

10月 5日(水)　　　1時限　北間	実験医学概論／内部環境の維持<BR>　　　　　　　　　2時限　北間	内部環境の維持<BR>10月12日(水)　　　1時限　北間	医用生体工学技術(1)<BR>　　　　　　　　　2時限　北間	医用生体工学技術(2)<BR>10月19日(水)　　　1時限　秋山　	生体と情報 (1) 統計入門　理論と実践<BR>　　　　　　　　　2時限　秋山	生体と情報 (2) 医療統計入門　理論と実践<BR>10月26日(水)　　　1時限　秋山	生体と情報 (3) 人体の数理モデル入門<BR>　　　　　　　　　2時限　手塚	実験医学と実験動物／実験動物の種類と特性<BR>11月 2日(水)　　　1時限　手塚  	基本実験技術、高度実験技術<BR>　　　　　　　　　2時限　伊藤	胚操作技術<BR>11月 9日(水)　　　1時限　手塚	遺伝子組換え動物実験<BR>　　　　　　　　　2時限　手塚	動物実験の環境と衛生、感染症<BR>11月16日(水)　　　1時限　鈴木	ライフサイエンス研究の実験機器・設備(1)<BR>　　　　　　　　　2時限　鈴木	ライフサイエンス研究の実験機器・設備(2)<BR>11月30日(水)　　　1時限　鈴木   	医用生体工学技術(3)<BR>　　　　　　　　　2時限　鈴木   	医用生体工学技術(4)

［到達目標］

○実験医学概論／内部環境の維持 　　1.　ゲノム、プロテオーム、フィジオームの概念を理解する 　　2.　酸塩基平衡（内部環境の維持） 　　　　(1) 血液のｐＨの恒常性について理解する 　　　　(2) アシドーシス、アルカローシス、アシデーミア、アルカレーミアを説明できる 　　　(3) 酸塩基平衡障害の4つの型の概要を説明できる ○医用生体工学技術(1),(2) 　　1.　医用生体工学とはなにか 　　2.　画像診断技術にはどのようなものがあるか例示しその特徴を説明できる。 ○生体と情報 (1),(2),(3) 　　1.　情報（特に統計データ）処理の基礎的事項を理解し，自力で実行できる。 　　2.　生体に関する数理モデルの内容が理解できる。 ○実験医学と実験動物 　　1.　動物実験の意義と実験動物の役割を理解できる。 　　2.　実験動物開発と利用、規制の歴史を学び、動物福祉と倫理を概説できる。 ○実験動物の種類と特性 　　1.　さまざまな実験動物の特性を理解できる（生理モデル、疾患モデル) 　　2.　ヒトと実験動物の共通点と相違点を説明できる（遺伝子から個体レベルまで) ○基本的実験技術 　　1.　目的に即した実験動物の存在と入手法を知る 　　2.　入手後の実験動物の管理法を概説できる（衛生管理、繁殖など) 　　3.　投与法、麻酔法、安楽死法を理解する ○高度実験技術 　　1.　無菌操作と細胞培養を概説できる 　　2.　実験動物を用いての移植技術と幹細胞研究等への応用を説明できる ○胚操作技術 　　1.　発生学の基礎としての胚発生過程を理解できる 　　2.　胚培養、仮親への移植、キメラ個体作出などの胚操作技術を説明できる ○遺伝子組換え動物実験 　　1.　発生工学の基盤となる胚幹細胞とその背景としてのテラトーマを理解できる 　　2.　遺伝子導入・破壊、条件変異などの遺伝子組換え動物の作出技術を説明できる ○動物実験の環境と衛生,感染症 　　1.　動物実験に関わる環境因子と環境の一定性を理解できる 　　2.　生物学的環境因子としての感染症を説明できる 　　　　(1) 人獣共通感染症 　　　　(2) 動物固有の感染症 ○ライフサイエンス研究の実験機器・設備(1),(2) 　　1.　ライフサイエンス研究の実験機器・設備について概要を説明できる。 　　2.　蛍光・発光を用いたバイオイメージング技術について説明できる。 ○医用生体工学技術(3),(4) 　　1.　医用生体工学とは何か理解する。 　　2.　生体音分析、診断技術について理解する。

［評価方法］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	90 %	授業理解力、解答における表現力、論理的思考能力
2	平常点／受講態度	10 %	出席率　２/３以上

［教科書］

(未登録)

［参考書］