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授業科目名
担当教員
環境テクノロジー評価特論
鈴木 嘉彦
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
328375 2 (未登録) 1 後期 II
[概要と目標]
現代社会が直面する最大の課題である地球温暖化や生態系の破壊など深刻な環境問題を改善し、解決していくためには、種々の取り組みが必要である。それらの取り組みが本当の意味で環境の改善に効果を上げるのかどうかを判定することは取り組む姿勢と共に、重要である。本講義では、客観的な立場から、我々の取り組みを評価するための方法を講義する。評価に際して基調に据えるのは持続可能な社会の構築である。つまり、持続可能な社会につながるような方策であるかどうかを環境テクノロジーという立場に立って評価することができるような方法について講義する。この講義の内容を修得し、実社会で活用することによって、持続可能な地域づくりに貢献することを目標とする。
[到達目標]
・評価対象とする技術により評価方法が異なることを理解すること<BR>・すべてのテクノロジー評価に必要となるLCAの考え方を理解すること<BR>・自然科学的な側面からの定量的な評価だけでなく、社会科学的な側面としての経済的な評価、人文科学的な意味での満足度評価について理解すること<BR>・時間横断的な評価という考え方としての未来世代に対する影響評価に関すること<BR>・階層横断的に整合する評価の意味を理解すること<BR>・これらの考え方とともに、国が実施している多様な評価方法についてその基本的な考え方を理解する
[必要知識・準備]
特別に事前の知識を要求はしないが、評価対象が広いので、総合的な物の見方を心がけること。<BR>レポートの提出においては、具体的な課題に関しての評価を行ってもらうので事前に自分が興味のもてるテーマを選択して、学習しておくこと。
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 100  %講義の途中でレポートの提出を義務づけ、その内容により評価する 
[教科書]
  1. 鈴木嘉彦, 持続可能社会のつくり方, 日科技連出版社, ISBN:4-8171-9179-1
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
・エネルギー生成に関する技術評価<BR> 太陽光発電のための太陽電池に関しては、エネルギーやCO2排出、さらにコストに関してpay back time という考え方が使われる。たとえば、Energy Pay Back Timeといえば、太陽電池を造るまでに必要としたエネルギーの総量を太陽電池を使って回収するのに必要な時間を意味する。CO2の発生に関しても同様な考え方が評価としてわかりやすく、採用されている。一方、バイオマスの活用に関しては、評価の方法が違ってくる。必ずしもエネルギーを電気として回収するとは限らないからである。このような場合は、資源の賦存量とエネルギーの需要の両面から持続可能な技術という意味での評価が行われる。<BR>・大規模施設や公共事業などの技術評価<BR> 道路建設や大規模な施設建設などの技術に関しては、いわゆる環境への影響評価が問題となる。つまり現在の環境から大規模施設などを建設した後の環境の変化に関して種々の角度から影響を評価することになる。いわゆる法律的に決められている環境影響評価である。<BR>・消費財生産に関する技術評価<BR> 日々の生活の中で消費される製品に関して、その生産に導入されている技術に関する評価方法、とくにLCAを活用した方法<BR>・安全性に関する表<BR> 物の生産や流通など、事業活動とともに発生する多くの廃棄物に関しては、環境への影響を考慮する必要がある。このため、事業者が安全性を含めた影響を多様な角度から評価するための方法としてのエコアクションの考え方<BR>・評価のための手法<BR> 各種評価を行うために不可欠な知識として、まずPDCAサイクルの考え方を講義する。併せて、すべての評価に際して必要となるLCAの考え方とその手法を講義する。また、評価が偏った立場からの結果にならないために、分野横断的評価、時間横断的評価、階層横断的な評価の考え方を講義する。