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授業科目名
担当教員
高電圧工学
秋津 哲也
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
289000 2 ES 3 後期 I
[概要]
本科目では、電気回路理論と電磁気学を基礎として、気体中の絶縁破壊などの基礎的現象と高電圧・大電流の発生と計測、応用技術を紹介する。巨大化するエネルギー需要を支える長距離送電は年々高電圧化している。<BR>送電系統の電圧は導体を取り囲む気体や固体誘電体の絶縁耐力によって制限され、絶縁破壊による短絡、落雷事故や送電線の開閉に起因する過渡現象による送電システムの損傷は、安定な電気エネルギー供給に対する脅威である。高電圧・大電流パルスの電磁エネルギーを利用した過電粒子ビームの加速や高密度プラズマの発生技術はパルスパワー工学と総称され、これからの発展が期待される分野である。これらの領域で問題となるパルス波形の計測や回路設計の低インダクタンスか、電磁エネルギーの圧縮成型などの課題を通じて、基礎科目として学んだ知識を自分のものにしてつかいこなすことが目標である。<BR>この講義の目標は次のようである<BR>・高電圧の発生、大電流の制御・計測方法の基礎的事項を理解する<BR>・日本のエネルギー事情を国際環境の中で理解する<BR>・高電圧機器の構造、静電界分布、誘導磁場分布、回路などの過渡的応答を電磁気学、電気回路の知識で解析できる
[具体的な達成目標]
1.送電線の絶縁協調と周波数、電力伝送の効率について説明できる<BR>3.高電圧送電線のサージ、過渡現象について説明できる<BR>4.直流の高電圧の発生方法、測定方法について説明できる<BR>5.エネルギー問題の環境的側面、一次エネルギー源供給について説明できる
[必要知識・準備]
電磁気学等の基礎工学
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 65  %高電圧工学、電力工学ついての理解度を評価し、総合して60%以上の達成度で合格とする 
2試験:中間期 35  %定期試験と合計し、総合的に評価する 
[教科書]
  1. 日高 邦彦, 新・電気システム工学 高電圧工学, 数理工学社, ISBN:978-4-901683-59-3
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
1.高電圧工学入門<BR>(1) なぜ勉強するのか<BR>(2) 直観的理解<BR>2.放電現象の基礎過程<BR>(1) 誘電体<BR>(2) 気体媒質中の衝突等の素過程<BR>3.気体の放電<BR>(1) 気体の絶縁破壊<BR>(2) パッシェンの法則<BR>(3) 電極形状<BR>(4) 雷<BR>(5) 負性気体と絶縁 <BR>4.定常気体放電<BR>(1) グロー放電とアーク放電<BR>(2) 電圧電流特性<BR>5.高電圧の発生と測定<BR>(1) 交流。直流・インパルス電圧発生と測定<BR>(2) 高電圧を取り扱うときの心得<BR>6.複合誘電体の放電・高電圧大電流機器<BR>(1) 複合誘電体中の電界と縁面放電<BR>(2) 高電圧機器<BR>7.大学生のための電力工学講座、スマートグリッド、エネルギー供給
[教育方法]
教科書と電力技術の最新の事例を説明する。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
22年度まで使用した電気学会発行の「高電圧大電流工学」は前任者の菅ノ又伸治名誉教授から引き継いだものであるが、初版より20年以上が経過したので、新しい教科書「高電圧工学」、最新の内容のパンフレット・スライド等で紹介して、最新技術に関する内容の充実を図る