山梨大学電子シラバス

授業科目名

担当教員

システム制御工学I

藤間　一美

時間割番号

単位数

コース

履修年次

期別

曜日

時限

262058 E

後期

金

［概要］

システムの状態を記述する数学的モデルの設定から話をはじめて、その状態方程式を線形化した線形状態方程式に進む。 　その後、伝達関数を求め、可制御性、可観測性を論じる。系の過渡的な応答、フィールドバック制御系、安定性の議論までできればよいと考えている。線形代数、複素関数論の基礎知識を仮定せざるを得ない。それで演習問題をシステム制御に題材をとるという形で行う。

［具体的な達成目標］

（ア）システムを記述する状態方程式、線形化の意味を理解する。 （イ）状態変数の選び方は唯一ではないこと、その中で何が便利か選択することができる。 （ウ）複数の遷移行列の定義があり、その意味すること、目的を説明できる。 （エ）自由項がある場合の系の応答がたたみ込み積分で書けることを証明できる。 （オ）遷移行列、伝達関数がいろいろな形で書き表せることと、解けることとの差を理解し、 　　　どの方法を用いても本質的に同じ数学的の問題に帰着することを説明出来ること。 （カ）ラプラス変換、その逆変換の手続きが複素関数論のコーシーの積分定理、 　　　ジョルダンの補助定理、留数計算との関係から説明でき、時刻ｔによってどのように 　　　積分経路を選ぶ必要があるかを示す事が出来る。 （キ）畳込み積分をラプラス変換することで伝達関数を定義できること。 （ク）伝達関数をグリーン関数、インパルスに対する応答、入力と出力のラプラス変換の比として 　　　理解することが出来、その相互の関係を説明できる。 （ケ）系の安定性の定義を述べ、それが我々の常識的な安定性とどう違うかを説明できる。 （コ）系の周波数応答が伝達関数からどのように求められるか、その手続きを説明できる。 （サ）開ループの伝達関数からフィードバック系の伝達関数を求め事ができる。 （シ）フィードバック系の信号伝達図を描く事ができる。

［必要知識・準備］

複素関数論、線形代数の基本的な知識。

［評価方法・評価基準］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	100 %	講義内容の理解度

［教科書］

特に必要ではない

［参考書］

自動制御, 丸善, ISBN:4621025341

［講義項目］

（ア）状態方程式と遷移行列の定義 （イ）遷移行列のいくつかの性質 （ウ）状態方程式のラプラス変換とリゾルベント （エ）自由項のある場合、たたみ込み積分 （オ）逆ラプラス変換、コーシ積分公式の復習 （カ）逆ラプラス変換、コーシ積分公式の復習 （キ）ジョルダンの補助定理 （ク）積分経路の選び方、t>0、ｔ＜０の場合 （ケ）伝達関数の定義 （コ）周波数応答とボード図 （サ）フィードバック系の伝達関数

［教育方法］

ﾌﾟﾘﾝﾄを配布してそれを元に講義をする。 数学的基礎知識の習得状況を確認するために小テストを行う。

［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］

《電気電子システム工学科》
C-4：電気電子工学分野の専門知識・技術を身につける基礎工学部門・応用工学部門に含まれる科目を通じて電気電子工学分野の専門知識・技術を身につける

［その他］

(未登録)