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授業科目名
担当教員
材料の科学I
近藤 英一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261150 B 2 I 2 後期 III
[概要]
 一口に材料といっても、強度に重点を置いた構造材料から、電子デバイス、光学的素子、人間工学的材料など様々な機能材料まで、その範囲はきわめて広く、種類もまた非常に多い。しかしながら、それらの材料は、個々の特性の相違にもかかわらず、共通する点も少なくない。たとえば、ほとんどの材料が結晶と呼ばれる原子、分子の空間的規則配列から構成されている点などである。そのような結晶における結合力の相違や、さまざまな構造上の欠陥(格子欠陥)の性質や分布状態の相違が、個々の材料の性質の差となって現れているのである。したがって、材料学を、個々の材料の性質を暗記的に記憶するだけの科目としてではなく、学問として系統的に理解するためには、まずその基礎となる結晶学、格子欠陥論、相律、相平衡状態図などを学ばなければならない。本講義では、材料学の基礎となるこれらについて学習する。<BR> 
[具体的な達成目標]
 材料学の基礎的事項についておよその理解が得られていること。とくに状態図の理解が出来ること。なお、本講義の理解度を計る目安として教科書中の演習問題が用意されている。この問題の70%以上を自力で解決出来ることが期待される。逆に言えば、70%以上を自力で解決できれば本講義の目標は達成されたものとみなすことが出来る。<BR> また、講義と平行して開講される「基礎工学演習III」の中で本科目に該当する問題演習を行うので、その成績が70%以上であれば、目標は達成されたとみなすことが出来る。
[必要知識・準備]
 とくに事前の準備は必要としないが、物理学、化学、熱力学、空間幾何学などの知識を身につけていることが望ましい。しかし、必要に応じて、講義の中で、これらの復習を行いながら授業を進める予定である。出来れば、1年次で「基礎化学I」を履修していることが望ましい。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %授業理解力 
2試験:中間期 40  %授業理解力 
3平常点/受講態度 20  %自発的勉学努力、日常的勉学 (教育方法の項参照) 
[教科書]
  1. 吉岡正人・岡田勝蔵・中山栄浩, 機械の材料学入門, コロナ社, ISBN:4339045594,
    ( )
[参考書]
  1.  特に指定しない。
[講義項目]
  1.電子と原子,原子の結合<BR>  2,3.完全結晶の構造とミラー指数<BR>  4.不完全結晶の構造(格子欠陥)<BR>  5,合金の相状態<BR>  6.相平衡状態図(1):相律、相状態、自由エネルギー<BR>  7.相平衡状態図(2):全率固溶体<BR>  8.中間評価(試験)<BR>  9.相平衡状態図(3):共晶、その他<BR> 10.金属間化合物と中間相<BR> 11.拡散と析出<BR> 12.材料の変形と加工,熱処理<BR> 13.ミクロ強度とマクロ強度,転位<BR> 15.期末評価(試験)<BR><BR>以上の15項目を15回の講義にわけて行う。
[教育方法]
 教科書に沿って授業を行う。なお、平行して「基礎工学演習III」の中で本授業に関連した演習を行う。<BR><BR> 毎回「小演習」を行います。毎回回収・点検後返却します。この小演習の解答内容自体(正解不正解)は採点・評価しませんが,演習への取組状況は平常点として評価します。詳しくはガイダンスで説明します。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《機械システム工学科機械情報コース》
(B)工学のための基礎知識
機械工学を学ぶ上で基盤となる数学、物理や化学などの自然科学と情報技術の基礎知識を習得し、これらを機械工学へ活用できる能力を身につける。
(C)機械工学の専門基礎知識
機械工学についての基礎知識を修得し、これらの知識を活用することにより機械工学に関連する諸課題を創造的に展開する能力を身につける。
[その他]
オフィスアワー 昼休み、月曜午後5--6時 A7-204教官室<BR><BR>特別試験の実施基準(本科目の基準)<BR>1)最終成績の平均点が70点以下<BR>  かつ<BR>2)対象者(50点以上)が5名以上<BR>理由:試験の難易度は年によって振れがありますし,学年によっても出来不出来は違います。ですから,平均点が低い場合には救済的に特別試験を実施します。その場合には対象者も当然多くなります。単に不勉強な少数の学生を救済するのでは一生懸命勉強した皆さんにも失礼にあたるとおもいまして。