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授業科目名 西洋史講読IB
時間割番号 162210B
担当教員名 皆川 卓
開講学期・曜日・時限 前期・木・V 単位数 2
<対象学生>
2〜3年生。
<授業の目的および概要>
マイケル・サンデルの講義録でも言及されるロックの『統治論』(和訳)を輪読し、近代社会の「自由」を生み出した当時のヨーロッパの状況を考える。
<到達目標>
適度に難解で論証力ある文章を読む忍耐力と、それを論理的に整理して提示する能力を養い、世界史・政経・倫理でヨーロッパの政治文化を論じるための基礎的素養を身につける。
<授業の方法>
ゼミによる輪読。毎回全員が目を通してくることを前提とする。報告担当者は自分の担当箇所をレジュメにまとめ、自分の所見をつけて報告。その報告に対して講師を含むゼミ生全員が質疑を行い、報告者を交えて意見を述べ合う。報告者は次回にこの議論を踏まえてレジュメに手を入れ、提出する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1平常点/受講態度 50  %論理的思考力 
2発表/表現等 50  %問題設定能力/表現力 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
〈対象学生〉<BR>西洋史あるいは政治哲学に関心や必要性を感じる学生一般。高等学校の教員免許取得が見込まれ、世界史や倫理、政経の授業を行う可能性のある学生。多少努力しても西洋古典を読破したい人。<BR><BR><受講に際して・学生へのメッセージ> <BR>ホッブズのリヴァイアサンは、私たちが今生きる「主権国家」の意味を論じ、その素晴らしい面と恐ろしい面の両方を鋭く描き出した書物です。良くも悪くも国家の「解剖学」というべきその内容は、実は徹底的な合理主義と限りない人間肯定に裏打ちされたものでした。「なぜ人は人を殺してはいけないか」という基本的な問いに、マスコミの名だたる人々が答えられない現在、暴力に満ちたヨーロッパ史が生んだこの書物には、何か答えてくれるものがあるはずです。なおテキストの訳は下手ですので、補足的に絶版の永井道雄編『ホッブズ』(中公バックス 世界の名著81)も用います。
<テキスト>
  1. ジョン・ロック(宮川訳), 統治論, 中央公論新社, ISBN:4121600983,
    ((出版年)2007年)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
最初の回にオリエンテーリングを行い、担当箇所を決める。第2回目には講師がテキスト成立の背景と、この時代に固有の論述方法について講義し、第3回目から輪読に入る。