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授業科目名
担当教員
マイクロ加工学
近藤 英一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
271150 2 I 3 後期 I
[概要]
☆キャッチフレーズ☆<BR> 「気体を工具につかう!?」ナノ加工を習得して一歩リード<BR><BR> 皆さんは,「機械」にどんなイメージを持っているのでしょう。そして将来どんなエンジニアになると考えているでしょうか。「“機械系”学科に入ったのだから,就職したら“機械”の会社のエンジニアになるのかなぁ 例えば自動車やその部品かな...”と漠然と考えているでしょうか? とんでもない!!<BR><BR> Iコースの卒業生の大半は,半導体や精密機器などいわゆる「IT関連製造業」に就職しています。平面TV,コンピューター,携帯電話,ゲーム機器などなどなど... 日本の工業の牽引力は,情報機器の製造技術なのです。そこに使われている中心・最高の技術がマイクロ加工・ナノ加工技術なのです。<BR><BR> 授業では,「ドライプロセス」を中心に講義します。これは現在工業的に用いられている唯一の超微細加工技術で,非常に大きな産業規模をもっています。皆さんがこの知識を得ることは,現代の“機械系・精密系”エンジニアになるためには必須と考えています。含まれる技術は多岐にわたるので、用いられる代表的な物理・化学手法のいくつかをとりあげ、その基本について説明します。
[具体的な達成目標]
以下について用語や数式を理解し,図を用いて論述でき,かつ教科書の章末問題(標準問題集兼)および授業中に出題する問題について独力で解けること。それらについて問う試験で60%以上の得点が得られること。<BR> 気体の状態方程式をもとに分子密度,分子速度の関係を導出できる<BR> 気体分子のエネルギーを求める式を理解している<BR> 気体の入射流束を求めることができる<BR> 真空装置の原理と構造を理解し記述できる<BR> 荷電粒子の電界による加速を理解している エネルギーを求めることができる<BR> 粒子間の衝突とエネルギー転移を数式を用いて記述できる<BR> 非弾性衝突過程,表面に入射した粒子の過程を記述できる<BR> プラズマの状態と内部での物理現象<BR> プラズマを使った加工の原理を理解し記述できる<BR> 薄膜とその堆積方法・装置を記述できる<BR> フォトリソグラフィ工程やその材料について知識がある<BR> マイクロ加工工程を全体的に理解し,工程ごとの形状を記述できる
[必要知識・準備]
物理および数学の知識が必要である。物理は,高校の物理I,IIの知識で十分であるが,入試問題で出題されないような内容・概念を取り扱うので,入試で選択したからよいなどと思わず,高校の教科書を準備し復習しておくこと。特に力学,電磁気学,熱力学は入念に学習しておくこと。数学は大学初級の微積分学(ベクトルの概念を含む)程度である。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %達成目標,教育方法に記載,範囲は中間試験以降の内容 
2試験:中間期 40  %達成目標,教育方法に記載 
3平常点/受講態度 20  %毎回の小演習に対する取り組み 
[教科書]
  1. 近藤英一, 機械・材料系のためのマイクロ・ナノ加工学の原理, 共立出版, ISBN:4320081544
[参考書]
  1. 超微細加工技術, オーム社, ISBN:427402332X
  2. 超微細加工の基礎, 日刊工業新聞社, ISBN:4526048127
[講義項目]
  1,2.真空と気体分子の運動論<BR>  3,4.プラズマの基礎<BR>  5,6.物理蒸着法<BR>  7,8.薄膜の堆積過程<BR>  9,10.リソグラフィ技術とパターニング<BR>  11,12.エッチング技術<BR>  13,集積回路の構造と作成プロセス<BR>  14 定期試験
[教育方法]
教科書に沿って講義を行うが,OHPやスライドなどを併用する。OHPやスライドは紙芝居ではなく黒板と同等であるので十分にノートすること。また,時間内に毎回小演習を行い問題を解く。ビデオ教材により実際の現場を見る。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《機械システム工学科機械情報コース》
(B)工学のための基礎知識
機械工学を学ぶ上で基盤となる数学、物理や化学などの自然科学と情報技術の基礎知識を習得し、これらを機械工学へ活用できる能力を身につける。
(C)機械工学の専門基礎知識
機械工学についての基礎知識を修得し、これらの知識を活用することにより機械工学に関連する諸課題を創造的に展開する能力を身につける。
(D)デザインとものづくり
修得した機械工学の専門基礎知識を活用し、与えられた制約条件のもとでデザインやものづくりを合理的かつ効率的におこなう能力を身につける。
[その他]
オフィスアワー 昼休み、月曜午後5--6時 A7-204教官室<BR><BR>特別試験の実施基準(本科目の基準)<BR>1)最終成績の平均点が70点以下<BR>  かつ<BR>2)対象者(50点以上)が5名以上<BR>理由:試験の難易度は年によって振れがありますし,学年によっても出来不出来は違います。ですから,平均点が低い場合には救済的に特別試験を実施します。その場合には対象者も当然多くなります。単に不勉強な少数の学生を救済するのでは一生懸命勉強した皆さんにも失礼にあたるとおもいまして。
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~kondoh/course_docs/evaluation.html<BR>参照(学内のみアクセス可)<BR><BR>【学んだこと】<BR>マイクロ加工,気体の利用,プラズマなど 12<BR><BR>【よい点】<BR>講義や教科書,スライド利用がわかりやすい,改善不要,など 4<BR>毎回小演習が役立つ 3<BR>過去問題の掲示はよい 2<BR>単位について注意できるようになった<BR><BR>出席をかねた演習答案回収は好評のようですね。もっと皆さんが積極的に取り組めるような書式を考えてみたいので意見があればドシドシお寄せください。<BR><BR>ところで,「わかりやすい」と「やさしい」とは違います。私は数式をたくさんつかって煙を巻くような授業をすることは好きではありません。むつかしい方程式をたくさんだすのはむしろ私にとっては簡単なのです。そんなことをするよりは,ごく簡単な式をつかって本質を理解してもらいたいなあと思っています。◇講義では十分説明しきれませんが,教科書には,物理の原理の考え方や方程式のたてかたや理解の仕方といったことをたくさん盛り込んであります。物理の方法論は機械とか電子とか科目をとわず共通ですから,本質を理解すれば他の分野の難しい方程式もわかるようになります。◇みなさんは今は単位をとるかとらなかということでせいいっぱいでしょうが,将来にわたっていろいろな分野でもでもこの本は役立つことを確信しています。まずはいまは,気を抜かずじっくりと問題にとりくんでそういう世界を楽しんでくれることを願っています。<BR><BR>【要望】<BR>1)試験直前の講義内容が試験に出た(対数目盛の読み方)(ので準備期間をおいてほしい。)<BR> じつはこれは私も認識していました。講義をしっかりと聞いているかどうかを測りたかったのであえて「工学的常識」問題として出題してみました。資格試験ではないので,聴講なくして合格なし。悪しからず。<BR><BR>2)授業のすすめかた<BR> もう少し具体的に教えてください。<BR><BR>3)単位変換についてもっと説明がほしい<BR> 繰り返しやったつもりですが,化学を履修していない学生にはまだ不足かもしれません。毎回の小演習に改めて出すことにしましょう。<BR><BR>4)教科書と板書・説明が同じなのでノートをとる気がうせる<BR> なるほど。これは一般には毎年好評なので,個性の問題と思いますが,心に留めておきます。 <BR><BR>なお,中間試験の比重を高くしてほしいという要望がありましたので対応しました。