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授業科目名
担当教員
環境都市計画I
北村 眞一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
266192 2 J 3 前期 I
[概要]
 都市計画とは,住民の生活の豊かさや生産性の向上のために,都市の空間や社会の目標像を定め,必要な社会基盤を合理的に整備し,コミュニティを形成する手段体系です.近年,地球環境問題,地域環境問題に関して,野生生物保全,省エネルギー,省資源など環境負荷を低減し,持続可能な生産・生活・生存環境の形成をはかることが都市計画の課題になりつつあります.この講義では,都市の計画が現実に行政においてどのように行われているかをまず理解し,新時代の持続可能な「環境調和型都市」にいかに移行させるかその方法を思考することを目的とします.そこで,海外から国内まで,また近代から現代までの都市計画の思潮,都市形成の背景となる法制度,都市形成の足跡およびそれらの問題点に関する基礎的知識を理解することから始めます.次いで都市計画上必要な図面の見方と描き方の基礎を学習します.そして現行の都市計画の内容を,土地利用計画,都市施設計画,都市開発事業という3つの骨格的要素計画に関して環境形成と関連させて具体的な内容と課題を述べます.
[具体的な達成目標]
 都市の成立に関わる機能と構造の基礎を理解することを目指します.<BR> (1)都市の土地利用の姿と成立の理解<BR> (2)都市計画関連図書の理解と作図ができること<BR> (3)基盤施設(道路,河川,上下水道,情報網など)の理解<BR> (4)商業,住居,工業などの地区の成立の理解
[必要知識・準備]
 都市計画は,自然科学系の環境科学,社会科学系の法学・行政学・政治学・経済学・社会学,建設工学系の造園・建築・土木工学,統計システム系の統計学・情報処理・システム工学などの広い分野からの応用科目になります.そのため広く基礎を学習することや,学び直すこと,TVでも興味深い番組を見るなど好奇心と熱心さが必要となります.<BR> 公聴会や都市計画マスタープラン説明会,都市計画の講演会やまちづくり・シンポジウムなど社会での教育や実践が絶えず行われています.様々な機会を通して,自主的に都市計画の実地の学習を進めてもらいたいところです.<BR> また都市空間の実態としての現場の見学や当事者の話を聞くフィールド・ワークは必須です.実験室や研究室に隠っていても意味はありません,現場を見ていない都市計画や都市デザインなどの学習や実践はあり得ません.下調べなどの情報を収集し,その目で確認に行く前向きな現場での学習が必須です.<BR> また,「都市計画法」「都市計画運用指針」などの法律や行政の実務を知ることも必須です.国土交通省のホームページからダウンロードするなど,所有し目を通して理解しておくことが重要です.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 90  %1回のレポートを課し,その報告発表会を行い,理解度や表現能力を評価します. 
2平常点/受講態度 10  %小さな課題を5回程度課します.都市の現場の経験を積むようにします. 
[教科書]
  1. 教科書は指定しません.講義と資料だけではなく,自分にあった参考書を入手して,通読することが必要です.そこで疑問が生まれたら,さらに文献に当たります.
[参考書]
  1. 加藤晃,竹内伝史 編著, 新・都市計画概論 改訂2版, 共立出版, ISBN:4320074246,
    (\3,885-,(2006.12.25改訂2版),環境都市計画IIと同様です.)

  2. 日笠端, 都市計画, 共立出版, ISBN:4320076451
  3. 都市計画教育研究会, 都市計画教科書, 彰国社, ISBN:4395006124
[講義項目]
1.講義概要と日程およびレポート課題<BR>  国土計画:都市と都市計画の概念,国土法体系<BR>2.都市計画制度:都市計画制度とその事例<BR>3.都市総合計画:都市計画マスタープランとその事例<BR>4.都市設計基礎:投影法基礎,建築・土木・造園・都市計画・図表の表現<BR>5.都市土地利用:都市調査,地価と土地資源,土地利用規制と開発<BR>6.都市環境論1:都市と自然,都市と緑地空間,エコロジカル・ネットワーク<BR>7.都市環境論2:都市景観,景観計画,景観管理,都市デザイン<BR>8.都市基盤1:交通計画手法,交通調査,交通需要予測,土地利用・交通モデル<BR>9.都市基盤2:交通施設整備,交通政策,省エネ型交通施策<BR>10.都市基盤3:流域と河川計画,治水・水資源・水環境<BR>11.都市基盤4:河川の環境とデザイン,(汚染と上下水道)<BR>12.都市基盤5:都市防災と都市基盤,地震・火災・津波対策<BR>13.地区計画1:住居地区,土地区画整理事業とニュータウン<BR>14.地区計画2:商業の発達,流通と商業地区,中心市街地整備と都市再開発事業<BR>15.地区計画3:工業地区,港湾地区,エコタウン,ゼロエミッション工業団地<BR>16,17.レポート課題の報告発表会(土曜日の午前中など別途日を設けます)<BR>※進捗状況などにより内容は変更になることがあります.
[教育方法]
 講義主体に進めます.<BR> 液晶プロジェクターやスライドなどの映像を用いて説明します.<BR> 講義での資料を配布しますが,参考書などを自主的に学習することをお勧めします.<BR> 課題を何回か出して,現場での経験を積むように工夫します.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
 毎回パワーポイントで講義を進め,PPTの資料配付予定です.<BR> この講義では概論・基礎編をお話しします.続いて後期の「環境都市計画II」で都市の計画に関する応用編をお話しします.
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
 昨年度は大学の平均的評価よりも少し良かったです.講義内容も特に問題はありませんでした.ゆっくり話すように心がける予定です.