授業科目名				担当教員
基礎電気理論				大木　　真
時間割番号	単位数	コース	履修年次	期別	曜日	時限
262000 S	2	S	1	前期	金	I
［概要］
電気電子システム工学は、力学、電磁気学、量子力学という基本的科目の上に電気回路、電子回路や電子デバイスなどの科目を総合して成り立っている。<BR>　物理的な現象や法則を理解するためには、論理的な考察に加え、数学的なアプローチを必要とする。すべての法則や物理現象の多くは、基本的な数式により表現され、これらの組み合わせによる数学的処理により得られた結果より、事象をより深く理解することができる。実際にの応用工学の進展にも、数学的、図形的な説明が多く用いられている。<BR>　本講義の目的は、１）数学の基礎、各種関数の特色を理解し、特に、交流回路などの基礎となる複素数表示の意味と三角関数との関係、簡単な交流回路への応用を学ぶ。さらに2)電磁気学などで特に必要とされるベクトルの取り扱い方を詳しく理解する。ここではベクトル量の演算と流束ベクトルなどの発散や回転、スカラーポテンシャルの勾配などを電磁気学の基礎と関連づけて学ぶ。その後、3)以上の知識を用いて、電気回路や電子工学の基礎的な現象を数学的手法で論理的記述ができるようにする。
［具体的な達成目標］
（１）指数関数、三角関数、複素数の基本的知識を身に付け、簡単な計算ができる。具体的応用として波について学び、周波数､波長､波数などの関係が求められる。<BR>（２）簡単な交流回路の電圧・電流・インピーダンスなどを複素数表示で求めることができる。<BR>（３）ベクトルを理解しその表記方法や指数関数表示を覚え、ベクトルの和や差が計算　できる。<BR>（４）ベクトルの内積、外積を把握し、電磁気学の基礎となるスカラー量の勾配、流速ベクトルの発散、回転などの意味がある程度説明できる。<BR>（５）応用例としてガウスの法則の意味を理解し、簡単なモデルから、電荷の作る電場を計算できる。<BR>（６）応用例として、クーロン力と電場、あるいはローレンツ力をベクトルを使って記述できる。
［必要知識・準備］
はじめは高校の数学と重複するところもあるので、十分に復習をすること。特に複素数、三角関数、ベクトルについてよく復習しておくとよい。授業に出席するだけでなく大学生として新たな好奇心を持って、考えながらノートを必ずとってください。宿題などを課すことがあるが、積極的に取り組んでください。
［評価方法・評価基準］
No 評価項目 割合 評価の観点 1 試験：期末期  50  % 具体的な達成目標の60％以上を合格とする．  2 試験：中間期  50  % 具体的な達成目標の60％以上を合格とする．
［教科書］
後藤尚久, なっとくする電気数学, 講談社, ISBN:4061545256
［参考書］
(未登録)
［講義項目］
１．虚数、複素平面、複素数の和と積<BR>２．三角関数と指数関数、オイラーの公式<BR>３．三角関数と、波動の表示<BR>４．簡単な交流回路の複素数による解析<BR>５．物理量の表し方、ベクトル量とスカラー量<BR>６．スカラーポテンシャルと勾配、クーロン力と電場<BR>７．ベクトルの内積・外積などの演算。電磁気学の基礎となる流速のベクトルの発散回転などの意味を理解する<BR>８．ガウスの法則と静電場、電気量のベクトルの発散<BR>９．電荷に及ぼす電場、磁界の力、ローレンツ力<BR>１０．まとめ<BR><BR>講義項目によって1〜2回にわけて説明する。
［教育方法］
板書もしくはスライドによって、重要な事項を説明する。重要だと思われるところは必ずノートにメモをとること。また、授業を聞いてわからない・理解できなかったところは、必ず担当教員に訊き、その都度理解に努めること。
［JABEEプログラムの学習・教育目標との対応］
《電気電子システム工学科》 C-3：電気電子工学分野の基礎数理・基礎物理の学力を養う 本学科の必修科目である基礎電気理論，電磁気学，電気回路，電子回路などの科目を通じて，本分野の重要な基礎数理・基礎物理の学力を養う
［その他］
(未登録)
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
(未登録)