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授業科目名
担当教員
基礎物理学I
中山 栄浩
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
251110 A 2 D 1 前期 III
[概要]
基礎物理学Iでは,物理学の中でも電磁気学と共に基礎的な分野をなす力学の基礎を学ぶ.自然現象の中から法則を見出す物理学の中でも,力学は最初に成立した分野で,物理学の概念が最も分かり易い学問分野である.<BR>本講義では,力学の中でも導入部分に相当する質点の力学に関する素養を養うことを目標に講義を進める.具体的には,大きさや形を無視して1点に質量を与えた仮想的な物体(質点)に力が作用した場合の運動(力学)を,簡単な数式を用いて取り扱う手法を習得する.
[具体的な達成目標]
基礎物理学Iでは以下の5つの項目を習得することを達成目標とする.<BR>1)ベクトルの合成や分解ができること.<BR>2)ベクトルの内積と仕事の関係が理解でき,基礎的な計算ができること.<BR>3)ベクトルの微分・積分と加速度・速度・変位の対応関係が理解でき,基礎的な計算ができること.<BR>4)質点の基本的な運動(単振動,単振り子,円錐振り子など)を数式を用いて取り扱えること.<BR>5)仕事とエネルギの関係が理解できること.
[必要知識・準備]
基礎物理学Iでは,質点の運動を数式で取り扱うことを基本としている.対象とする質点の基本的な運動は高等学校の物理(力と運動など)で学んだものが多いので,「物体に作用する力」,「速度・加速度と力」,「運動の法則」,「運動量の保存」および「力学的エネルギ」などを十分に復習しておくこと.また数式を用いて質点の運動を表現するので,高等学校の数学で学んだ「ベクトル」および「微分と積分」の基礎を復習しておくこと.<BR><BR>本科目は,「応用物理学I(基礎教育)」,「機械力学及び演習,振動工学,流体工学I,流体工学II及び演習(基礎工学)」などを履修する上で必要となる多くの基礎的内容を含んでいるので,十分に理解されることを期待する.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %総合的な理解度をチェック 
2小テスト/レポート課題 50  %各回の講義内容の理解度をチェック 
[教科書]
  1. 戸田盛和, 物理入門コース1「力学」, 岩波書店, ISBN:4000076418
[参考書]
  1. 高木隆司, 力学(I), 裳華房, ISBN:4785320990
  2. 原康夫, 理工系の基礎物理 力学, 学術図書出版社, ISBN:4873610931
  3. 川村清, 裳華房テキストシリーズ・物理学 力学, 裳華房, ISBN:4785320818
[講義項目]
1.ガイダンス(講義概要,講義の進め方,成績の評価法など)<BR>  スカラーとベクトル,ベクトルの成分と表示法,ベクトルの合成・分解<BR>2.ベクトルの内積・外積<BR>  内積の定義,内積と仕事,外積の定義,外積とモーメント(トルク),内積と外積の基礎的な計算<BR>3.ベクトルの微分<BR>  微分の定義と平均および瞬間の速さ,速度の定義(ベクトルの微分),速度の計算<BR>4.ベクトルの積分,微分と積分の関係<BR>  速度の積分と変位,変位と速度と加速度の関係,速度や変位を求める基礎的な計算<BR>5.第1から第4回目の講義内容に関する演習<BR>  演習問題による理解度の確認と演習問題の解説<BR>6.運動の法則,直線上の運動<BR>  運動の第1法則,第2法則,第3法則の定義(慣性,質量と重量,運動量,力などの理解)<BR>7.運動量の変化と力積<BR>  運動量と力積,2物体の衝突,衝突前後における運動量の変化<BR>8.1次元の運動<BR>  力が一定の場合,力が速度の関数の場合(粘性抵抗,慣性抵抗),力が時間の関数の場合<BR>9.単振動<BR>  力が位置の関数の場合(自由振動,減衰振動,単振り子)<BR>10.1次元の運動とエネルギ<BR>  運動エネルギと位置エネルギの定義,エネルギの保存(重力の位置エネルギ,バネの位置エネルギ)<BR>11.2次元の運動<BR>  放物体の運動(粘性抵抗の有無),等速円運動,円錐振り子<BR>12.仕事とエネルギ<BR>  内積と仕事,線積分,運動エネルギと仕事<BR>13.力のポテンシャルとエネルギの保存<BR>  ポテンシャルと保存力,力の分類(保存力,非保存力,束縛力)<BR>14.第6から第13回目の講義内容に関する演習<BR>  演習問題による理解度の確認と演習問題の解説<BR>15.定期試験および解説など
[教育方法]
講義の最後に小テストを行い,受講生の理解度を把握する.<BR>講義の最初に,前回の小テストについて解説を行い,受講生の理解を助ける.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《機械システム工学科機械デザインコース》
(B)【機械工学と自然科学】
数学,物理や化学などの自然科学と情報技術の基礎知識を修得し,これらの知識を機械工学へ活用できる能力を身につける.
[その他]
オフィスアワー: 講義終了後および月曜日第V時限
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
・各授業での対応をまとめた資料が,機械システム工学科会議室(A1-143)で閲覧できます.