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授業科目名
担当教員
確率・統計学及び演習
加藤 初弘
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
251103 A 2 D 1 後期 III-1-IV-1
[概要]
確率と統計は古くから偶然を伴う自然現象や工学現象の解析に強力な手段である.本講義は,確率・統計の基礎理論とコンピュータを用いたデータ処理に関する次の手法を論じる.
[具体的な達成目標]
確率・統計の基礎に関する知識を用いて次の処理を実行できること.<BR> 1)平方和に関する総和公式を応用した分散の表計算<BR> 2)確率誤差の計算表による処理<BR> 3)相関係数の計算表による処理<BR> 4)最小2乗法の計算表による処理
[必要知識・準備]
 「情報処理及び演習」を通じてコンピュータの基本的な操作を習得していること.特に,表計算とコンピュータネット関する基礎は必須である.<BR> この科目の習得により「数値計算及び実習」を履修する準備ができる.また,「機械システム工学実験」におけるデータ処理を合理的に実施できるようになる.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 66  %確率誤差,最小二乗法の表計算は必須.また,これらの意味が理解できること.たとえば,平方和の意味. 
2小テスト/レポート課題 34  %締め切り期限ごとに提出できることが評価の前提.また,考察がないレポートの評価は低い. 
[教科書]
  1. 石村園子, やさしく学べる統計学, 共立出版, ISBN:4320018087
[参考書]
  1. 図解 確率・統計入門, コロナ社, ISBN:4339060747
  2. 内容と演習が充実しているシリーズとして,田島一郎,近藤二郎共編「演習・工科の数学」全5巻がある.また,コンピュータの表計算ソフト(Excelなど)には,多くの統計処理関数が組み込まれている.これらのマニュアルも良い参考文献である.
[講義項目]
A.記述統計<BR> 1. データの整理I(データの仮平均とスケーリング)<BR> 2. データの整理II (2つの量の相関)<BR>B.確率と確率変数<BR> 1. 確率の定義(統計的定義,場合の数と確率)<BR> 2. 率変数とその期待値および分散<BR> 3. 確率分布(2項分布,一様分布,正規分布など)<BR> 4. 2変数の確率変数<BR>C.標本と推定<BR> 1. 母集団,標本と標本分布<BR> 2. 大数の法則と中心極限定理<BR> 3. 測定値の精度と確率誤差<BR> 5. 最小2乗法と相関係数<BR>D.コンピュータによるデータ処理<BR> 1.データの送信と受信<BR> 2.データの表現(ASCIIコード,浮動小数点など)<BR> 3.表計算による統計処理の基本 <BR><BR>演習項目として<BR> a.電子メールやWebサイトからのデータの送受信<BR> b.EXCELの組み込み関数を応用した基本的な統計処理<BR> c.中心極限定理,相関係数の計算などの数値的な演習と確認
[教育方法]
 講義と関連してコンピュータ処理に関する演習を行う.このとき,考察を必ず記入すること.考察がないと単なる演習問題の回答となってしまい評価が上がらないので注意せよ.<BR> 限られた時間のなかで達成された成果を重視するので,レポートは提出期限は厳守する.同じ理由で,再試験は行わない.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《機械システム工学科機械デザインコース》
(B)【機械工学と自然科学】
数学,物理や化学などの自然科学と情報技術の基礎知識を修得し,これらの知識を機械工学へ活用できる能力を身につける.
[その他]
定期試験直前の質問より,講義終了時やオフィスアワーを活用して質問すること.
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
・アンケートの自由記述に,「講義の目的が何か分からない」というものがあります.講義の最初に紹介していますが,ここに改めて記入すると,<BR>「確率誤差と最小自乗法(回帰分析)の使い方を習得する」<BR>です.初めて聞く人には,何を言っているのか不明だと思います.したがって,講義の最初に紹介しても印象に残らないのではないかと想像しています. まずは使えるようにすることを心がけてください.(希望でもありますが)理論の詳細は,3年生になると自分で納得できるようになっているはずです.