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授業科目名  現代教育方法論
時間割番号 161130
担当教員名 高橋 英児
開講学期・曜日・時限 前期・月・IV 単位数 2
<対象学生>
関心のある学生ならば特に制限はしない。
<授業の目的および概要>
 現代の学校と教師・子ども・親たちを取り巻く状況や諸問題を見据えながら、今求められる教育方法を理論的・実践的に検討することを目的とする。特に、今の子どもたちの成長を引き出す教育のために必要な視点を身につけ、それを実現するための方法的・技術的力量を高めたい。そのために、授業では以下の4点を重視したい。<BR>・「自分が教師だったら、どう考え、行動するか」という視点から考える。<BR>・理論と実践の世界との交差(実践的思考と理論的思考)<BR>・実際に「つくりだしてみる」(行動として、書き言葉として)<BR>・教育方法に関わる体系知の獲得この授業を通して、現場教師のレベルに近づき、かつある面では現場の教師もできていない(これからの重要な課題)水準をめざしたい。
<到達目標>
・教育実践における諸問題に関する理解を深め、そのためにふさわしい教育を構想し、具体的な方法を提示する。
<授業の方法>
・講義だけでなく、実践記録を読んだりビデオを観たりし、それについて検討する(意見交換、分析)という作業を毎回行う予定です。<BR>・多様な作業(身体を使ってやってみる・討論・書き・読み)<BR>・学生の主体的な参加と協同的な活動
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 70  %授業内容の理解度、主張の論理性・明瞭性・積極性など 
2平常点/受講態度 10  %授業参加の積極性、2/3の出席を前提とする 
3発表/表現等 20  %主体的な意見発表 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 意欲のある学生の「真面目な」参加を望みます。<BR> 具体的な実践場面の検討を中心に講義を進めていく予定です。実際に考え、行動することが中心になりますので、皆さんの積極的な「参加」(「出席」だけではなく)を望みます。また、こうした活動が充実したものにするために、事前の準備や課題等も多くなることが予想されます。ですので、それなりの覚悟を持って受講してください。<BR> 遅刻や欠席が目立つ学生や受講態度に問題のある学生は、途中で受講を取り消すこともあります。
<テキスト>
  1. テキストは用いません。
<参考書>
  1. 岩垣攝・深澤広明, 教育方法の基礎と展開, コレール社, ISBN:4876372357,
    (教授学を中心に研究しているグループによるテキストです。教育方法学について体系的に学びたい人にはお勧めです。)

  2. 佐藤学, 教育方法学, 岩波書店, ISBN:4000260057,
    (上記の本とは別の視点からアプローチしたテキストです。授業と学習、教室のコミュニケーション、カリキュラム、教師の役割、コンピュータと教育などの内容を中心に扱いながら、教育方法学について検討しています。上記の本と共にお勧めします。)

  3. 竹内常一, おとなが子どもと出会うとき、子どもが世界を立ちあげるとき 教師のしごと, 桜井書店, ISBN:4921190232,
    (実践記録の分析を基に、教師と子どもの関係性をつくり、「教育」を成り立たせるための視点を明らかにしようとした本です。教育方法の課題を具体的に考えるのに参考になります。)

  4. 子どもの荒れにどう向き合うか, 高文研, ISBN:4874983758,
    (中学校の荒れに立ち向かった教師の実践記録。教育実践現場の抱える諸問題について実際に知ることができる。)

  5. 全国生活指導研究協議会, “競争と抑圧”の教室を変える―子どもと共に生きる教師, 明治図書, ISBN:9784188211144,
    ( 実践記録とその分析が掲載されており、子どものリアルな実態、教師による子ども理解、教師の指導方法など、参考になります。興味のある人は、雑誌『生活指導』(明治図書、月刊誌)を手に取ってみてください。)
<授業計画の概要>
 講義の内容は予定です。受講生と相談の上、変更等も加えていく予定です。<BR><BR>1.オリエンテーション―教育方法学を学ぶとは<BR><BR>(私たちの子ども理解を考える)<BR>2.「大人」は「子ども」と出会えるか(1)―私たちの子ども観を問い直す<BR>3.「大人」は「子ども」と出会えるか(2)―届く言葉、届かない言葉 <BR>4.子どもの「拒否」に出会ったとき(1)―「否定の中に肯定を見る」<BR>5.子どもの「拒否」に出会ったとき(2)<BR>6.多様なニーズを持つ子どもの指導と学級の指導を考える(1)<BR>7.多様なニーズを持つ子どもの指導と学級の指導を考える(2)<BR><BR>(教室にドラマをつくる)(学校知をつくりかえる)<BR>8.授業を構想する(1)―授業の中の「問い」を考える<BR>9.授業を構想する(2)―授業のイメージを問い直す<BR>10. 学力問題と授業―「生きる力」は育てられるか?<BR>11.「総合的な学習の時間」と学校(1)−総合的な学習の時間って何?<BR>12.「総合的な学習の時間」と学校(2)−総合的な学習の時間はどこへ行く?<BR>13. 子どもの学びを構想する(1)<BR>14. 子どもの学びを構想する(2)<BR>15. 補足など
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
 授業に関しては、特に要望等はありませんでしたが、今後も出来る限り、具体的な資料を読み、分析し、討論していく活動を取り入れるようにしていきたいと思います。