山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名  生活科内容論
時間割番号 160582 A
担当教員名 増茂 智子/山本 摂
開講学期・曜日・時限 前期・金・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
生活科誕生の意義とその背景について知り、生活科とはどのような役割をもつ教科なのか、また生活科を通じ人間形成にどのようにかかわるのか等について検討していく。生活科を捉え直すことにより、子どもたちにとっての「学びの原点」とは何かを再考していく。最終的には生活科の学習・活動をどのように構想し展開したらよいか等授業を構成する力を培うことを目的とする。
<到達目標>
生活科に関する理解と生活科教育に必要な知識・技能を修得する。例えば以下の項目への理解<BR>(1)小学校低学年(1、2年生)で学ぶという教科の位置付け−幼児教育との連携<BR>(2)他教科との学びのスタンスの相違−気づきからの学び、かかわりを重視する学び等<BR>(3)教師の役割・支援の意義−「教える」という役割への問い直し<BR>(4)生活科の目標及び内容−生活科の特性 他
<授業の方法>
 前半は講義中心に「生活科とは何か」について理論的検討を行っていく。後半では生活科の内容を具体的に捉える為に、活動(指導)計画や学習展開を参加型の授業で検討していく。なお、毎授業のはじめもしくは最後に、生活科の学習内容に関連して、自分自身の生活に関することがらへの気づきを促すための「気付きカード」の作成・提出(10回程度)を予定している。(絵や短文による表現力の向上を目指してほしい)
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 80  %学習の到達状況及び授業理解力を小テストにより確認する(50%)。さらにレポート類(30%)として、附属小教諭による特別授業への参加レポート、年間授業プランの作成レポート、そして最終授業時に実施するポートフォリオの小レポートを予定している。 
2平常点/受講態度 20  %2/3以上の出席を前提とする。さらに、授業時の「気付きカード」の作成と提出を課す 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 本授業は、生活科に関する基礎・基本を、前半では理論面から確認していくため、講義ノートをとることはもちろんだが、後半の参加型の授業では、受講生の主体性を重視し、生活科の学習活動の実際を試みる中で、自分と人や社会、自然とのかかわりを捉えていく予定である。日頃から季節の移り変わりや動植物の飼育・栽培等にも関心をもつとよいだろう。また人との関わり等からの「気付き」を大切にして、生活科への理解や興味を高めてほしい。尚、教育実習等で長期欠席(公欠)する人は、授業での遅れをなるべく回避する為に、連絡が取れる授業仲間がいると望ましい。
<テキスト>
  1. 教科書は特に指定しない。必要に応じ「プリント」を配布する。
<参考書>
  1. 小学校学習指導要領解説 生活編, 日本文教出版株式会社, ISBN:978-4-536-59002-0
  2. 高浦勝義、佐々井利夫, 生活科の理論, 黎明書房, ISBN:9784654018178
  3. 高浦勝義、佐々井利夫, 生活科の授業づくりと評価, 黎明書房, ISBN:9784654018185
  4. 内藤博愛, 気付きを深める生活科授業の創造, 明治図書, ISBN:4187277005
<授業計画の概要>
1、オリエンテーション 受講生の確認 他<BR>2、生活科の誕生と意義<BR>3、子どもにとっての「学びの原点」<BR>4、生活科の目標<BR>5、生活科の内容(1)新学習指導要領からの確認<BR>6、生活科の内容(2)キーワードからの確認<BR>7、生活科の学習指導とその実際<BR>8、生活科学習と評価(教科書の検討)<BR>9、指導計画の作成、学習活動(指導)案の作成<BR>10、附属小学校での特別授業(附属小教諭による生活科特別講義)<BR>11、生活科学習の展開(1)学校と生活、地域と生活<BR>12、生活科学習の展開(2)季節の変化と生活、公共物・公共施設の利用<BR>13、生活科学習の展開(3)自然や物を使った遊び、<BR>14、生活科学習の展開(4)家庭と生活、自分の成長、 他<BR>15、まとめ−学習の振り返り・ポートフォリオ(確認テストや気づきカードのフィードバック)<BR><BR>*全15回の中で1回は附属小学校教諭による生活科についての授業を実施<BR>*15回の授業を通じ、必要に応じて授業理解の確認のための小テストを実施<BR>*授業予定及び詳細については、第1回目のオリエンテーション時に伝える予定 <BR>なお、受講生の反応を見ながら予定を変更する可能性有り
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
前半は、基礎・基本について、どうしても理論面からの講義型授業になってしまう。これについて「板書が多い・見難い」「書くのが大変」等の要望があったため、講義要旨(書き込み用のレジュメプリント)や参考資料等で補うように改善した。しかし、板書や聞いたことを自分なりの工夫を加えてノートにまとめると言う作業は、本来は各自が行う学び方の基本の1つとも考えている。書かれたことや聞いたことを理解してまとめると言う作業をしながら、自分自身の考察力も培ってほしい。後半で実施している参加型の生活科の具体的な活動に対し、良い評価をいただいている。できれば講義と体験学習を分割ではなく、並行させながら進める展開も検討している。いずれにしても講義と体験活動の両輪で全15回の授業を進めていく予定である。各自の主体性が必要なため、積極的な授業参加を期待する。