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授業科目名  教育課程臨床論
時間割番号 160214
担当教員名 高橋 英児/岡林 春雄/手塚 実/上里 正男/須貝 千里/田中 武夫
開講学期・曜日・時限 前期・金・I 単位数 2
<対象学生>
学校教育課程2年(必修)、教員免許状取得希望者
<授業の目的および概要>
 学校教育における教育課程の編成および実現プロセスに関する学校臨床的な課題を取り上げつつ、教育課程とはなにか、教育課程の意義および編成の方法についての理解を得る。学校教育の実際を考察することで、学生自身の高校までの学校教育体験を再考する機会とする。
<到達目標>
・学校教育における教育課程の編成および実現プロセスについて具体的に理解し、自己の教育体験を振り返ると共に、教育課程の意義および編成の方法について、教育をする側の視点から考察することができる。
<授業の方法>
 受講者数が20〜25名程度の少人数でゼミを行う。大学院研修等で山梨大学に来ている現場教師を交えて意見交換、ビデオによる学校教育の実際などを積極的に取り入れる。それらをもとに、テーマについての意見発表、意見交換などを行う。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 50  %理解度、論理性など 
2発表/表現等 50  %積極的な意見表明、他者との応答などのコミュニケーション 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・この科目の位置づけは、「学校」という場で生じていることへの省察を深め、教師の仕事の実際と意味を考えさせることを主眼としています。みなさんには、これまで受けてきた教育を再考し、教育をする側からも考えられるようになることを望みます。<BR>・2/3以上の出席が前提です。忌引き、教育実習、介護等体験実習のみ公欠として認めますが、それ以外の欠席は公欠とは認めません。また、虚偽の出席申告は厳格に対処します。<BR>・全体の講義(第1回目〜5回目)は、M-12教室で行います。<BR>・各グループは、全コースの学生が所属するように分けています。積極的な交流を望みます。
<テキスト>
  1. なし
<参考書>
  1. 柴田義松, 教育課程 カリキュラム入門, 有斐閣コンパクト, ISBN:4641046308,
    (教育課程の編成原理に関する入門書です。)

  2. 柴田義松編, 新・教育原理(改訂版), 有斐閣双書, ISBN:4641112371
  3. 佐藤学, 教育方法学, 岩波書店, ISBN:4000260057
  4. 中野光他編, あっ!こんな教育もあるんだ 学びの道を拓く総合学習, 新評論, ISBN:479480704X
  5. 岡林 春雄, 心理教育, 金子書房, ISBN:4760825711
<授業計画の概要>
 各回の概要:<BR>[1回目〜5回目]全体講義(担当:高橋)<BR>1回目‐オリエンテーション、教育課程の基礎概念<BR>2回目‐教育課程と学習指導要領<BR>3回目‐戦後の教育課程はどう変化してきたか(1)‐学習指導要領の変遷と日本社会<BR>4回目‐戦後の教育課程はどう変化してきたか(2)‐学習指導要領の変遷と日本社会<BR>5回目‐教育課程の今日的課題<BR>6回目−−幼児期から小学校低学年期へとつながる子どもの育ちと教育課程<BR>   −グループの顔合わせ<BR><BR>[7回目〜15回目]5つのクラスにて講義とリフレクション(担当:岡林、高橋ほか)<BR><BR>7〜8回目:作品1『学校って何ですか?』<BR>−学校に関わる現代的課題について知り、現代の学校のあり方について考えグループで討議する。<BR>9〜10回目:作品2『先生の叫び』(FNSドキュメンタリー大賞、40分程度)<BR>−教員であることが難しい時代にどう対処していくか−教員を取り巻く現状を知り、教員として職能開発をどのように進めていくのかを多角的に考察する。<BR>11〜12回目:作品3『涙と笑いのハッピークラス』(NHK、50分程度)<BR>−教師が児童・生徒と「向き合う」ということを理解する。<BR>13〜14回目:作品4『光とともに〜自閉症児を抱えて〜(第2話)』(日本テレビ、40分程度)<BR>−自閉症が感じる世界の魅力,その世界に教師から歩み寄り重なり合うことの大切さ,「75条学級」の経営の在り方について考える。<BR>15回目:まとめ−4つの作品を通じた教育臨床の諸問題や課題をふり返るとともに、それらに対する理解や態度の幅を広げることができたかを確かめる。
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
 講義に対して、これまで以下のような意見があった。<BR> 全体講義では、一部で「内容量が多い」「やや進み方が早い」などの指摘を受けた。全体講義では、授業前後の予習・復習を前提に講義を行っているため、講義後の学習を期待して内容量を多くしてきたという経緯がある。もちろん、よりわかりやすい講義を心がけ、内容や資料を精選していきたいと考える。<BR> グループ分けや活動に関しては、グループ分けの基準に関する質問があった。グループ分けは、全コースの学生が所属するよう名簿から機械的に分けている。担当教員も同様である。また、担当教員ごとの活動内容や課題の量が統一されていないことへの意見が出された。グループ活動では、グループが踏まえるべき視点を統一し、それを確認している。その上で、各担当教員がそれぞれの専門を生かしながら、グループ指導に当たることが確認されている(これは、全体講義で扱う基準の統一性と実践の多様性の問題と関わる事項でもある)。しかし、受講生の要望を受け、課題の量や評価の基準は全体で統一していくことにしている。今後も、講義に関してより積極的な声を聞かせて欲しい。