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授業科目名 社会系 【ゼ】放射線と現代
時間割番号 063227S
担当教員名 御園生 拓/鳥養 映子/高橋 智子/武田 哲明/佐藤 皓/三宅 康博
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
 一般にただ「恐ろしいもの」として漠然としか認識されていない放射線は,現実には工業,農業,医学といった現代生活の様々な局面で利用されている.また,日本は2006年6月の原子力立国計画などによってエネルギー源としての原子力利用を大々的に推し進める方針を打ち出している.さらに,昨今の世界情勢においては,核ミサイルの恐怖からから核テロやいわゆるdirty bombとしてなどの放射性物質の悪用の懸念も増加する一方である.本授業は,このような状況に適切に対処することができる市民を育成するために,放射線・放射能についての基本的な知識と,日本における放射線管理規制の実態を学び,さらに初歩的な放射線取り扱いの実際を知ることを目的とする.
<到達目標>  到達目標とは
No重要度目標詳細
1知識と視野電離放射線についての科学的な知識を得ることにより,現代社会における放射線の意義を深く考えることができるようになる.
2 能力と技能放射線取り扱いの基礎的技能を修得する.
<授業の方法>
授業は講義と演習・実習によって行う.<BR>授業において提示する課題へのレポートと出席によって評価するので,出席は必須.<BR>必ず学生証による出席登録を行うこと.リアクションペーパーだけでは出席にはならない.
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 60  %与えられた科学的な知識がどの程度定着しているか,また社会的な事象について科学的な知識をもってどの程度分析できるかなどを評価する. 
2平常点/受講態度 40  %実習・演習を含め,授業には出席した上でまじめに取り組むことが求められる. 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
正しい知識というものの価値と共に,知らないということの恐ろしさを知っていれば,世の中に氾濫する情報に惑わされることがなくなります.<BR>知的な好奇心を磨きましょう.<BR>詳細は随時<A HREF=”http://www.js.yamanashi.ac.jp/~mist/Lecture/radiation.html”>詳細ページ</A>参照のこと.
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 佐藤満彦, ”放射能”は怖いのか−放射線生物学の基礎−, 文芸春秋社, ISBN:4-16-660177-6,
    (文春新書177)

  2. NHK「東海村臨界事故」取材班, 朽ちていった命−被曝治療83日間の記録−, 新潮社, ISBN:4-10-129551-4,
    (新潮文庫)
<授業計画の概要>
授業は以下の流れに沿って行う.<BR><BR>1 授業ガイダンス,放射線入門 (みそのう)<BR> 本授業の実施形態,注意点,評価方法等の説明.放射線についての基礎的知識の説明.<BR>2−3 放射線・放射能とは何か (鳥養)<BR> 放射線・放射能についての物理的知識基盤の形成.そもそも放射線とはどのようなものなのかを知る.<BR>4 人間と放射線 (みそのう)<BR> そもそも放射線は人間に対してどのような影響を与えるのかを知る.<BR>5−6 社会のなかの放射線 (高橋)<BR> 人類と放射線の関係の歴史および,現代社会における放射線利用の実態,日本の原子力エネルギー利用の実態と展望.原子力政策大綱(2005),新エネルギー国家戦略(2006),原子力立国計画(2006)の概要を知る.<BR>7ー8 原子炉・原子力発電 (武田)<BR> 原子力発電のしくみ.原子炉の種類と構造.日本および世界の原子力発電の実際について知る.<BR>9 講師未定 (高エネルギー加速器研究機構・原子力発電所等)<BR> 放射線利用の最先端技術の紹介.<BR>10 現地研修 (高エネルギー加速器研究機構・原子力発電所等)<土曜日等利用<BR> 放射線・原子力施設見学<BR>11 放射線管理施設 (みそのう)<BR> 放射線障害予防法および原子炉規制法によって規定されている管理区域の設備・管理について概観し,管理区域に立ち入る際の注意について説明する. <BR>12−15 放射線管理の実際 (みそのう・雨宮)<BR> 放射線測定法,汚染検査,廃棄物管理の実習,遮蔽実験等<BR> 放射性障害予防法,電離放射線障害防止規則,山梨大学放射線障害予防規則等による安全管理システム等の実際を知る.
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《機械システム工学科機械デザインコース》
(A)【機械工学の意義】
幸福・福祉の意義,自然と社会との係わりが理解でき,これらに及ぼす機械工学の影響が理解できる能力を身につける.
《電気電子システム工学科》
A-1:人としての常識を持ち,人の社会性を認識する
人間形成科目部門を通じて自分を取り巻く環境の中で円滑かつ持続的に活動を続けるための常識を身につけるとともに,テーマ別教養科目部門の内,「文化系」「社会系」「国際交流系」の科目を通じて歴史や様々な文化,社会の仕組みを理解し,社会人としての良識と倫理,多様な価値観を理解する広い視野を備える
 
《コンピュータ・メディア工学科 コンピュータサイエンスコース》
(A)情報処理技術者としての自らの活動が自然や社会,人に与える影響を理解し,問題解決にあたることができる知識と技術,およびコミュニケーションスキルを習得する
《コンピュータ・メディア工学科 情報メディアコース》
(C) 科学技術が社会や自然に及ぼす影響や効果までを考慮できる多面的な地球的視野を会得し、国際的なコミュニケーションを可能とする基礎能力を修得する。
《土木環境工学科》
A.技術者の責務の自覚
 土木環境技術が人間社会や自然環境の変化に及ぼす効果・影響を理解し、自然と調和した人類の持続的発展のために土木環境技術者が果たすべき責務を自覚する。
[学生による授業評価アンケートに関する記述]
日常生活ではほとんど知ることのない新たな知識と技能が得られたとしておおむね好評である.