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授業科目名
指導教員
分子構造数値解析特論
小谷 信司/藤間 一美
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
416770 2 (未登録) 1 前期 IV
[概要と目標]
量子力学的な数値計算に基づいて分子の電子状態を計算したり、安定な構造をさがす具体的な技術を学ぶ。このような大規模計算機シミレーションではいかに現実に近いモデルをたてるかと、それをどれほど正確に数値的に計算するかの二点が重要になる。 今日量子化学計算の多くは変分原理を用いており、その計算の大半は行列要素の積分と行列の対角化に費やされる。計算機の能力と数値計算技術の向上と、このようなかくれた分野の進歩のおかげで、量子化学計算自体も広く手軽に用いられる道具となってきている。ここでは、実際に計算機を動かしながらこの技術、特に数値計算の精度を体感してもらう。
[到達目標]
実際に簡単な分子構造を計算して、その物理化学的な意味と数値計算に固有に現れる結果を区別して理解できること。
[専攻の目標と講義の目標との関連性]
本専攻では従来の研究分野の枠を越えて、異分野間の連携や境界領域・学際領域へ積極的に展開することにより、複雑な問題に対する解決能力を有する人材を育成することをめざしている。計算機を用いた大規模な理論シミレーションは現在あらゆる分野での技術開発に欠くことの出来ない手法になっている。分野ごとにその最終目的と対象は異なるが計算機シミレーションで必要になる要素技術、たとえば、多次元の数値積分、変分計算にともなう巨大な行列の対角化、変分の試行関数すなわち基底関数の選択などは全ての領域の問題で共通する。ここでは対象に分子軌道計算を選んで数値計算の技術を教授する。その理由は新素材や高機能物質の創成開発にそれらの物性を理論的に理解することはこの専攻共通の課題だからである。
[必要知識・準備]
量子力学のたとえば水素原子の電子軌道がどんな物かを知っているぐらいの基礎的な知識とLinux系の計算機システムを動かせる技術が必要。出来ればLinuxをインストールしてフォートランが使えるノートPCを 準備してくれるとありがたい。
[評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 30  %講義でおこなった数値計算の解釈を示したレポート。 
2平常点/出席点 70  %出席状況 
[教科書]
  1. 分子軌道法, 岩波書店, ISBN:4000059203
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
1. 量子化学数値計算と変分原理 <BR>2. ガウス型、スレーター型、数値型基底関数 <BR>3. 座標の選択とそれによって持ち込まれる基底関数の特性<BR>4. 中心、多重数値積分の方法、空間の区間分割と重み関数