山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
担当教員
材料力学III
吉原 正一郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
271051 2 D 3 後期 I
[概要]
材料力学は機械工学の中でも重要な学問体系の一つである.機械構造物の適切な設計のためには材料力学の知識が不可欠である.<BR>本講義では,材料力学Iと材料力学IIおよび演習での知識をもとに,さらに発展させて,応力集中,材料の強さと破壊,円筒,回転体,平板などの実際に近い問題を勉強する.実際の設計に必要となるこれらの理論の考え方とその計算能力の涵養を目標とする.
[具体的な達成目標]
1)応力集中,破損と破壊,線形破壊力学,疲労破壊,クリープなどの現象を理解できる.<BR>2)外圧を受ける薄肉円筒,内外圧を受ける厚肉円筒,組合せ円筒および焼ばめ,熱応力を受ける円筒の応力や変形を求めることができる.<BR>3)回転した円板の応力や変形,回転軸の危険速度を求めることができる.<BR>4)曲げ荷重を受ける平板や円板,分布荷重が作用した時の円板の応力や変形を求めることができる.
[必要知識・準備]
『基礎教育』部門に相当する科目の中で特に「数学(微積分学)」と「物理(力学)」に関しての基礎知識を修得しておくこと.また,『基礎工学』部門の中で「材料力学」に関して本講義と関係する内容を修得していることが望ましい.具体的な科目名と必要知識を以下に列挙する.<BR>1)微分積分学及び演習(特に,微分・積分の定義と工学的意味)<BR>2)基礎物理学I(特に,ベクトルの意味と内積ならびに力学初歩)<BR>3)材料力学I(特に,応力とひずみの関係)<BR>4)材料力学II(特に,はりのたわみ)<BR>5)微分方程式I(特に,はりの計算)<BR>本科目はこれまでの材料力学の総仕上げであり,ものづくり・機械設計においても必要不可欠な科目として位置付けられる.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:定期試験 50  %これまでの学習内容の確認 
2小テスト/レポート課題 50  %授業ごとの学習目標の達成度を確認 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 基礎材料力学, 養賢堂, ISBN:4842590157
  2. ポイントを学ぶ材料力学, 丸善, ISBN:4621032496
  3. 材料力学 下巻, 養賢堂, ISBN:4842501154
[講義項目]
 1.「薄肉円筒」<BR>    ☆薄肉円筒における応力とひずみの導出とその関係<BR> 2.「厚肉円筒」<BR>    ☆厚肉円筒における応力とひずみの導出とその関係<BR> 3.「焼ばめ・熱応力を受ける円筒」<BR>    ☆厚肉円筒における焼ばめおよび熱応力による応力状態<BR> 4.「回転円板」<BR>    ☆回転円板の応力状態<BR> 5.「平板の曲げ」<BR>    ☆平板の曲げによる応力状態<BR> 6.「円板の曲げI」<BR>    ☆円板の軸対称曲げによる応力の導出<BR> 7.「円板の曲げII」<BR>    ☆等分布荷重および集中荷重を受ける円板のたわみ導出<BR> 8.「中間試験」<BR> 9.「応力とひずみの関係」<BR>    ☆3次元の応力およびひずみの関係<BR>10.「破壊の法則I」<BR>    ☆真応力と真ひずみ,組み合わせ応力下における降伏の条件<BR>11.「破壊の法則II」<BR>    ☆塑性不安定の条件<BR>12.「応力集中」<BR>    ☆無限板において遠方で一様な応力をうける場合の応力集中の解析<BR>13.「破壊力学の基礎」<BR>    ☆破壊力学の基礎的事項の学習(Griffithの式とき裂進展速度, 応力拡大係数)<BR>14.「応力測定法」<BR>    ☆各ひずみ計測方法の習得<BR>15.「期末試験」
[教育方法]
1)理論の説明を黒板とプロジェクターを使用して行い,その後演習問題を3題程度出題し,その理解を深める.<BR>2)講義中で解答できなかった演習についてはレポートによって確認する.<BR>3)補足説明が必要な場合についてはCISで掲示する.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
☆JABEE学習・教育目標:<BR> ・基準1-(1)-(d)「該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用<BR>  できる能力」->主体的に対応(◎)<BR> ・基準1-(1)-(c)「数学,自然科学及び情報技術に関する知識とそれらを問題解決に<BR>  応用できる能力」->付随的に対応(○)<BR>☆MDコース学習・教育目標:<BR> ・基準(C)「機械工学の基礎」->主体的に対応(◎)<BR>☆関係するJABEE分野別要件キーワードとその学習時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」基本キーワード(A)「引張・圧縮・せん断応力とひずみ」に関する学習時間:1.5時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」基本キーワード(B)「弾性と塑性」に関する学習時間:3.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」基本キーワード(C)「材料の強度と許容応力」に関する学習時間:1.5時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(1)「熱応力」に関する学習時間:2.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(5)「応力集中」に関する学習時間:3.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(7)「応力解析」に関する学習時間:1.5時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(10)「真応力と真ひずみ」に関する学習時間:0.5時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(12)「降伏条件」に関する学習時間:1.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(22)「薄板構造/薄肉構造」に関する学習時間:6.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(29)「破壊」に関する学習時間:1.0時間<BR> ・要件1-(2)「材料と構造」個別キーワード(30)「破壊力学」に関する学習時間:1.5時間
[その他]
2時限目以降に授業が無い場合は必ず工場見学に参加すること.