授業科目名
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東洋史特殊講義
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時間割番号
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162205
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担当教員名
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金子 修一
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開講学期・曜日・時限
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前期・月・I
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単位数
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2
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<対象学生>
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2〜4年次生
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<授業の目的および概要>
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東アジア世界の諸問題。日本では、1960〜70年代に西嶋定生氏が冊封体制を軸とする歴史的な東アジア世界の存在を提起し、日本の歴史を東アジア世界の観点から理解することの重要性を指摘した。その学説は日本の学界に大きな影響を与え続けているが、今日では立論の根拠に対する疑問も少しずつ出てきており、日本と東アジア諸国との関係も当時とは大きく変わってきた。本講義では、以上のような諸点をふまえ、初めに西嶋氏の東アジア世界論の概要を示し、次いで特に『宋書』夷蛮伝から見た倭の五王の諸問題について考察しようと思う。
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<到達目標>
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古代日本を理解するには中国史料が必要となるが、日本人は日本の記述にのみ注意を集中しがちである。本講義では、中国史料の日本の記述を理解するのに、史料全体から見ていくことが必要であることを理解させたい。
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<授業の方法>
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講義形式で行う。テキストには岩波文庫『魏志倭人伝』を用いる。できれば、西嶋定生(李成市編)『古代東アジア世界と日本』(岩波現代文庫)及び李成市『東アジア文化圏の形成』(山川出版社、世界リブレット7)を常時参照してほしい。また、必要に応じて史料を配布する。
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<成績評価の方法>
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No | 評価項目 | 割合 | 評価の観点 |
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1 | 試験:定期試験 | 50 % | 授業の目的・到達目標に記した内容をどの程度理解したかを評価する。 | 2 | 平常点/出席点 | 50 % | 出席の回数及び受講態度を評価の対象とする。 |
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<受講に際して・学生へのメッセージ>
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歴史学の特殊講義の理解には講義への出席と講義ノートをとることが必須である。板書のみならず、口頭で述べる事柄についてもきちんとノートをとるように心がけてほしい。
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<テキスト>
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- 『魏志倭人伝』, 岩波文庫, ISBN:4003340116
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<参考書>
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- 『古代東アジア世界と日本』, 岩波現代文庫, ISBN:4006000251
- 『東アジア文化圏の形成』 , 山川出版社 世界史リブレット7, ISBN:4634340704
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<授業計画の概要>
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以下の内容を十数回に亘って講義する。<BR>東アジア世界論の諸問題<BR>南北朝期の東アジア<BR>『宋書』倭国伝の内容<BR>倭王武の上表文の特色<BR>『宋書』夷蛮伝中のその他の国書<BR>南北朝期における将軍号その他の称号の特色<BR>南北朝全体から見た宋倭外交の特色<BR>南北朝全体から見た東アジア世界の特色
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