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授業科目名 社会系 誤りに見る認知心理学
時間割番号 063233
担当教員名 進藤 聡彦
開講学期・曜日・時限 前期・火・I 単位数 2
<対象学生>
全学部の全学年
<授業の目的および概要>
 「海老で鯛を釣る」とはどういう意味でしょうか?大きな成果を得るためにはそれなりの犠牲が必要だと考えている人も少なくありません。でも、これは誤りです。また、振り込め詐欺に引っかかってしまうことも誤りといえるかもしれません。では人はなぜこのような誤りをしてしまうのでしょう。<BR> 心理学の1つの領域に認知心理学という研究領域があります。簡単に言うと、人の思考や行動を情報処理という視点から探ろうとする領域です。認知心理学の研究を進めていく上で、「誤り」は大きな手がかりになります。それは人の情報処理の特徴が「誤り」に顕著に表れることがあるからです。<BR> この授業では、「誤り」を手がかりに人の心や行動を認知心理学から概観していきます。その過程で、心理学とはどのような研究領域なのかを知り、心理学では人の心や行動をどのように科学的に捉えようとしているのかについて触れてもらえたらと考えています。
<到達目標>
(1)心理学とはどのような研究領域なのか説明できる。<BR>(2)認知心理学は他の心理学と比較して、どのような特徴をもつのかを説明できる。<BR>(3)人の情報処理の特徴を、例えばコンピュータと比較して説明できる。<BR>(4)日常の誤った(合理的ではない)認識や行動が起こるメカニズムを説明できる。<BR>(5)認知心理学のおもしろさが実感できる。<BR>(6)認知心理学の知見を日常生活で生かすことができる。
<授業の方法>
 基本的には講義形式で進めますが、できるだけ認知心理学の知見を実感してもらうために簡単な実験を取り入れたいと思っています。参加することで、おもしろさも感じてもらえるのではないかと思っています。<BR> 
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート課題 80  %授業内容をどこまで自分のものにしているかという観点から、レポートを採点します。 
2平常点/出席点 20  %出席をとるのは学生の自律性を抑えるものだとは思いながらも、アパートでボーとしているよりは授業に出た方がましだと思う観点から出席をとります。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 1.授業を受けさせられていると思うと飽きてしまいます。授業を一緒につくっているという感覚で出ているとおもしろく感じます(心理学の動機理論から)。<BR> 2.私語は他の学生の授業を聞く権利と私の授業をする権利の侵害なので厳禁!(幸い、今まで山梨大学で私語を注意したことは滅多にありません。)<BR> 3.ただし、授業を一緒につくるので、苦情、要求、アドバイスは大歓迎!!!
<テキスト>
  1. 心理学からのメッセージ, 勁草書房, ISBN:4326152915,
    (\2,400 & Tax)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1.誤解の生成メカニズム(1) −わかるということを巡って−<BR>2.誤解の生成メカニズム(2) −夏に暑いのは地球と太陽が近づくから?−<BR>3.誤解の生成メカニズム(3) −誤解も理解?−<BR>4.記憶の誤りはなぜ生じるか(1) −記憶はつくられる−<BR>5.記憶の誤りはなぜ生じるか(2) −忘れてしまう意味−<BR>6.知覚の誤りとそのメカニズム(1) −沈む夕陽は大きいか?−<BR>7.知覚の誤りとそのメカニズム(2) −嫌えな人の出す音はうるさい!−<BR>8.不合理な社会認知(1) −落とした千円、拾った千円−<BR>9.不合理な社会認知(2) −悪徳商法に引っかかってしまうわけ−<BR>10.社会に関する誤った認識(1) −情報は歪められて伝わる−<BR>11.社会に関する誤った認識(2) −社会の中での心理の盲点−<BR>12.こころの不健康を認知心理学で捉えると(1) −いろいろな心理療法の考え方−<BR>13.こころの不健康を認知心理学で捉えると(2) −酸っぱいブドウ、甘いレモン?−<BR>14.結局、認知心理学のどこがおもしろいの?認知心理学は何の役に立つの?