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授業科目名
担当教員
景観工学
石井 信行
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
274230 2 CL 3 後期 I
[概要]
 これまでの土木建設事業は,一面的な経済性,安全性,機能性の追求により,社会の短期的要求に応えることはできたが,長期的に見ると,結果として人間生活や生態系に対する負の影響が無視し得ない状況をもたらしてしまっている。本講義では「景観」を土木環境工学における複雑な問題を解く一つのキーワードと位置付け,人間と環境との関わり合いを景観という観点から理解するために,理論と手法を学ぶと共に,様々な関わり合いの事例を参照する。それらを通して,与えられた環境における問題を解決し人間の空間として統合する方法論(本来のデザインが意味するところである。)を学ぶことを目的とする。
[具体的な達成目標]
(1)景観工学で用いられる専門用語を理解できる。
(2)景観の把握ができる。
(3)社会基盤施設が景観に与える影響を理解できる。
(4)空間および構造物のデザインの良否を理解できる。
[必要知識・準備]
先行科目(景観工学は土木環境の他分野と広く関係している。)
共通科目の「現代の都市環境」「心理学の誘いI・II」「美術の見方・考え方」等,人間,社会,環境,文化,芸術に関するもの。
テレビ朝日系「素敵な宇宙船地球号」,TBS系「世界遺産」,NHK教育「新・日曜美術館」等の番組も有益である。
[評価方法・評価基準]
小課題・中間試験・期末試験・レポート課題の合計による。

小課題    40点(教科書に関する課題を各4点×10回出題 但し、授業を欠席した週の課題点は1/2とする。)
中間テスト  20点
期末テスト  20点
レポート課題 20点
合格点    60点
[教科書]
  1. アーバンエコシステム, 公害対策技術同友会, ISBN:4874891217
[参考書]
  1. 景観と意匠の歴史的展開, 信山社サイテック, ISBN:4797225297,
    (篠原修編「景観用語事典」彰国社 他)

  2. 景観用語辞典, 彰国社, ISBN:439510018X
  3. 構造物の視覚的力学, 鹿島出版会, ISBN:4306077020
[講義項目]
 1. 景観工学概論
    景観工学が扱う対象の概要
 2. 景観論・景観計画
    景観学の歴史、景観の捉え方、景観モデル、景観法、景観計画手法
 3. 人間の特性
    対象の認知、錯視、行動の心理
 4. 空間のデザイン-1:街路
    街路の形成、機能、基本構造、構成要素、景観的類型、デザイン手法
 5. 空間のデザイン-2:公園
    都市公園の歴史、機能、構成要素、デザイン
 6. 空間のデザイン-3:広場
    広場の歴史、機能、構成要素、デザイン
 7. 空間のデザイン-4:水辺
    水辺と文化、水面の魅力、水辺景観の構成要素、デザイン手法
 8. 環境のデザイン-1:道路
    道路の設計、デザイン手法(緑化、法面、高架・橋梁、トンネル、遮音壁、植栽)、パークウエイの思想とデザイン、エコロードの整備手法
9. 環境のデザイン-2:河川-1
    河川の営み、近自然工法、多自然型河川整備、ビオトープ、河川伝統工法
10. 環境のデザイン-3:河川-2
    近自然工法の事例(水制・床止め工の設置)、近自然工法の研究施設
11. 橋梁のデザイン-1:橋梁デザイナー
    ロベール・マイヤール、グスタフ・エッフェル、フリッツ・レオンハルト、ヨルグ・シュライヒ、クリスチャン・メン、サンチャゴ・カラトラバ
12. 橋梁のデザイン-2:景観設計
    橋の意味、景観デザインの基本、事例紹介ビデオ
13. ユニバーサルデザイン
    ユニバーサルデザインの思想、人間の能力、7原則、ハートビル法、交通バリアフリー法
[教育方法]
・講義ではプロジェクターを使用し、説明している。また、講義中に使用するスライドの概要をまとめた資料をPDFファイルでCISにアップロードし配布している。
・ビデオを利用した講義も設定し、景観デザインに関わる技術者等の声を聞けるようにしている。
・教科書を読んで解答する小課題をほぼ毎回実施し、学期を通じて問題意識を維持できるようにしている。
・現地調査を必要とするレポート課題により、授業内容を現実の空間と結びつけられるようにしている。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
教育目標(A)「技術者の責務の自覚」に対し、土木施設が作り出す景観が、人間と環境との関わり合い方を示していることを理解させる。
教育目標(C)「専門基礎学力の付与」に対し、土木環境の各分野における景観整備手法について理解させる。
教育目標(F)「問題の把握および解決能力」に対し、具体的な対象について、景観の把握手順、具体的な景観整備手法から適したものを選択し応用する仕方を理解させる。
[その他]
(未登録)