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授業科目名
担当教員
オペレーティングシステム及び実習
岩沼 宏治
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
263655 2 G 2 後期 III
[概要]
本講義では,コンピュータシステムの中核をなすオペレーティングシステムの基本的理論とその応用法を学ぶ.特にアプリケーションシステム構築するためのオペレーティングシステムが提供する機能とその使い方に重点をおき,特にネットワークプログラミングの作成実習を重点的に行う.コンピュータ工学の基幹科目として,十分な幅と深みをもった題材を取り上げ,学生に十分な素養を持たせることを目標としている.
カリキュラム中での位置付け: Gコースのカリキュラム
[具体的な達成目標]
本講義では,
(1) OSの役割、基本的な概念と構造や実現方式の理解
(2) システムコールやAPIの利用を通して、OSの種々のサービス機能をプログラムから利用できる能力,即ちシステムプログラマとしての基本的な知識と技術の修得,特にOSの持つネットワーキング機能とその上のプログラム開発の能力の修得

を具体的な達成目標とする.より詳細な項目は後述の講義項目を参照して頂きたい.
後継科目のコンピュータネットワークおよびコンピュータネットワーク演習と協力して,ネットワークの基礎的素養を持つ有用なシステムプログラマーの育成を目的としている.
[必要知識・準備]
計算機アーキテクチャ,プログラミングIとII,および同演習
[評価方法・評価基準]
中間試験(合計30点),口頭試問および実技試験(20点)期末試験(35点)およびプログラム作成課題レポート課題(10点)とTOEIC試験の評価(5点)の合計で評価する.60点以上を合格とする.

口頭・実技試験では,事前にある基準・仕様を満たすネットワーク対戦形式ゲームを,各人に開発してもらい,提出してもらう.試験官の面前で提出プログラムを make,操作,特徴説明を行ってもらい,次に口頭試問を実施し,評価を行う.
[教科書]
  1. 野口 健一郎, オペレーティングシステム, オーム社出版局, ISBN:4274132501
[参考書]
  1. ニール・マシュー,リチャード・ストーンズ, Linuxプログラミング改定第2版, ソフトバンク パブリッシング, ISBN:4797327014
  2. 谷口秀夫, オペレーティングシステム概説, サイエンス社, ISBN:4781909574
  3. 谷口秀夫, オペレーティングシステム, 昭晃堂, ISBN:4785620439
  4. 吉澤康文, オペレーティングシステム, 昭晃堂, ISBN:4785631198
  5. 大久保 英嗣 編著, オペレーティングシステム, オーム社出版局, ISBN:4274131939
[講義項目]
第 1回 オペレーティングシステムの役割
オペレーティングシステムのユーザインタフェース
    オペレーティングシステムのプログラミングインタフェース
第 2回 オペレーティングシステムの構成
第 3回 入出力の制御とファイルの管理
第 4回 プロセスとその管理と多重プロセス
第 5回 メモリの管理と仮想メモリ
第 6回 ネットワーキングの機能
第 7回 中間試験
第 8回 インタネットの概念とOSによるネットワークの制御
    ネットワーク上のプロセス間通信とソケット概念
第 9回 簡単なチャットプログラム作成
第10回 1対1通信ライブラリの作成と端末画面制御用ライブラリCURSES
第11回 1対1非同期通信:追跡ゲーム作成
第12回 多重コネクション
第13回 並行プロセスの生成と制御
第14回 実技・口頭試問
第15回 期末試験
[教育方法]
・全ての講義資料をPowerPointを利用して電子的に作成し,ホームページから配布する
• 適宜,自主勉強用の演習問題プリントを配布する.
• 中間試験の答案用紙の採点結果を返却する予定である.これにより自己の実力の確認を行なってもらう.
・後半はネットワーク・プログラム演習を中心とする.
・演習時間の最初に当日の課題とその背景技術などの説明を行い,その後,プログラム作成を行う.
・教育効果を高めるために,必要に応じて模範プログラムなどを配布し,また未完成プログラムの形式で,穴あきプログラムを完成する形式の課題を与える.
・演習課題と説明資料はWEB上で配布する.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
教育目標(A)に対して,コンピュータシステムの中核であるオペレーティングシステムの基本的構造と機能について習得させる.またネットワークアプリケーションの構築実習を通して,OSの役割,システムコールの利用方法,割込み処理などの基本的仕組みを学ぶ.
教育目標(B)に対して,作成したアプリケーションの構成や創意工夫した点などについて,口頭に適切に説明できる訓練を行う.
教育目標(C)に対して,Cコンパイラが示すエラーメッセージなどの英語を理解させる。また補助手段としてTOEIC点数を評価の一部に利用する。
教育目標(D)に対しては,前半では演習問題を配り,自主的な勉強を誘導・推奨する.後半の実習部分では,各自の創意工夫を誘導し,必要な事項を自分で調査勉強させる.
教育目標(F)の1に対して,ソケット通信,サーバ・クライアントなどのネットワーク通信技術を理解する.また実際のネットワークプログラミング技術を習得する.
[その他]
オフィスアワー: 月曜日4時限目