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授業科目名
担当教員
信号処理演習
小澤 賢司/渡邊 貫治
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
263631 1 G 2 後期 II
[概要]
 メディア工学において,音声・画像などのディジタル信号を生成・処理することは重要な位置を占める.また,今日では,その生成・処理には,高速信号処理用の集積回路であるDSP(Digital Signal Processor)を用いるのが一般的である.この背景に基づき,以下の2点を本演習の目標とする.
(1)講義科目「信号処理」で学んだ概念について,自分で時間波形やスペクトルを描くことを通じて理解を深める.この目標を達成するために,Mathematicaによるプログラミングを行う.
(2)DSPを利用し,実際にプログラミングを通じて,信号処理や割込み処理を習得する.ただし,電子回路の専門知識を前提とせずにDSPを利用するため,DSPスターターキット(DSPにAD,DAなどの周辺回路まで準備されているボード)を活用することとする.
☆カリキュラム中での位置付け:Gコースのカリキュラム
[具体的な達成目標]
(1) 1次元信号について量子化精度を変更するプログラミングができる.
(2) ディジタル音信号の代表例として,WAV形式のファイルを読み下すことができる.
(3) アナログ信号について,フーリエ級数展開・フーリエ変換を実行し,時間波形からスペクトルを求めることができる.
(4) 割り込み処理の概念を理解し,プログラミングができる.
(5) DSPのアーキテクチャを理解した上で,フィルタリングを行うDSPプログラミングができる.
[必要知識・準備]
・講義科目「信号処理」を同時(あるいは前年度)に履修することが必須である.
・プログラミングの前提として,C言語およびMathematica の使用法を修得しておくことが必須である.
[評価方法・評価基準]
毎週レポートを課す(80点).また,出席状況および点呼のための小テストも評価の対象とする(20点).
合格点:60点
[教科書]
  1. Code Composer Studioを使ったDSPプログラミング C言語によるディジタル信号処理入門, CQ出版社, ISBN:4789836975
[参考書]
  1. DSP Cプログラミング入門, 技術評論社, ISBN:4774110787,
    (本演習で扱う内容を超えた発展的な領域に興味がある人についての参考書)
[講義項目]
  1.複素数の四則演算,複素正弦波の取扱い 
  2.AD変換,量子化誤差
  3.WAVファイルの読解,正弦波の重ね合わせによる周期波形の合成
  4.実フーリエ級数展開,Gibbs現象
  5.複素フーリエ級数展開
  6.フーリエ変換
  7.畳み込み演算の基礎
  8.DSPアーキテクチャ
  9.正弦波発生器の作成
 10.メモリーマップとリンカ
 11.AD/DA変換器
 12.割込み処理プログラミング
 13.ディジタルフィルタの作成(その1)
 14.ディジタルフィルタの作成(その2)
[教育方法]
 演習の前半7回では,一次元信号処理の基礎である「波形を描く・スペクトルを描く」ことをMathematicaプログラミングを通じて実践する.
 後半7回では,DSPの実機を用いたプログラミングを行い,実際の信号処理システムを体得する.具体的には,ボイスチェンジャーや雑音除去システムを作成することによって,音の入力・処理・出力という一連の信号処理を実践する.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 「目標(A) 情報処理技術者としての基礎的素養及び基礎的スキルの修得」に関して,情報は,時間領域での表現と周波数領域での表現といった,異なる形で同様に表現可能であることを理解させる.また,割り込み処理技術を理解させる.
 また,「目標(G)次の専門技術の何れか一つ以上を具備した人材の育成」に関しては,「項目2.マルチメディアコンテンツを開発処理する基礎的技術」に関して,離散フーリエ変換・フィルタリングによるディジタル音信号処理の原理を理解させる.また,DSPプログラミングにより実際にフィルタリングを実施して,所望の音信号を合成する手順を理解させる.
[その他]
(未登録)